1. トップ
  2. 連載
  3. May_Romaの打倒宣言「似非フェミニスト」に物申す!

May_Romaの打倒宣言「似非フェミニスト」に物申す!

2014.12.09 06:50 DMMニュース
日本には義務を果たさない自称フェミニストが多い!?
日本には義務を果たさない自称フェミニストが多い!?

 気がついたら師走です。皆様におかれましては原油価格が下がったのになんで灯油の値段が下がんねーんだゴルァァア!! と怒りをぶちかましながらネットで田母神閣下の下半身問題を熱く議論されている頃かと思われますがいかがお過ごしでしょうか。

 レリゴーレリゴーとあのムカつく歌が流れる中、ワタクシは背中に息子を背負って母さん夜なべしてツイッターランドの電波浴をしておりましたが、以下の様な奥深いツイートを発見したのです。

絶望的にどうしょうもない海外の男たちを知ってるのか

 一連の発言をまとめますと、

「海外に草食系はいない」
「日本の男は草食系でクソ」
「草食系はもてない男」
「持てない男は負け犬」
「女が女の魅力を使いまくって何が悪い」
「欧米とは中国と韓国とアメリカ」
「海外の男は家事も宿題もやってくれて初任給700万円で食事代も旅行代もおごってくれるから日本の男はクソ」

 ツイッターのまとめというのも、その辺の実話誌より香ばしかったりしますので、週刊誌が売れなくなるのも良くわかるという実例です。実話系ライターはもっと切磋琢磨しなければなりません。

「そもそもお前海外は北朝鮮とかコンゴも含むのかゴルァァア!!」
「お前、ジョブズとかゲイツとかバフェットなんて見るからにヲタじゃねーか」
「草食系の定義が違う!!」

 と突っ込みをいれたくなりますが、「欧米」に「中国と韓国含む」の時点でネットを徘徊する無職のネトウヨのみなさんの集中砲火を受けていると思われますので放置しましょう。

 ところで、海外の男がどうかに関してですが、ワタクシが買い物に出かけると横で万引きしている男とか、バスの中でケンタッキーを食べてその辺に骨とゴミをまき散らしている男とか、金曜の夜にパブを破壊している男などは、年収ゼロで家ではハードドラッグをやりながら母ちゃんを殴っていたりします。時々、路上やショッピングセンターで敵対グループを刺したり、闘犬をけしかけるという活動にも熱心です。

 役所が何とかしろと申しましても、あまりにも凶暴なので、ソーシャルワーカーのなり手がおりません。役所としても取り締まるのも一苦労です。なにせ家に行くと闘犬をけしかけてくるからです。人が足りないので、アメリカで仕事にあぶれている若いソーシャルワーカーを輸入している次第です。そういう地区は事件が多すぎるので、パトカーが始終ユンユンユンと走り回っているのです。

権利を保護される女は、自分も働いて稼ぐ女です

 初任給700万円を超える人々というのは、子供二人を抱える頃には恐らく年収1000万ぐらい越えているわけですが、そういう人はイギリスでは労働人口の10%以下であります。なにせここでは年収500万円でトップ10%の年収に入ってしまうのであります(参照リンク)。

 ここでは80%の正社員の仕事は年収300万円以下です。ウェイターやウェイトレスは年収130万円程度、ショップ店員や美容師の年収は200万円程度です(参照リンク)。

 アメリカにおいては典型的な家庭の年収は500万円程度であります。初任給700万円の人は、子供二人を抱える頃にはアメリカの平均的な人々の二倍かそれ以上の賃金を稼いでいるでしょうから、トップ25%の収入を得ることができるわけです(参照リンク)。

 ところでアメリカの富の75%はトップ10%の人々が所有し、トップ3%が54%の富を支配しています(参照リンク)。

 そしてアメリカは人口の15%が貧困層です(参照リンク)。

「女性の権利は守られるべき!でも男はもっとアタシ達を尊敬しなさい!男は食事代は全部出して旅行代も全部出すのがあたりまえ!だってファックさせてやってるのよ。でもアタシは仕事は嫌い。専業主婦やりたい!ドブ板営業とか絶対嫌だわ。そんな仕事は女が男化する仕事なのよ。そんなの女性らしくないし、女性の自己実現じゃないんだわ!ところで、アメリカやイギリスでは女性の権利は守られているのよ!」

 という発言をされる日本女性の皆様は恐らく、無職で母ちゃんを殴っている男や、年収200万円も稼げないので、クリスマス前に消費者金融から借りたお金で彼女にネックレスを買わざる得ない人々のことは視野に入っていないのでありましょう。イギリスでは年収500万円を越える人々がトップ10%に入ることも知らないのでしょう。

 アメリカやイギリスの様な格差が過酷な国では、女は尊敬されます。しかし尊敬される女というのは「義務も果たす女」です。

 こういう苛烈な社会では、父ちゃんも彼氏もいつレイオフされるか分からず、先行きは不透明であるからです。中間層も、MBAを持っている人間も将来は不透明なのです。超大金持ち以外は母ちゃんも働かなければ生活を維持できません。母ちゃんも働かなければボイラーの修理費を払えず、息子の修学旅行の費用を準備できないのです。

 こういう社会で尊敬され、権利を保護される女というのは、自分も働いて銭を稼いでくるという女です。つまりフェアの精神です。フェアこそ自由主義の根幹なのです。

喧嘩や火事に飛び込む女性救急隊員や女性消防士

 フェアとは何かの事例です。

 ワタクシが先日ある事情で救急車を使った時に家にやって来た救急隊は身長180センチほどで体重100kgほどの女性2人組でした。ここでは女性の救急隊は珍しくありません。女性であっても喧嘩で血みどろの患者の対応も、深夜の出動もこなすのです。ところで救急隊員の80%以上は患者に暴力を振るわれています。そういう仕事でも女性がやるのです。

 ワタクシのアメリカの知人の奥様は消防隊員であります。金髪碧眼の美しい女性でありますが、男と同じ訓練を受け、家事になれば現場に出動して火の中に飛び込んで行くのです。

「仕事はしたくない、汚いこともやりたくない、でも権利は保護して欲しいわ、レディースデーも欲しいわ。宿題もやって欲しいわ。彼氏や父ちゃんが全部金を出すの」

 残念ながら日本の自称フェミニストには、こういう思想の人が少なくありません。要求するだけ要求し、自分は義務を果たさず、発言の理論的矛盾には気がつかないのです。

 本当のフェミニストというのは究極的には自由主義者なのです。自分ではコントロールできない属性に左右されずに自分の能力を発揮し、社会に奉仕し、自己実現するというのがその神髄です。

 日本の女性達は自分も尊敬されたいのであれば、父ちゃんや彼氏にだけ負担を押し付けて過労死させるというアンフェアは今すぐ辞めなければなりません。

著者プロフィール

コンサルタント兼著述家

May_Roma

神奈川県生まれ。コンサルタント兼著述家。公認システム監査人(CISA) 。米国大学院で情報管理学修士、国際関係論修士取得後、ITベンチャー、コンサルティングファーム、国連専門機関、外資系金融会社を経てロンドン在住。日米伊英在住経験。ツイッター@May_Romaでの舌鋒鋭いつぶやきにファン多数。著作に『ノマドと社畜』(朝日出版社)、『日本が世界一貧しい国である件について』(祥伝社)など。

公式サイト/谷本真由美(@May_Roma)の「週刊めいろま」

トップへ戻る