来年度予算発表後に日本を格下げへ=フィッチ
[東京 11日 ロイター] - 格付け機関フィッチ・レーティングスは、日本政府が2015年度予算で消費税率引き上げ延期の影響を相殺できない見通しであることから、信用格付けを来年初めに引き下げる可能性があると明らかにした。
アジア・太平洋ソブリン部門責任者アンドリュー・コルクホーン氏が11日、日本に関するコンファレンスコール(電話会議)で、「消費税の再増税延期の影響を相殺するような予算提出に適した環境ではない」と指摘。「格下げが行われるというのがわれわれの見方だ」と語った。
同氏はまた、政府が法人税率の引き下げも検討しているとし、財政赤字削減の可能性が低下すると指摘した。
フィッチは日本の格付けを、AAAを4段階下回るAプラスとしている。同社は2段階以上の格下げは検討しない見通し。
格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは先週、消費税率引き上げ延期を理由に、日本の格付けをA1に引き下げた。これはフィッチと同水準。
コルクホーン氏は、日本国内の潤沢な貯蓄で政府債務がまかなわれており、国債格付けの支援材料になっていると指摘。日銀の量的緩和も前向きな要素だと述べた。
フィッチは9日、日本の格付けを引き下げ方向で見直す、格付けウォッチ・ネガティブに指定した。
*内容を追加します。
© Thomson Reuters 2014 All rights reserved.