衆院選:抗議プラカード持った女性 候補関係者とトラブル

毎日新聞 2014年12月09日 07時15分

安倍首相の演説に耳を傾ける聴衆=愛知県豊田市で2014年12月8日午後1時59分、大竹禎之撮影
安倍首相の演説に耳を傾ける聴衆=愛知県豊田市で2014年12月8日午後1時59分、大竹禎之撮影

 安倍晋三首相が衆院選の応援演説に入った愛知県日進市で8日、首相と自民の立候補者が乗った選挙カーの前の歩道を、女性がプラカードを持って歩いていたところ、自民候補の陣営関係者を含む男性4、5人が囲み、ジャンパーでプラカードを隠す一幕があった。

 プラカードには、「安倍が言う『取り戻す』べき『ニッポン』の中に入らぬ沖縄・福島」と書かれていた。女性は男性らに囲まれて歩道を行き来し、「なぜ抗議してはいけないのか」などと話した。

 自民の候補者の秘書は取材に対し、女性を囲んだ男性の中に陣営関係者がいたことを認めたうえで、「女性が立ち止まったりすれば他の通行人の迷惑になる。警察に指示されたことをしただけ」と説明した。プラカードを隠した点については「特にコメントはない」とした。女性は取材に応じなかった。【大野友嘉子】

 ◇ジャーナリスト・大谷昭宏さんの話

 首相の気持ちをくみ取っての行動だろう。選挙は一方的に主義主張を述べるのではなく、有権者の訴えに耳を傾ける場でもある。異論を許さないのは狭量だ。

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