【ニューヨーク=稲井創一】石油メジャー(国際石油資本)の米石油大手コノコフィリップスは8日、2015年の投資額を135億ドル(約1兆6000億円)とし、14年見込みに比べ20%減らす方針を発表した。原油安に対応し、現金確保による財務基盤の維持を優先するため、シェール開発も選別する。原油価格の低下が続けば、シェール投資を抑える動きがメジャーより経営体力の劣る米シェール企業に広がる可能性が出てきた。
コノコのランス最高経営責任者(CEO)は投資減の狙いについて「(原油安などの環境を踏まえ)今回の計画で現金収支をバランスさせ、競争力のある配当の実施に焦点を当てた」と説明した。
コノコは14~17年まで年平均で160億ドルを投資する計画だった。15年は資源掘削にかける費用を50億ドルとし、14年比で20%強減らす。米シェール開発はテキサス州イーグルフォードなど投資効率の高い案件を継続するするが、リスクの高い案件は見送る。
既存設備の稼働を高めて、15年の原油や天然ガスなどの生産量は3%増を見込む。
コノコは精製・販売など下流部門を持たないため、原油価格の影響を受けやすい。14年7~9月期の営業利益は前年同期比50%減の約19億ドルとなり、四半期でみて5年ぶりの低水準だった。
今夏以降の原油急落局面で、15年の投資の減額を公表したのは米主要石油企業で2社目となる。米中堅シェール企業のコンチネンタルリソースは11月上旬に2015年の投資金額を当初計画から約11%減の46億ドルに下方修正した。
コノコはシェールへの依存度も高く、開発の上流部門に特化する米シェール企業と収益構造が似ている。米シェール企業は今のところ強気の姿勢を崩していないが、原油安で採算性見直しの動きが広がって投資減につながるとの見方が出ている。
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