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専門家「東京は五輪改革の実験台」12月9日 16時18分
オリンピックで、開催都市以外で競技を行うことや、開催都市が種目の追加を提案できることが認められたIOC=国際オリンピックの今回の改革について、スポーツと社会の関わりが専門で、筑波大学の高橋義雄准教授は、「多くの改革を東京でやることについて、IOCは『東京、日本ならまじめに取り組んで実現してくれるだろう』と大きな期待を寄せていると感じる。そういった意味では、東京大会は改革の『実験台』になると思う」と指摘しました。
そのうえで、今後、東京大会の組織委員会とIOCの間でさまざまな調整が必要になることを踏まえ、「調整すればするほど『あつれき』が生まれてきて、組織委員会として調整が難しい局面が出てくるのではないか。組織委員会や日本の競技団体の調整力、力量が問われると思う」と話していました。また、開催都市に大きな裁量権を与える今回の改革について、「IOCに相当な危機感があると思う。貴族的で上流階級と言われてきたIOCが、『自分たちの社会哲学を教え伝えてあげる』という『上から目線』だったところから、現実路線に立って開催地や国際競技団体と対等な立場でコミュニケーションを取ろうという現実的な経営判断をしたと思う」と分析しました。