アトランタ連銀総裁:利上げへの忍耐促す-政策反転回避で
12月8日(ブルームバーグ):米アトランタ連銀のロックハート総裁は8日、米金融当局は事実上のゼロ金利からの利上げの開始を待つべきだと指摘した。その理由として、後になって政策を反転させれば、当局の信頼性を損なうことになるためだと説明した。
ロックハート総裁はアトランタでの講演で、初回利上げのタイミングを図る上での「根気強さ」や、さらなる行動に関する「慎重なバイアスが政策への賢明なアプローチだ」と発言。「来年半ばあるいは後半の利上げを予想する」と述べた。
総裁は「米連邦公開市場委員会(FOMC)はコースを反転せざるを得ない状況を回避するために最善を尽くさねばならない」と指摘。「金利正常化を反転させ、量的緩和に戻らざるを得ない事態となれば、FOMCの信用および米経済への信頼感が長期にわたって損なわれるだろう」と続けた。
来年の米経済成長率については3%前後になりそうだとし、雇用創出は月間20万人を上回り、失業率は5.25-5.5%に押し下げられるとの見通しを示した。インフレは「今後1年、しっかりと推移する」可能性が高いと話した。
また、今年の大部分の期間で成長が加速しながらインフレ率が低過ぎる状態にあったのは「謎」だと述べ、このため見通しに不確実性が増したと指摘。日本の2期連続マイナス成長や欧州の弱さ、中国の景気減速が「米国の経済や金融市場に波及する懸念を高めている」と付け加えた。ロックハート総裁は2015年のFOMC投票権メンバー。
原題:Lockhart Urges Patience in First Rate Increase to Avoid Reversal(抜粋)
記事に関する記者への問い合わせ先: Atlanta Steve Matthews smatthews@bloomberg.net
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更新日時: 2014/12/09 06:23 JST