2014年12月10日09時59分
●いわきに1人常駐
大熊町が来年1月から副町長を1人増やし、2人体制とすることが9日、町幹部への取材で分かった。現在の会津若松市の仮役場に加えて、避難先に選ぶ町民が増えているいわき市の出張所にも新たに1人を常駐させ、町民への対応強化につなげる狙いだ。
町はすでにこうした方針を議会側に伝え、10日開会の町議会12月定例会に人事条例の改正案を提出する。具体的な人選案も今議会中に提出する見通しだ。
町は当面、行政経験が長い現在の鈴木茂副町長をいわき市に移らせ、新しい1人は渡辺利綱町長がいる会津若松で業務をスタートさせる方針だ。新たに副町長を常駐させることで、いわき市にいる町民を重視する姿勢をアピールするほか、機敏な対応につなげたい考えだ。
いわき市に避難する町民は当初2千人に満たなかったが、今は全町民の半分近い4千人超が暮らす。職場が近く、住み慣れた浜通り地域に避難先を移す人が多いためとみられる。逆に会津若松市で暮らす町民は減っており、多かったときの約4千人から現在は2千人を割り込んだ。