僕と彼女は10月ごろに付き合い始めた。出会いは(とは言え、その人との出会い方で、その二人の価値やランク、お茶の間で話題の『ファーストクラス』風に言う”マウンティング”するのは、もはや時代錯誤なのかもしれないけれど)Twitterだ。彼女は、こじらせ系女子として、少しばかりTwitter上では名が知れ渡っており、フォロワー数もとても多い。
一方僕は、ここ2週間ほど日本で少しばかり話題になった(海外では反対署名デモ等が行われるほど大きな反対運動も引き起こしていたが)PUA(Pick Up Artist)、ジュリアン・ブランク等と同じような活動(と言っても、彼らがやっているような非人道的なものではない)、藤沢数希風に言うのであれば恋愛工学者、つまりプレイヤーとしての恋愛工学活動、宮台真司等社会学的なアプローチで言うならば、「くそったれな社会を生き抜くための希望」、変性意識状態になる瞬間恋愛、愛のキャラバン活動、語弊を恐れずにいえば、<ナンパ師>と言うことになる(強引にまとめたが、もちろん、上にあげたそれぞれは必ずしもイコールではない、ニアリーイコールな部分はあるかもしれないが)。
僕は宮台信者であり、藤沢数希信者でもあるから、社会学的、且つ恋愛工学的なアプローチでこの活動を行っていた。それらの界隈の人たちと情報共有するためにTwitterアカウントを作って、時に自己承認欲求のために活動報告をしたり、数を報告したり、一方で負けた試合についてグダグダつぶやいていたり、時にはすごく内省的になり、これまでの自分の活動と自己について振り返ったりしていた。
そのまた一方僕は、アングラ活動も行っていた。アングラと言ってもとても範疇が大きいため、少し焦点を絞って言うならば、ハプバー活動だ。僕は、少しばかり特殊な性的指向がある、複数が好きであったり、バイであったり、SMが好きであったり、等、普段の生活では、公に出来ないため、そういったアングラ界隈にも顔を出していた。都内のハプニングバーにはよくお世話になっている。僕はそこで、様々な性的指向を持つ、たくさんの男女とコミュニケーションをとってきて、そしてそれを多いに楽しんできている。今後もそれは変わらないだろう。
そんな、上記のような<ナンパ活動>・<アングラ活動>中に彼女のアカウントと接触した。理由としては、彼女自身、僕が彼女を知る前からこれら界隈と接点があり、その住人とコミュニケーションを行っていたのを、僕が観測したところからはじまる。
彼女はこじらせ女子だ。とてもこじらせている。宮台真司とか上野千鶴子等読んじゃう系女子で、三島由紀夫や、田村隆一とか、こじらせ女子の典型例と言っても過言ではないだろう。
こじらせ女子は往々にして、一定以上の学があることが多い。つまり高偏差値女子たちにはこじらせ女子が多い。高偏差値女子は、昨今の社会、宮代風に言えば「クソ社会」に適応する術を身に付けている。そのため、開かれた性愛、実りのある性愛、恋愛から見放されている。今日の社会で、一番豊かな性愛活動や恋愛活動をしているのは、中間偏差値レベルの女性である。ナンパ、コンパ、紹介等のコミュニケーションに馴染んでおり、そこでの生存戦略をしっかり身に付けているからだ。Twitterアカウントであれば、「東京姉妹」(おそらく高偏差値女子だが、新たな生存戦略のもと行動しているので、やはり中偏差値ではない気がする)や「レイコとまゆみ」(まさしく中偏差値女子の鏡笑)等を見てみると面白いだろう。一方で低偏差値女子は、そもそもの生活に追われているケースが多い。ホスト狂や貧困女子の話はたくさん溢れている。(少々ロジックが飛躍しているが、その飛躍は『絶望の時代の希望の恋愛学』を読んで埋めて欲しい。)
さて、前置きが長くなってしまった。僕は自身の活動を通して彼女と出会い、彼女と付き合うことになった。<ナンパ師!=恋愛工学プレイヤー>としては、ある種とても良い獲物を狩った、<スト値>的にも悪くないし、なによりTwitterでこじらせ女子として名が知れている女性を仕留めたことに、とても優越感を感じていた。しかしながら、一方でこれはプレイヤーとしては最大のミスを犯していることになる。「付き合う」ことになってしまったからだ、彼女は僕が上記のような活動を行っていたことを知っている上で付き合うことを打診してきた。僕のそれら界隈用のアカウントは、見張られているのも同然であるし、何より「付き合う」というところに二人の関係性を落としてしまったため、僕の身動きがとれなくなってしまったのだ。アカウントを新しく作りなおせば良い話でもあるが、そのアカウントには親しみを感じており、早々と切り替えることも出来ず、がんじがらめの状態になってしまった。
彼女の外見を気に入っていないわけではない。彼女の性格を気に入っていないわけではない。外見に関して言えば、化粧をしていればある程度可愛いと思うし(とは言え、僕的には正直ブサイクに見えてしまうのだが、一般的には綺麗と分類されるらしい、しかしながら本人は体型はむっちりというが、正直僕的にはデブの分類だ)、とても気がきき、頭も良い。話していて飽きない。そんな彼女を、僕がどうして気に入らないか。
タイトルの通りである。満州事変がひどい。本人の自覚がない。最中に普通に香ってくる。それだけで、もうSexしたくなくなる。性的に嫌悪感を感じてしまうのだ。ハプバーに通い複数プレイを好んだりしてしまう僕が、彼女とのSexにだけは嫌悪感を抱き、Sexしたくないと思ってしまうのだ。この事実は、僕にとって大事件だった。
正直、上記のようなこともあり、僕は彼女のことが好きではないと改めて自覚してしまったので、問題の解決、つまり彼女と向き合い、香りの事実を伝えることを放棄してしまっている。今は、ただただ、ひたすらに会いたくない。好きでもないし、体等を触れ合いたくもない、僕は、自分が、二人の関係性を「付き合う」というところに落とし込んだことをとても後悔している。彼女と付き合うぐらいなら、ハプバーで最近何度か会ったERINAちゃんと付き合いたいぐらいだ。むしろ、えりなちゃんにオンリーワン中毒になっている気もする。非モテのコミットをしてしまいそうになっていたし。
このエントリーは、ひたすらに、ただ、今の彼女と別れたいということを、適当に様々な文脈にのせて、書きなぐった、ただの愚痴エントリーである。
この日記をローカルに保存したのが11月初旬、11月下旬に無事関係を解消することができた。またErinaちゃんはストップロス戦略に変更。新たに弾数を増やして、今は別の女性複数人と関係を構築している。
最初からわかりきっていることだが、<女遊び>は虚無しか残らない。僕はまだまだ「ロマンチックラブ・イデオロギー」に取り憑かれているため、「<本命>の彼女を作って、結婚して・・」のような将来を夢見ている一方で、このような活動を通して、ロマンチックラブと現実の差異に戸惑いながら、<女遊び>を続けて、ふと虚無感に支配され、そしてまた日常に戻る、そんな日々を送っていくのだろう。