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中間貯蔵施設 大熊町が受け入れ方針決定
12月12日 14時59分

中間貯蔵施設 大熊町が受け入れ方針決定
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福島県内の除染で出た土などを保管する中間貯蔵施設について、建設候補地となっている福島県の2つの町のうち大熊町は、12日、建設を受け入れる方針を決めました。
候補地の自治体が受け入れを決めたのは初めてです。

政府は福島県の双葉町と大熊町のおよそ16平方キロメートルの土地に福島県内の除染で出た土などを保管する中間貯蔵施設を建設する計画で、来年1月からの搬入開始を目指しています。
建設を巡っては、ことし9月、県が受け入れを表明し、その後、国が、地権者と建設候補地の土地の買い取りなどの交渉を進めていますが交渉は難航しています。
このうち会津若松市にある大熊町の仮の役場では、12日午前、町議会の全員協議会が開かれ、渡辺利綱町長が「復興を進めるためにも町として施設の建設を受け入れたい」と説明したということです。
これを受けて、議会で協議した結果、補償の内容には不満が残るとしながらも、地権者への一定の説明は尽くされたうえ、復興や生活の再建を早く進めるためにはやむをえないとして建設を受け入れる方針を決めたということです。
候補地の自治体が建設の受け入れを決めたのは初めてです。
また、候補地の双葉町については建設を受け入れるかどうか明らかにしていません。
大熊町では来週、行政区長を集めて建設受け入れの方針を説明し、来年1月にはすべての住民を対象にした懇談会を開き、理解を求めたいとしています。
これについて、福島県大熊町の渡辺利綱町長は「町としても判断を下す時期だと考えている。ただ、あくまで建設の受け入れであり、搬入を始めるに当たっては国に安全協定の締結などをしっかりと守ってもらい、地権者の生活再建や町の復興についても支援を求めていきたい」と話しています。
また、大熊町議会の千葉幸生議長は「住民への支援や再建を進めていくためにも受け入れを表明して一歩前に進んでいきたいということだったので議会としても了承した。国に対しては、地権者からの要望をしっかり受け止めていただき、住民や町への支援に協力をいただきたい」と話しています。

住民からはさまざまな声

福島県会津若松市の仮設住宅で避難生活を続ける大熊町の住民からは、町が建設を受け入れる方針を決めたことについて、さまざまな声が聞かれました。
中間貯蔵施設の候補地に自宅がある70代の男性は「先祖から受け継いだ土地を手放したくない気持ちはあるが、福島の復興のためには施設の受け入れはしかたがないと思う。ただ、補償などまだ納得していない部分もあり、すき好んでふるさとを出て行く人はいないので、そういう地権者の気持ちを国には考えてほしい」と話しています。
候補地近くに自宅がある50代の男性は、「施設はどこかに作らなければならず、原発の周辺の町に作るのはしかたがない。もっと早く受け入れを決めて、町の復興を進めるべきだったと思う。自宅は施設から数百メートルで、まだ放射線量も高いままなので帰ることはできません。町民全体に対する支援を早急に決めてほしい」と話しています。
また、施設の候補地の外に自宅がある70代の女性は「自分のところのゴミは自分で処分するのはしかたがない。避難生活が長くなり、体の具合も悪くなっているうえ、町民がバラバラで話す人も減っているので、早く町に帰りたいです」と話しています。
候補地に自宅があり、小学生の孫が今も津波で行方不明になっている70代の女性は、「施設が建設されてしまうと、孫が見つからなくなってしまうかもしれないので、見つかるまでは建設には反対です」と話しています。

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