日本人はおっぱい好き?心温まる「おっぱい風呂」へ行ってきた【新潟】
「関東東北じゃらん」11月発売号の小さな温泉では、新潟県清津峡小出温泉を紹介しました。ぬるめの適温で、ゆっくりとお湯に浸かっていると心の垣根が低くなり、出会った人とも話が弾みます。
ひとりの旅上手な女性から、湯船の中でとっておきの情報を教えてもらいました。
「この近くにおっぱい風呂があるのよ。」これは…さっそく足を運ぶことにしました。
「おっぱい」も「こっぱい」もあり!
目的地は、清津峡から26キロ、車で35分の松之山温泉。「日本三大薬湯」と言われる越後の名湯で、油の匂いのぷんぷん漂う濃厚湯が湧いています。温泉街は1本の道に沿って広がっており、奥の方にあるのが「白川屋」。昭和12年創業、おっぱい風呂のある宿です。
館内は木の持ち味を活かしたどこか懐かしい造り。お風呂は1階の奥、左手が「おっぱい風呂」です。
話によると、「大きくて格好の良いおっぱい」で、「先端から、ぴゅーっとお湯が噴き出している」のだとか。
脱衣場から浴室の扉を開けると、湯の香がツンと鼻を刺激。奥に進むと、右手、浴槽の奥に美しい曲線を描くおっぱいがどーんどん。
顔はなくて胴体のみ。
ふっくら大きく、4、50代女性の優しげなシェイプです。そして確かに「びゅーっと」お湯が出ています。
このお風呂、30年前、宿の主人が、寝入りばなにふと思い浮かんだのだそうです。息子である専務さんによると、「人が生まれて最初に口にするのがおっぱい。それに丸い形は、円満や円熟など印象がいい」ということで作られました。素材は、熱に強いポルトガルの石。男女問わず評判が良いため、もう一つあるお風呂も、小さな胸の「こっぱい風呂」に衣替えしています。
今まで色々な温泉湯口を見てきましたがおっぱいは初めて。温泉とおっぱい、どちらも温かく湧き出すイメージ。戦前の有名医師であり文筆家である木下杢太郎も、日本有数の温泉地であるふるさと伊豆伊東について、「大地にある乳房」のような場所である、といった表現をしています。日本人の感性に、おっぱい風呂は合っているような…。
とは言え、あまり見かけないのは、気恥ずかしさが残るからなのか…?
ちなみに今まで、馬や亀、和風の子どもに小便小僧、うさぎ、熊、ヴィーナス像などなどの湯口を見てきましたが、中でも多いのがライオン。明治20年、日本で初めて作られた横浜市の近代水道の共用栓も英国輸入の獅子頭、つまりライオンでした。西洋ではライオンは水の守護神。そんな理由もあって「温かい湧き水」である温泉湯口にも、ライオンが使われたのだろうと思われます。「湯口から見る温泉」も興味が尽きません。
白川屋
TEL/025-596-2003
住所/新潟県十日町市松之山湯本55-1
アクセス/電車:ほくほく線まつだい駅より東頸バス松之山温泉行きで25分、終点下車、徒歩5分 車:関越塩沢石打ICより1時間
駐車場/10台
料金/入浴のみ500円(10時30分〜15時)*状況によっては入浴できない日もあり
※この記事は2014年11月時点での情報です
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この記事を書いたライター
ライター:温泉ライター 西村りえ
じゃらん創刊時より記事を書きはじめ早20数年。現在は「じゃらん関東・東北版」で「小さな温泉」を連載中。入った温泉は国内外で1000湯以上。日本温泉地域学会理事。長野県温泉審議委員。ねこいぬ温泉会主宰。