夫婦の戸惑い
昨年10月。 心臓に障害のある娘を 地元小学校に行かせるための入学相談で 発達障害を指摘された。 発達の遅れは 随分前から気になっていた。
*** 今までのまとめ ***
地元 保健センターに相談すれば 問題ない。 心臓の病院で 相談しろという。 → 主治医に相談すると 「このこのバカは ご両親からの 遺伝じゃないと 言い切れますか・・・」 と言われ (医師のプライドが高いのは承知しているが どうして 専門医に相談しろと促さないかなぁ・・・) 夏の検査入院では マラソン・潜水水泳以外の運動制限なし と地元小学校入学に 太鼓判を 押された。 → 障害者手帳があるので 就学相談 → 校長の面談で終了といわれ → 気が付けば 面接 → 発達検査を促されている。
*** 夫の 言い分 ****
発達検査に 賛成。 娘の発達具合を 数字(客観的に)で 見れる。 就学猶予は 反対。 教育委員会が 「ありえない」 と言っているのだから 絶対ない(確信をもって言い切っていた) また、もしごり押しして就学猶予が実現しても その1年間が 問題。 幼稚園の助成金なしで 幼稚園に行かせる金銭的な余裕はない。 保育園も心臓障害を理由に 以前に断られている。 就学猶予が万が一実現しても、 一年間在宅では 母親の負担が増えるだろう。
*** 私の 言い分 ***
母子手帳で指摘されたように 娘を育てていて 発達に全く問題の無い子だと 思っていなかった。 自分の子育てが合っているのか 常に不安だった。 けど、 今までスルーしてきた問題を ここで大騒ぎすることに 耐えられない。 日本の役所が 縦割りなのは 分かっている。 通っている幼児教室のテストでも 平均60前後。 優等生ではない。 発達検査を受けても良い点数なんか取れるはずもない。 教育委員会に普通学級に入れない理由を与えるだけ。
もし、 発達検査を受けて 発達が遅れていた場合(月齢より半年から1年位遅れていると思う) 就学猶予を検討したい。 私自信 4月1日生まれなので 大人になってから 親の判断で就学を1年遅らせる 措置があるのを知って 衝撃を受けた。 障害者手帳をもつ障害者なんだから 1年遅らせることが 出来ないはずない。 就学猶予を 検討項目に含めたいだけだ。 娘に足りないのは 「あいうえお」 より 集団生活などの社会生活だ。家に閉じこもるより 小学校に入学することを 前提として 幼稚園にもう1年入れたい。(年長を もう1回やらせるということ) 大人になれば 大学入学の際に 1浪・2浪 は当たり前だ。 長い人生の中で 1年就学を 遅らせることは 大した問題ではない。
*** 夫の言い分 ***
1年就学を 遅らせるのは 大問題だ。 一生その学歴がついてまわるのだ。 学歴社会のこの世の中で 1浪・2浪が 就職の際差別を受けない・・・とは 言い切れない。 生年月日と就学年齢が合わないのは 一目瞭然で分かること。 現実、 夫の高校時代に 学友が 暴力団の父親が指名手配され 子供を連れ 日本中逃げ回った。 1年間の逃避行の末 父親はつかまった。 義務教育を受けてなかった空白の1年間をやり直すことになったが 全校で年齢と学年が合わないと噂の的だった。 そんな差別に 娘をさらけ出せない。 娘に恨まれるぞ。 その覚悟は 出来ているのか。
*** 私の 言い分 ***
心臓に障害を持っているから 障害者という肩書は すでにある。 この就学相談が その一つだ。 東京都内 どこの小学校でも 1級でペースメーカーが入っている子でも 人工弁が入っている子でも 普通学級に 入っている。 小平にいる 無脾症の子も 普通学級に入っている。 どうして・・・・ どうして・・・・私の子だけ・・・ 納得できない。 これは 差別では ないのか。 これから 常に試練が待っている。 なら 就学猶予について調べたい。 万一 「 発達に 問題あり 」 だったら どう対応するのか。 1年目から 養護に入れるのか。
*** 夫の 言い分 ***
「 発達に問題アリ 」 なら 検査結果を 見せない。 「 問題なかった 」 と口頭で 言えばいい。 何もバカ正直に 全てを 話す必要はない。
夫婦の意見は まとまらなかった。 私は いろんな事が 決断できずにいた。 もともと優柔不断の性格だが 娘の一生を左右するのに 考えがまとまらない。
とりあえず、 発達検査を してくれるという 多摩市の療育センターに 電話で問い合わせた。 そこで 言われた言葉は 衝撃的なものだった。
「お母さんは 娘さんの 発達が 遅れていると 思いますか」 医療相談員が 質問する。
「いいえ。 心臓の障害があり、 発達の遅れには理由があります。 幼稚園の先生が 問題なしというなら 問題ないと思います。 心臓医も 問題ないと 言ってますので。」
「では、 発達検査は 受けなくて 大丈夫です。」
・・・ どういうこと? ・・・
「市の教育委員会の職員が 就学相談の一環で発達検査は必要です。 と言っているのに 発達検査は 必要ないんですか。」
「はい。 必要ありません。」
「市と検査機関が 何か提携があって こちらを薦めたのでは ないのですか?」
「いいえ。 そんな 提携はありません。 万一、 発達検査を 受けても 結果をこちらから 教育委員会に お知らせすることはありません。 検査結果は 個人情報です。 それと、 検査だけ受けるということは 出来ません。 検査結果を 前提に 発達に見合った治療を受けて頂くのが 当院の目的です。 テストだけは あり得ません。」
絶句。 発達検査をするということは 発達の遅れに見合った治療をするということだった。
療育センターに通うということは 知的障害を 認めるも同じだった。
・・・ これは 教育委員会に しくまれた 罠だったのか ・・・
悩んで回答に困っていた私に 電話口の女性は提案した。
「予約だけ入れますか。 混んでいるので多分2-3か月待ちになります。 もっと待つかもしれません。 予約が取れそうになったら ご都合を伺いに ご連絡入れます。 その時にキャンセルされても かまいません。」 助け舟だった。
「お願いします。」 即座に回答した。 とりあえず 一呼吸置いて・・・ また夫との話し合いが 必要だった。
「では、 書類のご用意を お願いします。 まず、①紹介状・・・ 教育委員会 ・ 家庭支援センター ・ かかりつけ医 どれでも可能ですが、 できれば 今回発達の遅れを指摘された 教育委員会にお願いしたいです。 紹介状が無ければ 3150円かかります。」
私は 頭の中で教育委員会にお願いするのだけは 嫌だと思った。
「②母子手帳 ③保険証・医療証を お願いします。 それと、 お母さんのメンタル面の カウンセリングが 必要です。 発達障害と向き合うために 地元の家庭支援センターに予約して 娘さんが 発達検査を受ける準備を してください。」
家庭支援センターで カウンセリング ・・・・ やることが また増えた。
10月。 幼稚園では バザーが終わり 卒園の準備で ダンスの練習が始まった。 精神面で ダメージを 受けていた私は 不眠・おう吐・朝方の貧血 を 繰り返していた。 体重も減少し、 立っているのも やっとだった。
就学相談が 精神的に こんなにも つらいものだとは 思ってもいなかった。
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