THIS WEEK 週刊文春 掲載記事

二週間で映画一本分 
朝日本社内コンビニ募金の「寂しい結末」

 ある朝日新聞社員が自嘲気味に苦笑する。

「やっぱりわが社は口だけということですね。理想論ばかりで実態が伴わない」

 発端は四月十四日に遡る。この日、中国青海省を襲ったM七・一の大地震で、死者は二千人を超えた。日本でも援助の動きは早く、朝日新聞も、

〈中国青海省地震に長岡市が義援金 50万円「同じ被災地」〉(四月十七日)〈中国・青海地震に見舞金100万円 大阪市〉(四月十八日)〈北九州の全市議が青海地震に見舞金 中国総領事館へ61万円〉(五月一日)

 と詳報している。夕刊コラム「素粒子」では、沿海部と貧富の差が開く一方の内陸部での地震をこう嘆いた。

〈最近なぜか、貧しい地域を襲いがちな震災。中国の青海省で地震。自然の無慈悲さと、それを拡大しがちな社会のゆがみ〉

 ほかにも、派遣社員の男性が「持ち物を売って募金をした」との話を投書欄「声」で紹介。

 ところが、「紙面とは裏腹な意識の低さを如実に示してしまった」(同前)と社員の間で囁かれた“事件”が、朝日新聞東京本社八階にあるローソンで起きていた。

 コンビニ大手のローソンでは、全国の店舗で四月十七日から三十日までの二週間、青海地震への募金活動を行っていた。入構証がないと入れない朝日本社八階のローソンはいわば「社員専用店」で、そこでもレジ前二カ所に募金箱が設置されていた。

 期間が終了した今、募金箱にはこんな紙が貼られている。

〈当店の「中国青海省地震」救援募金は1821円です。ご協力ありがとうございました。〉

 千八百二十一円……二週間で映画一本分かよ! もちろん多寡の判断はそれぞれだが、

「ボーナスは二年前から減ってはいますけど、給料は世間から見れば恵まれていて、記者職なら三十歳で年収一千万円に届きます」(別の社員)

 という話を聞けば「なんだかなー」という気持ちにもなろうというもの。

 ローソンのホームページで発表している青海省地震の募金額を実施店舗数で割ると、平均で千八百九十四円。朝日本社のローソンは、平均を下回るお寒い結果だった。

「結局、意識も平均以下ってことですかね」(同前)

「週刊文春」編集部

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