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高齢者の転倒の危険度測るシステム開発
12月9日 17時26分

高齢者の転倒の危険度測るシステム開発
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お年寄りは、転んで骨を折ったり、頭を打ったりしたことをきっかけに、寝たきりの状態になることが多くありますが、こうした転倒事故を防ぐため、体の機能を測定して転倒する危険がどれほどあるかを調べるシステムを、京都大学などの研究グループが開発しました。

この新たなシステムを開発したのは、京都大学大学院の青山朋樹准教授らの研究グループです。
産業機械メーカーなどと共同で開発されたシステムは、縦1.6メートル、横1メートルのマットとパソコン、それに、足の位置をとらえる特殊なセンサーで主に構成されています。
お年寄りの身体機能の測定はこのマットの上で行われ、片足でぐらつかずに立っていられる時間を計るほか、パソコンに表示される矢印に応じて前後左右に足を動かし、正しく動かせたかや、反応までにかかった時間を調べます。
お年寄りにどれほど転倒する危険があるかは、この測定で得られた数値を基に、計算する仕組みです。青山准教授は、「日本では、3.5秒に1人のペースで、お年寄りが転倒しているというデータもある。比較的、元気なお年寄りでも1度の転倒で寝たきりになる危険があるので、この機器で自分の能力を測ったり、トレーニングしたりしてほしい」と話しています。この測定システムの重さは2.5キロほどで持ち運ぶことができ、平らな床があればどこでも使えるということです。
来月から、1台98万円で販売され、レンタルでの利用も可能だということです。

転倒が寝たきりのきっかけに

お年寄りの転倒事故は、打撲や骨折などといったけがだけでなく、脳にダメージを与えることがあり、「寝たきり」の状態になるきっかけにもなります。
また、こうした転倒や転落で死亡する人もいます。
厚生労働省の統計によりますと、おととし1年間で7761人と、交通事故による死者6414人を上回っていて、この86%までが65歳以上の高齢者でした。
このほか、最近の研究では、お年寄りが転倒する原因は筋力のような、体を動かす機能の低下だけでなく、体に指令を送る神経の衰えも関与していることが明らかになっていて、比較的、足腰がしっかりしている元気なお年寄りでも転倒の危険はあるということです。

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