パソコンを変えたため、LaTeX をインストールせざるをえなくなりました。 しかし、DVIOUT のインストールには手こずりました。 以下記述することは Windows 7 でたまたまうまくいった方法で、 必ずしもいつでもうまくいくわけではないかもしれません。 おそらく dviout もそのうちバージョン・アップされるはずなので、 dviout に関しての余計な作業が不必要となると思います。 dviout に関しての説明は不具合を迂回するための当面の方法です。
なお今回ページの書き直しをしたのは「pLaTeX のインストール」と「DVIOUT のインストール」 です。それ以下は面倒なので書き直していません。だから時代遅れになったままです。 (2014 年 9 月)
W32TeX
をクリックすると、W32TeX と書かれたページが別窓で開きます。
この頁にはファイルのダウンロードのミラー・サイトへのリンクが表示されており、 そこから、ファイルをゲットして、LaTeX をインストールする。
作業を始めるにあたって、次が必要となります。
フォルダーに関しては、どのような名称でも構わないのですが、 今は仮に次のように選ぶことにします。他の場所に作る場合には読み替えてください。
作業用フォルダー | c:\work |
インストール フォルダー | c:\usr\local |
さていよいよ、「W32TeX」のページから必要なファイルをダウンロードすることにします。 「W32TeX」のページを閉じていれば、
W32TeX (x86)
をクリックして「W32TeX」のページに入ります。 ファイルのダウンロードはミラー・サイトを利用するように言っているのでこれに従うことに します。必要なファイルは
ダウンロード・サイトにはフォルダー win64 があり、そこに 64 ビット版がおいてあります。 64 ビット版にしたければこれもすべてダウンロードする。 OS が 64 ビットでも 32 ビット版で支障なく動きます。
luatexja.tar.xz がないと、dvipdfmx が動きません。 DVIOUT がうまく動作しなくても、dvipdfmx があると dvi ファイルを pdf に変換してくれるので、 困ることがありません。その意味で luatexja.tar.xz は必須です。
texinst2014.zip のみ、LaTeX のインストール・フォルダー (c:\usr\local) に保存し、 それ以外のファイルを LaTeX の作業フォルダー (c:\work) に保存します。
LaTeX のインストールフォルダーに保存した texinst2014.zip を解凍します。 解凍ソフトによっては (あるいはその設定によっては) フォルダーを作成して その中に解凍することがあります。このような場合は、中身を一段上のフォルダーに 移動して新たにできたフォルダーを削除します。
そのあとで、DOS 窓を立ち上げます。 (「すべてのプログラム」の中の「アクセサリ」の中の「コマンドプロンプト」を 実行します。)
DOS 窓で、 LaTeX のインストールフォルダーに移動します。
c: cd \usr\local
そのあと、 DOS 窓で次のように打ち込みます。
texinst2009 c:\work
インストーラ (texinst2014.exe) はバージョン番号に依存していますから、 バージョン番号が違っていれば、2014 の部分は変える必要があります。
ともかく、上の命令を打ち込むと大量のファイルが解凍されて、 LaTeX のインストールフォルダーに 格納されます。数分かかります。 大量にファイルを解凍するせいでしょうか、非常にまれですが、 一部のファイルの解凍が失敗することがあるようです。 そのため上のコマンドをもう一度実行する方が確実です。
最後に環境変数 path を設定する必要があります。
32 ビット版 | c:\usr\local\bin |
64 ビット版 | c:\usr\local\bin64;c:\usr\local\bin |
32 ビット版の場合の環境変数の設定方法も説明しておきます。 Windows 7 の場合には「コントロールパネル」/「システム」/「詳細設定」/「環境変数」 を選びます。環境変数 path が設定されていなければ、 「新規」を選んで、環境変数 path の値に c:\usr\local\bin の書き込みをし、 すでに環境変数 path が設定されていれば、環境変数の「編集」を選び、 path の値の最後に ;c:\usr\local\bin のような書き込みを付け加えます。 (セミコロンが付いていることに注意しましょう)
環境変数を設定した場合、設定を有効にするには、DOS 窓を開きなおす必要があります。
platex
と打ち込んでみます。次のような表示が出れば LaTeX のインストールは成功です。 (数値はバージョンに依存します。) こうならなければ、環境変数の設定ミスです。つづりが間違っている 可能性ぐらいしかありません。
This is e-pTeX, Version 3.14159265-p3.5-130605-2.6 (sjis) ....
Ctrl + c で終了します。(Ctrl キーを押しながら c を押す。)
pLaTeX がちゃんと動いていることの確認のためには簡単な LaTeX ファイル (sample.tex とでもする) をエディターで作成する。
\documentclass[12pt,a4j]{jarticle} \begin{document} 日本語テスト \[ y = f(x) \] \end{document}
platex sample.tex dvipdfmx sample.dvi
dvips sample.dvi
DVIOUT は LaTeX のソースファイルをコンパイルしたときに できる dvi ファイルを表示するためのソフトです。
最初に
DVIOUTの ftp サイト
に行きます。ここに最新版の dviout があります。 (またここには「1階層上のディレクトリ」というリンクがあり、これをたどると旧版の dviout を 見つけることもできます。) このページを書いている時点では以下のファイルがあります。
tex318s.zip | ソースファイル |
tex318w.zip | zip 圧縮形式 |
ファイル名の数字はバージョン番号で、バージョンが更新すれば当然数値が違ってきます。 tex318w.zip をダウンロードします。
dviout をインストールするフォルダーを作成しなければなりませんが、私は LaTeX のインストール フォルダーの中に dviout というフォルダーを作成し、 tex318w.zip の中身をそこに展開しました。
dviout のフォルダーの中にある dviout.exe が本体で、ショートカットを デスクトップに置いておけば、ダブルクリックするだけで dviout.exe を 起動できますが、まだこれはしないでください。
dviout は発行所の不明なソフトとして扱われており、 何らかの許可が必要と思われますが、どうすればよいのかはあまりはっきりしません。 最初は dviout の動作が何故、変になっているのか不明でした。 以前、勤務先の共同利用 PC に LaTeX のインストールを管理者に依頼したことがあり、 管理者の方は LaTeX のフォルダーを書き込み不可にしてしまっていました。 しかし、こうするとフォントの自動生成ができなくなり、とても変なことになってしまいました。 最初はこれを思い出して、 LaTeX をインストールしてあるフォルダー (c:\usr の下、この中に dviout のフォルダも作ってあった) を誰もが書き込み可能としました。 (フォルダーのプロパティの「セキュリティ」のアクセス許可を誰に対しても「フルコントロール」にした思います。 実際に以上の操作が必要かどうかは不明です。面倒になって再チェックはしていません。
そのうちに、LaTeX のフォント関連などをインストールしてあるフォルダー名が \usr\local\share\texmf から \usr\local\share\texmf-dist に変更になっていることに重大な問題があるかも知れないと考えるようになり、 そこから以下のようなことに気が付きました。 どうすればよいか暗中模索の時に dviout の初期設定をしようとすると、 レジストリーの書き込みの最中にエラーばかり出ており、レジストリにはほとんど書き込みがされていませんでした。 以下のように設定してもレジストリの書き込みエラーの表示がでるかもしれませんが、 レジストリーにはちゃんと書き込まれています。(2 台の Windows 7 で確認しました。) dviout がレジストリーに書き込む場所は
レジストリー・エディターで確認しています。しかし、 レジストリー・エディターを使用するのは危険ですから、 以下の作業をしてみて、実際に正常に動くことで確認する方がよいと思います
dviout が自動設定をしてくれなくなったことの原因はフォルダ名が変更になったことは 確実ですが、大昔したように自力でパラメータを設定することはもはや無理となっており、 色々考えた末に次のように環境変数を設定しました。
TEXMFMAIN | c:\usr\local\share\texmf-dist |
この環境変数は現在の LaTeX にも dviout にも不要なものですが、 昔はこの環境変数から dviout がパラメーターをゲットしたので、 現在でも有効であろうと判断して試みてみたところ、 dviout の設定ができることがわかりました。
以上の準備をした後で、dviout を起動します。すると
と聞いてくるので「はい」を選ぶ。 次に解像度の設定の画面となるが、 ここでは単に「Next」でよい。 問題は次の頁で、ここの 「TEXPK」の指定がとても難しいが、 環境変数 TEXMFMAIN が設定してあると、 ここではすでに設定されている。 だから単に「Next」を選べばよい。 次の font generation の項目では 「gen:」 を選ぶと「Automatic search?」と聞いてくるので 「はい」を選ぶと、必要事項が 書き込まれるj。gsx の項目はまだ Ghostscript をインストールしてないので、このまま放置し、 あとで設定する。 「Finish」を選んで終了する。
すでにテスト用の sample.dvi があるので、これを dviout で開いて、 ちゃんと見ることができれば成功です。
dvipdfmx は dviout の中からも使用できます。 dviout のメニュー「View]/「Change Tool Buttons」を 押します。するとツールバーに「にこにこマーク」
が表示され、このボタンを押して、「OK」を押すと dvi ファイルから pdf ファイルが生成されます。 (拡張子だけ違うファイルができる。)
以下の機能は時代遅れになっています。私は現在は下の機能の上に秀丸のハイライト機能を使用しており、 文法ミスが容易に検出できるようにしています。(単にキーワードがハイライトされるのではなく、 簡単な場合には構文が正しくなければハイライトしないようにすることができる。) しかし、設定を他の秀丸に移す時の便利な方法を 知らないので、そんな方法もあるのだと理解してください。
秀丸のマクロ機能を使用すれば、 秀丸の中から LaTeX を制御できます。色々なマクロが ありますが、使用感がいまいちだったので、自作しています :
macro.zip
解凍すると、次のようなディレクトリーが展開されます。
TeX_utility ├macro......秀丸マクロの格納場所 ├macserv....マクロサーバの格納場所 ├readme.....説明書 └texman.....LaTeX の簡単な電子マニュアル
使用するには説明書を読んでください。 なおマクロを動かすには秀丸以外に『秀まるおのマクロサーバ』が必要です.これは
秀まるおのホームページ
の中の 『ソフトウェアー / マクロサーバー』 からダウンロードできます. (マクロサーバは秀丸のマクロから DDE (dynamic data exchange) request をすることによって秀丸上に Windows のリストボックスなどを提供するための ツールです。)
以下では、LaTeX2e を使う上で、 便利なパッケージ、ソフトの類のインストール、設定方法の紹介をします。
AMS LaTeX を使用したり、LaTeX に PS の絵を挿入するためには LaTeX をインストールする際に 角藤氏の頁の「標準インストール」の ltxpkgs.tar.gz (Basic packages for LaTeX) を付け加えればよいだだけですが、 これはすでに実施済みです。
AMS LaTeX に関しては、あとは何もする必要がありません。そのまま使用できます。
ps ファイルの絵を LaTeX に入れるには 日本語対応 ghostscript のインストールが必要となりますが、これはあとで説明します。 また、あとで説明をする WinTpic で生成する絵に関しては、 上記のパッケージは必要がありません。
最近は Susie plug-in なるものに dviout が対応しています。 これに関しては
Susie plug-in and dviout
や dviout を展開したサブディレクトリー graphic/latex2e
の
中の文書に説明があります。たとえば、
ifgif.spi
,ifjpeg.spi
のような Susie plug-in を dviout のディレクトリーに置いておくだけで、latex に gif や jpeg などの画像ファイル を取り込むことができます。Susie plug-in は次のリンクから探すことができます。
次のような構文で、gif の絵 (この場合 sample.gif) を取り込むことができます。 (jpeg も同様です。)
\documentclass[12pt,a4j]{jarticle} \usepackage[dviout]{graphicx} \begin{document} \includegraphics[width=10cm, height=8cm]{sample.gif} \end{document}
絵のサイズを元のサイズのままで取り込みたい場合には、あらかじめ絵の大きさを bmc.exe (dviout のディレクトリーにある) を使って、縦横の大きさを 記したファイルを作成しなければなりません。(この場合には 当然絵の大きさを指定する必要がありません。) dviout のディレクトリーに パスが通っていれば、コマンドラインから次のように打ち込んで作成します。
bmc -b sample.gif
Ghostscript は PS ファイル (ポストスクリプト ファイル) を表示したり、 非ポストスクリプトプリンターで印刷するためのツールで、 PS ファイルを PDF ファイルに変換することもできます。詳しいことは 以下を参照してください。
Ghostscript - Wikipedia (日本語版 Wikipedia)
Ghostscript には色々種類があります。(事情は上の Wikipedia に書いてあります。) 今回は角籐版のホームページから手に入れることが出来る GPL Ghostscript 8.63 としました。 ファイル名は
gs863w32full-gpl.zip
です。ダウンロードして、適当なフォルダーの中で解凍します。解凍されたファイルの中に
setupgs.exe
がありますから、これを実行します。面倒ですから何も余計なことを指定しません。これで c:\gs にインストールされます。
Ghostscript だけでは ps ファイルの表示が面倒なので GSview を手に入れます。 GSview は英語版の Ghostscript のホームページ
Ghostscript, Ghostview and GSview
から手に入ります。このページを作成している時点では GSview のバージョンは 4.9 です。Win32 版の自己解凍形式の gsv49w32.exe をダウンロードし、実行します。 今度は無指定だと "c:\Program Files\Ghostgun" になるので これは "c:\gs\Ghostgum" に変更しました。
これでインストール完了です。Ghostgum\gsview\gsview32.exe をダブルクリックすれば GSview が起動します。 動作チェックのために
gs8.63\examples\golfer.eps, gs8.63\examples\tiger.eps
が表示されることを確認します。更に日本語表示のために GSview のメニュー「Options」/「Advanced Confirue」の 「Ghostscript Options」の最後にスペースを入れて
-dWINKANJI
を書き込みます。これで
gs8.63\kanji\article9.ps
が表示されることを確認します。 (article9 は憲法 9 条です。表示テストに使用した eps, ps ファイルは とても有名なものばかりです。)
Ghostscript を使って、LaTeX に絵を入れるためには コマンドラインで動く Ghostscript (gswin32c.exe) が path から検索されないといけません。 (現在の dviout では、ここまで指定しなくてもよいかもしれませんが、 gswin32c.exe を dviout から探しやすくするにはこの方がよいと思います。) そのため、環境変数 path に次のフォルダーを含めます。
c:\gs\gs8.63\bin
このあとで、dviout のメニューの「Option」/「Setup Parameters」を 選び「Graphic」タブを指定し「gsx:」と書いたボタンを押します。 すると次の表示が現われますから、「はい」を選びます。
多分ちゃんと探してくれるでしょうが、一応、Ghostscript のフルパス名 (今の場合は c:\gs\gs8.63\bin\gswin32c.exe) が最初の方に 表示されていることを確認した方がよいでしょう。書き込みがすんだら、 「save」を押し、「適用」を押します。
これで ghostscript を使って LaTeX に PS ファイルの絵を 入れることができるようになりました。
動作確認チェックのために 次のようなファイルを作って、pLaTeX で処理し、プレビュー してみます。但し c:\gs\gs8.63\examples\tiger.eps を tex ファイルと 同じディレクトリーにコピーしなければなりません。
\documentclass[12pt,a4j]{jarticle} \usepackage{graphicx} \begin{document} \includegraphics[width=5cm, clip]{tiger.eps} \end{document}
虎の絵がプレビューできたら成功です。 なお dviout のオプション設定で [Option]/[Setup Parameters]/[Graphic] の箇所の GIF: を BMP (full color) にすると虎の絵がカラーになります。
dvipsk は dvi ファイルを ps ファイルに変換ツールです。
dvipsk はインストール済みなのでそのまま使えます。 但し、PS プリンターの解像度を設定する必要があるかも知れません。
dvips のパラメータは LaTeX のインストールディレクトリーのサブディレクトリーに 存在するファイル
\share\texmf\dvips\config\config.ps
で設定します。このファイルをエディターで開くと 最初の部分が
* Claim 10000 kbytes memory m 10000000 * Default resolution. D 600 * Default metafont mode * M canonex * Paths (uncomment and edit if you need these ...
になっています。4 行目の D に続く数値が解像度です。 初期設定は 600 ですから、これで困ることはあまりないでしょう。 6 行目の M に続く行は metafont mode の指定で、初期条件ではコメントアウトされています。 ここは変更しなくても構いません。解像度と metafont mode の対応表が
に書かれていますから、texmf.cnf に全部任せることにしましょう。\share\texmf\web2c\texcm.cnf
test.dvi を test.ps に変換するには次のようにコマンドラインから打ち込みます。
dvipsk test.dvi -o test.ps
test.ps が GSview で首尾よく表示できれば、 インストールは成功です。
WinTpic の説明をする前に tpic のことを説明する必要があります。 tpic は LaTeX 用の絵をかくための、コマンドです。 (詳しい説明は dviout の help で調べるか dviout のインストールディレクトリーの 中のサブディレクトリー \graphic\tip の中の文書を見てください。) tpic 命令は普通は LaTeX の picture 環境の中の拡張命令の形で使用され、 直接コードを書くことも不可能ではありませんが、普通は お絵かきソフトでコードを生成します。 tpic を生成するお絵かきソフトの一つが WinTpic です。
注意する点はすべての dvi ウエアーが tpic に対応しているわけではありません。LaTeX ファイルに絵を入れる 方法で最も普遍的な方法は PS ファイルの絵を入れることです。 PS ファイルの絵に関しては、不都合になることはまずありません。 dviout も dvipsk も共に tpic に対応していますから、 tpic で描いた絵を含んでいても PS ファイルに変換してしまえば どの PS プリンターで印刷できるようになり、 非常に可搬性が高くなります。 しかし tpic の絵が入っているファイルを dvipsk で変換すると 絵が変になることがあります。とくに塗りつぶしの命令が 入っているときに余計な場所まで塗りつぶされてしまうことが あります (計算誤差からくるようです)。
以上のように、少し問題があるのですが、tpic の絵は PS ファイルの絵と比べると非常に小さいので、 普通に使うぶんにはとても重宝することになります。
WinTpic は
Windows95/98/Me ≥ ..TeX関連ユーティリティ
からダウンロードできます。 Windows 95/98/Me 用となっていますが, Windows NT/Xp でも動きます。 インストールは非常に簡単ですから、自分でやってみてください。 LaTeX に絵を入れる方法は WinTpic の help (マウスでクリックする) に書いてあります。
Qfig はもともと DOS で動いていた LaTeX 用の描画ソフトですが、 作者が Visual Basic で Windows で動くようにしたようです。WinTpic と同様に Vector の頁
Windows95/98/Me ≥ ..TeX関連ユーティリティ
から手に入ります。 但し、これを使用するには epic.sty, eepic.sty の 2 種類のスタイルファイルが 必要です。また Qfig に同梱されている eepicsup.sty も必要となります。
なお Qfig を使用する場合には ascmac.sty の調子がわるくなります。 eepic.sty の理由のようですが、screen, itembox の枠が不恰好になります。
gnuplot は 2 次元、3 次元のグラフィックスを 描くためのツールで、Mathematica ほど高機能では ありませんが手軽に使うことができる非常に小さいソフトです。 Mathematica と同じように絵を ps ファイルの形式で 出力できますから、当然 LaTeX2e に挿入することが可能です。
gnuplot homepage
が gnuplot のホームページですが、ダウンロードは次の SourceForge のページからとなります。
SourceForge.net: Files
インストールするためにディレクトリーを作成して、その中に wgpl+w32.zip を展開します。 wgnuplot.exe が実行ファイルですから、適当にアイコン登録をします。 gnuplot で LaTeX に絵を入れるためには 最初に次のようなファイルを作ります。
#set term postscript eps 22 #ファイル出力のときの出力形式 #set output "plot.eps" #ファイル出力の命令 set size 0.5,0.5 # 図の大きさ, 無指定 size 1,1 # size 1,1 は横 5 インチ, 縦 3 インチ set nokey # 数式表示の抑制 set noborder # 外枠表示の抑制 set noxtics # x 軸方向の目盛表示の抑制 set noytics # y 軸方向の目盛表示の抑制 set samples 20 # 20 等分して直線で結ぶ # 無指定であれば 100 等分 set arrow from -2,0 to 2,0 # 矢印 set arrow from 0,-2 to 0,2 set xrange [-2:2] set yrange [-2:2] plot x**2 + x, sin(x) # y = x**2+x と y = sin(x) の合成
ファイル名の拡張子は plt にします。テキストの # 以下は すべてコメントです。 このファイルを gnuplot から開くと、グラフを描いてくれます。 うまくいくことがわかったら、1 行目と 2 行目の行頭の # を消します。 同じように gnuplot で開くと、今度は絵を ps ファイルとして出力します。 上の構文であれば、plot.eps ができます。 従って次のようにして LaTeX ファイルに絵を挿入することができます。
\documentclass[a4j,12pt]{jarticle} \usepackage{graphicx} \begin{document} \includegraphics[width=5cm, clip]{plot.eps} \end{document}
HyperTeX とは TeX にハイパーリンクを埋め込むための標準で、 dviout では随分昔から HyperTeX に対応しています。 HyperTeX に関しての詳しいことは次を参照してください。
HyperTeX FAQ
HyperTeX を簡単に使用する方法は、dviout をインストールしたフォルダの中のサブフォルダ hypertex に説明がありますが、もっと便利な hyperref と呼ばれるパッケージがあります。 次がそのサンプルです。
\documentclass[12pt,a4j]{jarticle}
\usepackage{hyperref}
\begin{document}
\tableofcontents
\section{第一節}
\hyperlink{abc}{文書内リンク}
\href{http://www.nara-edu.ac.jp}{大学のホームページへのリンク}
\begin{verbatim}
\end{verbatim}
.... ここに類似の文書を挿入 .....
\section{第六節}
\hypertarget{abc}{文書内リンクのターゲット}
\begin{verbatim}
\end{verbatim}
\end{document}
hyperref に関しての詳しい説明は次をご覧下さい。
Hypertext marks in LATEX: a manual for hyperref
「PDF による詳細な説明書」によると、 LaTeX 文書を PDF 化する試みは随分沢山あるようです。 dviout のインストールの箇所で説明をしたように、 通常の dvi ファイルを PDF にするには dviout のツールバーの「にこにこマーク」 をクリックするだけです。これで dvipdfm(/x) が自動的に呼び出されます。
しかし、Hypter TeX を使用している場合に、しおり (= bookmark) を含む PDF にするには少しソースを変更しないといけません。 ここでは dvipdfmx (= extended dvipdfm) による方法を「PDF による詳細な説明書」から 抜粋することにします。HyperTeX の sample.tex を (しおり付きの) PDF にするには 次のようにソースを書き直します。(灰色の部分が修正箇所)
\documentclass[12pt,a4j]{jarticle}
\AtBeginDvi{\special{pdf:tounicode 90ms-RKSJ-UCS2}} \usepackage[dvipdfm]{color} \usepackage[dvipdfm,bookmarks=true,bookmarksnumbered=true,% bookmarkstype=toc]{hyperref}
\begin{document}
\tableofcontents
\section{第一節}
\hyperlink{abc}{文書内リンク}
\href{http://www.nara-edu.ac.jp}{大学のホームページへのリンク}
\begin{verbatim}
\end{verbatim}
.... ここに類似の文書を挿入 .....
\section{第六節}
\hypertarget{abc}{文書内リンクのターゲット}
\begin{verbatim}
\end{verbatim}
\end{document}
この文書を 3 回コンパイルして、DOS 窓を開き、 ファイルの存在するフォルダーに移動します。そこでコマンドラインから 次のように打ち込みます。
dvipdfmx sample2
これで、しおり付きの PDF 文書 sample2.pdf が作成されます。
dvipdfm の使用方法は LaTeX のインストールフォルダの \share\texmf\doc\dvipdfm にあります。 ここの下に base と sample の 2 つのフォルダがあり、base の dvipdfm,pdf がマニュアル (英文) で、 sample の中の sample.tex, sample.pdf がその実例で、ここで絵の入れ方も説明しています。 以下簡単に紹介することにします。
dvipdfm の著者 (M.A.Wicks) による sample では jpeg, pdf, ps の 3 種類の絵が挿入されています。 そこで、ここでもこの真似をして、test1.jpg, test2.pdf, test3.ps の 3 種類の絵を用意します。 LaTeX ソースは次のようにします。jarticle ではうまくいきません。article にします。 ちゃんと日本語も表示されます。
\documentclass[dvipdfm]{article} \usepackage[dvips]{graphicx} \begin{document} これは pdfmx の画像埋め込みのテストです. \includegraphics[width=10cm, height=10cm]{test1.jpg} \includegraphics[width=10cm, height=10cm]{test2} \includegraphics[width=10cm, height=10cm]{test3.ps} \end{document}
jpg, pdf の絵に関してはバウンディング ボックス (=bounding box, 絵の大きさ) が必要となり、 LaTeX で処理する前に、dvipdfm に付属の ebb で処理しないといけません。 次のようにコマンドラインから打ち込みます。(角藤版では ebb.exe は platex.exe などと同じ 場所にインストールされていますからそのまま使用できます。)
ebb test1.jpg ebb test2.pdf
こうすると、拡張子の jpg や pdf が bb で置き換わったファイルが同じ場所にできます。
このあと platex と dvipdfmx で処理すると pdf ファイルが出力されます。
platex my_sample.tex dvipdfmx my_sample
Vectorの中の「画像 & サウンド」の「グラフィック変換」の中の
G・こんばーちゃ♪を見てください。このソフトは透過 gif にも対応しており、またアニメーション gif も作成できる ようですからとても高性能です。
TeX, LaTeX を unicode 対応にしたものが omega, lambda です。 この文書の通りにしていればすでに使用できるようになっています。
c:\usr\local\share\texmf\doc\omegaj\base
にサンプルのファイルがあるので、これをタイプセットしてプレビューすることに しましょう。既存のフォルダーに書き込みをするとややこしくなりますから、 別にフォルダーを作成して、
omjw32.tex, sjis-sample.tex
の 2 つのファイルをコピーします。最初の方が omega (= TeX) で書かれ、 後の方が lambda (= LaTeX) で書かれています。 DOS 窓を広げ、ファイルの置いてあるフォルダーに移動し、
omega omjw32.tex lambda sjis-sample.tex
とするだけで、タイプセットすることができ、dvi ファイルが作成されます。 あとは dviout から omjw32.dvi, sjis-sample.dvi を開くだけです。 フォント作成にかなり時間がかかりますがちゃんと表示されます。
ps ファイルに変換して Ghostscript で眺めることもできます。 次のようにすると、omjw32.ps, sjis-sample.ps が作成されます。 (odvips は dvips のオメガ版で、オメガに同梱されています。)
odvips omjw32.tex -o omjw32.ps odvips sjis-sample.tex -o sjis-sample.ps
prosper とは LaTeX で、マイクロソフトのパワーポイントと類似のプレゼンテーション資料作成のための クラスです。パワーポイントのように色々なことはできませんが、数式が使えるメリットが あります。 但し、少し面倒です。 資料作成の大まかな流れは次のようになります。
このページを書いている時点では prosper は角籐版には含まれていないようで、別途用意しなければなりません。 検索エンジンで検索すると次のような説明が見つかりますが、色々使用環境が違うため、インストール方法など、 非常に簡単なことに関して概説します。 (一旦インストールされたら、下のページは随分役に立つと思います。)
なお、角籐版の LaTeX, Ghostscript, GSView がこの文書の前半で述べたように すでにインストール済みで、またアクロバット リーダもインストール済みであるとします。 また OS は Windows Xp を想定しています。
prosper のホームページは
Prosper HOME PAGE
で、ダウンロードのリンクをたどると次に行きます。
Prosper (Source Forge)
contributed style, prosper のどちらもダウンロードします。 次のファイルがダウンロードされます。
- contrib-prosper-1.0.0.tar.gz
- prosper-1.00.4.tar.gz
このようなファイルを解凍するには gzip.exe、tar.exe が必要です。この 2 つのファイルは 角籐版の「簡易インストーラ」(texinst754.zip) の中に同梱されています。 そこで 2 つの .tar.gz ファイルと「簡易インストーラ」を展開したできたファイルを同じ 作業フォルダに置き DOS 窓 (cmd.exe) を開き、作業フォルダに移動して 次のようにコマンドを打ち込みます。
tar xvzf contrib-prosper-1.0.0.tar.gz tar xvzf prosper-1.00.4.tar.gz
これで、作業フォルダの下に contrib-prosper-1.0.0 および prosper の 2 つのフォルダができます。これ以後は「個人使用のパソコン」と「共同利用のパソコン」では 作業が異なります。 別々に説明をします。
個人使用のパソコンであれば、
c:\usr\local\share\texmf-local
に、tex フォルダを作り、tex フォルダの中に先に抽出した contrib-proper-1.0.0 および prosper のフォルダを移動します。最後に DOS 窓で
mktexlsr
と打ち込みます。
共同利用のパソコン では管理者でない限り、ドライブ c への書き込みは できませんから上の方法は使えません。本学の共同利用計算機ではドライブ z がユーザフォルダですから、ここに フォルダ texmf-local を作成し、 texmf-local の中にフォルダ tex を作成し、tex の中に prosper などのフォルダを移動します。 更に、次のように環境変数を設定します。(フォルダの区切りが Windows 方式の \ ではなく、 UNIX 方式の / であることに注意してください。)
変数 TEXMFLOCAL の値を z:/texmf-local
もしも DOS 窓を開いているのであれば一旦閉じてから、再度 DOS 窓を開き ここで「個人用のパソコン」と同様に mktexlsr を実行します。これでインストールが完了です。
使用方法すべてを説明するのは困難なので、その一例を紹介します。 (prosper などの動作確認も兼ねています。) エディターから次のような LaTeX のソースファイルを作成し、platex でコンパイルして、 dvi ファイル (myprosper.dvi) を作成する。
\documentclass[pdf,autumn,slideColor,colorBG]{prosper} \title{日本語使用の prosper} \author{ゴンベイ} \begin{document} \maketitle \begin{slide}{prosper 入門} \begin{itemize} \item スライドの背景に使用できるスタイルは、PPRautumn.sty などで、 PPR を除いたファイル名 (この場合には autumn) をヘッダーで指定 \item PPR が付いたファイルは prosper フォルダ、および、その下の contrib フォルダ、 あるいは contrib-prosper-1.0.0 の中に色々ある。 \end{itemize} \end{slide} \overlays{3}{ \begin{slide}{重ねて表示} \begin{itemstep} \item 一行目 \item 二行目 \item 三行目 \end{itemstep} \end{slide} } \end{document}
dvi ファイルを作成するときは DOS 窓で platex を起動すること。次のようにコマンドラインで 打ち込む。
platex myprosper.tex
次に DOS 窓で次のように打ち込んで ps ファイル (myprosper.ps) を作成する。
dvipsk myprosper.dvi
dvipsk は dvi ファイルを ps ファイルに変換するソフトです。以上の方法で拡張子のみが ps に なった ps ファイルが作成されます。但し、この方法では最終的に作成される pdf ファイルのしおりが 文字化けします。文字化けをしないようにするためにはつぎのようにしなければなりません。
dvipsk -Ppdf -z -f myprosper.dvi | bkmk2uni > myprosper.ps
更に、GSView を起動して、myprosper.ps を開きます。 縦横が逆に表示されているようであればメニューの「Orientation」(向き)から 「Landscape」(横置き)を選びます。 表示が正常であることを確認してから File メニューの Convert を選択して
Device | Resolution | Pages |
pdfwrite | 600 | 全部選択 |
を選び「OK」 を選ぶ。(多分何もしなくてもよい) これでファイル保存の画面になるから ファイル名を拡張子のみを pdf に変更した myprosper.pdf とでもする。あとはアクロバットリーダで myprosper.pdf を開けばよい。 「通常表示」/「全画面表示」 の切り替えは Ctrl-l (コントロール エル)、 ページの移動は矢印キーです。
なお各スライドには次のようにオプションを記述できる。
\begin{slide}[オプション]{表題} \end{slide}
記述できるオプションには次のようなものがある (試してみよう)
Split |
Blinds |
Box |
Wipe |
Dissolve |
Glitter |
\includegraphics[パラメータ]{eps ファイル名}
LaTeX の本にはやたらベジエ曲線とか称するものが出てきます。 すこしだけ説明します。
計算機の描画ソフトで, 有限個の点 { P1, ... , Pn } を指定すると滑らかな曲線で結んでくれるものがあります。 これはスプライン曲線と呼ばれるものです。
スプライン (spline) とはもともと鋼でできた自在定規のことですが, 一般に m-次スプライン曲線とは各点間が m 次以下の代数曲線で, 全区間で m-1 階連続的部分可能な曲線のことです。
TeX の制作者である Knuth は TeX の本体のみならず TeX 用のフォントまで 作成しました。その際に使用された曲線はベジエ (Bezier) 曲線と呼ばれ, 複素平面で考えたときに
2 次ベジエ曲線 : | (1 - t)2 z0 + 2(1-t)tz1 + t2 z2 | (0 < t < 1) |
3 次ベジエ曲線 : | ( 1 - t)3 z0 + 3(1 - t)2 t z1 + 3(1 - t)t2 z2 + t3 z3 | (0 < t < 1) |
であり, 一般の m 次のベジエ曲線は
m
Σ k = 0 |
( |
m
k |
) | (1-t)m-k tk zk | 但し | ( |
m
k |
) | は 2 項係数 |
によって与えられます。この曲線は始点 z0 と終点 zm を結ぶ曲線で, 中間の点はコントロールポイント (制御点) と呼ばれます。 実際にグラフィックスで表示すると
グラフィックスは OpenGL でプログラムして,
あとでペイントで文字を挿入したものです。
絵の描き方は 2 次のベジエ曲線と同じです。 プログラムは何かの参考になるかもしれません。
なお ペイントで曲線を描くときは、2 箇所コントロールポイントを 指定しますから 3 次のベジエ曲線を使っているのではないかと思います。 『コントロールポイント』という言葉は理解しにくい言葉ですが、 慣れるとすぐに滑らかな描くことができてきわめて重宝します。