2014年12月10日12時35分
東京電力福島第一原発事故の放射能で汚染され、1キロあたり8千ベクレルを超える焼却灰(指定廃棄物)の最終処分場建設の見通しが立たないため、千葉県松戸市は10日、県手賀沼終末処理場(我孫子、印西両市)に一時保管していた汚染焼却灰の持ち帰りを始めた。来年3月が一時保管の期限になっているため。同様に汚染灰を置いている柏、流山両市も近く搬出を開始する。
県は、国の最終処分場ができるまでの措置として、同処理場にテント型の仮倉庫を建設。2012年12月から、松戸など3市で行き場を失った汚染灰計526トンを保管していた。このうち松戸市からの汚染灰は約52トンで、1袋約600キロの保管袋で85袋ある。
この日は、午前中に4袋がトラックに積み込まれ、放射線量を測定した後、松戸市のごみ焼却施設「市クリーンセンター」の敷地内に設けた仮保管庫に搬入された。1日に8袋を運び、来年1月中旬に完了する予定だ。柏市は296トン、流山市も178トンの汚染灰を持ち帰るという。
国は、宮城、栃木、群馬、茨城、千葉の5県で指定廃棄物の最終処分場を確保する方針だが、いずれも難航しており、千葉県では候補地の名前すら挙がっていない。このため県は10月、今年度末までの建設は困難とみて、3市に灰の持ち帰りを要請していた。
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