山本敏晴:カダフィ大佐の業績に関する追悼ツイート
山本敏晴の日記ブログのツイート記事「リビア、カダフィ大佐の死亡、彼の業績に関する追悼のツイート 10523字」リンクから、 「はじめに」「カダフィの生き様」「カダフィの功績」を紹介します。 **************** ●はじめに 資本主義と市場のグローバル化では世界中で貧富の差が拡大する。世界人口増加もあいまって資源はやがて枯渇し持続可能ではない。だからといって共産主義は官僚の独裁で国民が不満。結局「第三の道」を目指すしかないのだが、実際にその理論を作り、彼なりの理想国家を作りあげた男に、ただ敬意を表する ●カダフィの生き様 カダフィの生き様。資本主義の米国と共産主義のソ連との「冷戦」の狭間で、そのどちらでもない「第三の道」を模索し、イスラム教のもとで、民族主義(当初アラブ、後にアフリカ)で、かつ高福祉国家を目指し、それを実現。集大成となる「緑の書」を著作し、自らを「王の中の王」と称し世界に覇を唱えた カダフィは悪人だったのか?国連開発計画が毎年発表している人間開発指数を見る限り、そうは思えない。アフリカの中ではトップクラスの開発状態で国民の健康レベルは先進国並み。自著「緑の書」(毛沢東とコーランの影響を受けた独自理論)通りの理想国家を目指した。独裁国家なのは、中東では全部そう ●カダフィの功績 ①多民族国家でまとまらなかったリビアを、独裁体制とはいえ長期的に安定化させた。 ②王制を打倒。形式的とはいえ直接民主制の導入。 ③石油産業の国営化による収益で国民に厚い福祉。教育・医療などが無料。経済も含んだ統計指標で開発度がアフリカでトップクラス。 ④女性の教育を支援 カダフィ大佐によるリビアの統治。 ①建前上、代議員が存在せず、直接、国民の声を政治に反映させるとする「直接民主制」の国家を建設。 ②40年以上の治世で、王政時代から顕著だったとされる(リビア国内での)東西対立を押さえ込み、(多民族国家の)国民を「リビア人」として統合してきた。 カダフィによる、リビア国民への『厚い福祉』。 教育・医療・国が運営する各種サービスは、ほとんどが無料だった。これは、国営化した石油産業からの莫大な収益による。このお蔭で、アフリカ諸国の中で、リビア国民の就学年数・平均寿命・一人当たりGDPなどの統計指標は、全てトップクラスだった。 リビア(社会主義人民リビア・アラブ国)。人間開発指数(HDI、UNDP,2010年)は、169か国中53位で、アフリカの中ではトップクラス。平均寿命が74.5歳と先進国並み。一人当たりGDPも年170万円で、アフリカにしては異様に高い。問題は平均教育期間が7.3年(日本は12年) カダフィを支持する声。アメリカ在住のアラブ系女性の新聞投書。 「反カダフィ勢力がカダフィ政権を打倒することに反対しているのはリビアの女性たち」。カダフィが負けると昔のイスラム教の民族衣装に戻ることを懸念。『アバヤ』はイスラム文化圏の女性の伝統的民族衣装で全身を黒色の布で被うスタイル カダフィの功績。 リビアでは女性の方が男性よりも高等教育の奨学金制度を利用。多くのリビア女性が科学者、大学教授、弁護士、医師、政府職員になっている。カダフィ政府は一貫して女性がその生き方を自由に選べるような政策。イスラム教の導師の中にはこの政策に反対する者もいたが政府はその声を抑制 カダフィの功績。 リビアの女性の教育を向上。女子士官学校を開設し、教育の機会均等を実践するなど「女性の解放」では先駆的。2009年6月、イタリア訪問時、女性団体での会合では「アラブでは女性がこれまで家具のように扱われてきた」と述べ、アラブ諸国での女性の地位・権利向上に理解を示した。 **************** |
岡本誠
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