昨年は、最大のオープンソースエンタプライズプロジェクトの一つであるOpenStackが大きな話題になった。そして、IaaSであるOpenStackの相方になりそうなPaaS Cloud Foundryは、2015年は今度は自分の年だ、と期待しているようだ。そうなりそうな大きな気配として、このプロジェクトを支える40社あまりの有力企業が今日(米国時間12/8)、Cloud Foundry Foundation(CFF)の立ち上げを発表した。
CFFの創立メンバーは、EMC、HP、IBM、Intel、Pivotal、SAP、VMwareなどなどだ。CFFに投資する企業の数は最近の数か月でそれまでの40%増え、コントリビューターの数は前年に比べて150%増、コミットされたコードは1700%増えた。ただし立ち上げ早々の団体だから、これらの絶対数はまだとても小さい。
Cloud Foundryは強力な支援団体を得ただけでなく、Linux Foundationからも支援を得られることになった。今日はLinux Foundationが、Cloud FoundryをLinux Foundation Collaborative Projectにする、と発表したのだ。
Linux Foundationの事務局長Jim Zemlinによると、LFはCFを組織運営の専門家として支援し、ハッカソンやミートアップを開催していく。また、知財をめぐる法務でも助けていく。またCFのような大型のオープンソースプロジェクトに必要なインフラストラクチャの多くを提供して行く。
Cloud Foundryは元々はPivotal Softwareの製品で、同社はその商用バージョンを顧客に提供している。またPivotalは、このプロジェクトにCloud Foundry Dojoという概念(教育学習方式)を持ち込んだ。
Zemlinが適切に指摘する: “大型のオープンソースプロジェクトには、デベロッパを迅速に確保しづらいという問題がある”(Linuxも然り!)。人が揃って開発が軌道に乗るまで数か月〜数年かかることもある。Dojoは、ペアプログラミングによってベテランのデベロッパと初心者をペアにする。そのため初心者は数週間で仕事ができるようになり、Cloud Foundryへのパッチのコミットもやれるようになる。そういう教育者的なベテランデベロッパは、IBMやSAPなども提供している。
IBMのオープンスタンダード担当VP Angel Diazはこう言う: “オープンソースのプロジェクトのためにファウンデーションを作ろうとするときは必ず、企業人としても業界人としても、優れたオープンソースソフトウェアを作り、コミュニティに参加して協力していく方法について学ばざるをえなくなる。その点でDojoは、人間が優れたオープンソースコントリビューターになるためのMaslow’s Hierarchyの進化形の一つだ”。IBMは同社のBluemixプラットホームのベースとしてCloud Foundryを使っている。
Pivotalの企業戦略担当SVP Leo Spiegelは、このプロジェクトによって企業は、こういうやり方を業界全体に広め、それによりCloud Foundryの開発が加速されるようになる、と言っている。
今日のCFFの立ち上げにより、この団体から、Cloud Foundryブランドの統一化〜標準化を目指す検定証明事業がローンチし、このブランドの今後の分裂を防いでいく。
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