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 沖縄県の仲井真弘多知事は9日、任期満了を迎え、県庁で退任会見を開いた。米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設について、「ノーと言うだけではことは進まない。(新知事は)具体的な解決をやられた方がいいのではないか」と述べ、辺野古移設が現実的だとの考えを最後まで強調した。

 仲井真氏は昨年末に辺野古の埋め立てを承認し、先月の知事選では「普天間問題の現実的な解決」として辺野古移設推進を訴えたが、翁長雄志・前那覇市長に約10万票差で敗れた。

 この日、仲井真氏は「次の知事への注文は控えたい」とした上で、「普天間問題は現実に『解』を求めて実行する時期に入っているので、その方向でことが進んでいくことを心から祈念する」と述べた。自身の2期8年を振り返り「基地問題の解決を始め、沖縄振興について良い成果も出ている」と評価した。

 仲井真氏は退任間際の今月5日、辺野古の工事の追加の手続きを承認し、反対派から「新知事に委ねるべきだった」と批判を受けている。(山岸一生)