代理サーバー:一斉摘発…不正接続の容疑 20都道府県警

毎日新聞 2014年11月19日 12時51分(最終更新 11月19日 13時22分)

 インターネットバンキングの不正送金事件などで、発信元を隠すためにネットへの接続を中継する「プロキシ(代理)サーバー」が悪用されるケースが相次いでいる問題で、警視庁や北海道、埼玉、神奈川、愛知、京都、鹿児島などの約20道府県警は19日、全国各地にあるプロキシサーバー管理業者の一斉摘発に乗り出した。

 捜査関係者によると、対象となっているのは日本国内にサーバーを設置し、中国からのアクセスを中継している業者。他人のIDとパスワードを使い、中国の顧客らに日本のインターネットに不正接続させた疑いがあり、不正アクセス禁止法違反容疑で関係先数十カ所を家宅捜索し、中国人ら10〜20人を逮捕する。

 このうち、警視庁は同法違反容疑で東京都豊島区の管理業者「サンテクノ」など2社を摘発し、中国人の男(32)ら2人を逮捕した。この2社は約300件、被害総額4億円超のネットバンクの不正送金事件に関与した疑いがあるという。

 プロキシサーバーを経由すると、中国など海外からアクセスしても、接続先には同サーバーのIPアドレス(ネット上の住所)しか記録されないため、利用者の素性を隠すことができる。警視庁などは、これらの業者が犯罪に悪用されることを知りながら中国の顧客に接続させていたとみて実態解明を進める。【林奈緒美】

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