『ゴジラ』映画における最後の"特技監督"川北紘一さん死去、特撮への想い

ニュース
トップ

『ゴジラ』映画における最後の"特技監督"川北紘一さん死去、特撮への想い

  [2014/12/11]

怪獣映画の草創期を知り、文字通り"特撮の生き字引"として活躍した川北紘一さん

特撮怪獣映画『ゴジラVSビオランテ』(1989年)をはじめとした平成『ゴジラ』シリーズの特技監督で知られる川北紘一さんが5日、肝不全のため都内の病院で死去したことがわかった。72歳だった。

川北さんが代表取締役を務めるドリーム・プラネット・ジャパンがFAXを通じて発表し、葬儀、告別式は近親者で営まれた。喪主は妻繁子さん。後日お別れの会が予定されている。

川北さんは、東宝の特殊撮影係を経て、『ウルトラマン』シリーズで知られる円谷英二特技監督をはじめ、有川特技監督、中野特技監督に師事。1972年には、特撮TVドラマ『ウルトラマンA』で特撮を初演出している。そして、平成『ゴジラ』シリーズと呼ばれる『ゴジラVSビオランテ』(1989年)から『ゴジラVSデストロイア』(1995年)までの計6作品で特技監督を務め、現在のところゴジラ映画における"特技監督"の肩書をもつ最後の人物だった。(『ゴジラ 2000ミレニアム』以降は「特殊技術」というクレジットに変わる)。

初代・特技監督の円谷英二氏に師事した川北さんは、怪獣映画の草創期を知る人物で、文字通り"特撮の生き字引"として活躍した。2003年には、株式会社ドリーム・プラネット・ジャパンを設立して代表取締役に就任し、平成『ゴジラ』シリーズのスタッフを集めて特撮TVドラマ『超星神グランセイザー』を制作。以降の「超星神シリーズ」、2006年に公開された特撮映画『超星艦隊セイザーX~戦え!星の戦士たち』の特撮演出を担当した。2013年には、大阪芸術大学の客員教授も務め、「映像美術論」という講座で学生に特撮を教えていた。

川北さんは今年9月のインタビューにて「今はデジタルで何度でも撮り直しが利くし後で加工もできるから、学生は片っ端からバシャバシャ撮っちゃうんだよ(笑)。だけどそれじゃあ新しい映像作りというものは生まれない。そのために特撮の、やり直しがきかない緊張感というものを教えてるんだ。やっぱり特撮は現場で学ぶしかないからね。座学なんかじゃ何も学べないんだ」「彼らの中から1人でも次の映像作りを支える監督やスタッフが育ってくれればいいなあと思ってるんだけどね」と自身の特撮への想いを伝えていた。

twitterでは、川北監督が特技監督を務め、1989年に公開された『ガンヘッド』にマット画の助っ人として参加した"怪獣絵師"で知られるイラストレーターの開田裕治氏、『超星神グランセイザー』の制作時に企画デザインを描いたというアニメーション監督、メカニックデザイナーのさとうけいいち氏、『ガンヘッド』や『ゴジラVSビオランテ』などで従事したアベユーイチ監督など、多く関係者や親交のあった人々から続々と追悼メッセージが寄せられている。

関連したタグ

関連記事

関連サイト

新着記事

特別企画

一覧

    人気記事

    一覧

    イチオシ記事

    新着記事

    「サイコパス」イベントに関智一や石田彰も出演!2期振り返り上映会も
    [01:30 12/12] ホビー
    【レポート】声優・内田真礼、2ndシングル発売記念で「Maaya Party! Vol.2」を開催! バースデーイベントの開催も決定
    [00:46 12/12] ホビー
    【コラム】Windows 8.1ミニTips 第85回 OneDriveのドキュメントフォルダーにドライブを割り当てる
    [00:00 12/12] パソコン
    [ホビット 決戦のゆくえ]壮大な冒険のラストを飾るシリーズ完結編
    [23:40 12/11] エンタメ
    【男性編】ゴキブリの駆除方法ランキング - 「物理攻撃こそ最強」
    [23:00 12/11] ライフ

    本音ランキング

    特別企画

    一覧