沖縄:「道半ばの感が非常に強い」仲井真知事が退任会見

毎日新聞 2014年12月09日 11時56分(最終更新 12月09日 13時19分)

退任会見であいさつする仲井真沖縄県知事=那覇市の県庁で2014年12月9日午前10時33分、鈴木一生撮影
退任会見であいさつする仲井真沖縄県知事=那覇市の県庁で2014年12月9日午前10時33分、鈴木一生撮影

 ◇辺野古埋め立て承認の判断「誤っていない」

 沖縄県の仲井真弘多(なかいま・ひろかず)知事は任期満了の9日、那覇市の県庁で退任の記者会見をした。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への県内移設問題について「次の知事への注文は控えたいが、道半ばの感が非常に強い。普天間飛行場の問題は早急に現実的に解を求めて実行する時期に入っている。そういう方向で事が進んでいくことを心から祈念する」と述べた。

 昨年末に辺野古の埋め立てを承認した判断については「誤っていない。公有水面埋立法上の法令にのっとった処理」と断言した。さらに「普天間の解決については次の知事が考えると思うが、放置しておいてはいけない。ノーというだけでは事は進まない」と述べた。

 11月16日の知事選で辺野古移設反対を訴えた翁長雄志(おながたけし)氏に約10万票差で敗れたが、辺野古埋め立てに向けて沖縄防衛局が県に申請した3件の工法変更のうち2件を退任4日前に承認した。批判があがっていることに対し「『残り4日を残して』という言葉の意味が私には理解不能だ。知事の責任を果たしていくのは残り1日でも何も変わらない」と語った。

 2期8年の県政の総括を問われると「基地問題の改善や解決をはじめ、沖縄振興についても県民の皆さんと一緒に取り組んだものは結構良い成果が出ている」と振り返った。

 この日は仲井真氏による工法変更の承認に抗議する市民らが多数県庁に駆けつけた。会見場への出入りを県庁職員らが厳しくチェックするなど緊迫した。

 会見後、県職員らが厳重にガードして作った花道を仲井真氏が歩いた。「裏切りを許さないぞ」という怒号と拍手が起こる中、県庁を後にした。翁長氏は10日に知事に就任する。【佐藤敬一、鈴木一生】

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