応援しているチームがあるということ

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先日、「らふらく^^」の鈴木さんとJ1昇格プレーオフの決勝を観に行った。

対戦は、モンテディオ山形とジェフユナイテッド千葉。カンタンに説明すると、このプレーオフは、2014年シーズンを戦ってきた3~6位の3チームで、来年J1に昇格できる残り1枠を争うという大会だ(1位、2位は自動的に昇格が決まる)。J1への昇格を掛けて争うということで、決勝ではその2チームが直接対決を行う。勝てば来年J1、負ければ来年はまたJ2という超シンプルな試合。ゆえに、めちゃくちゃアツい。もう、なんちゃらダービーとか比べ物にならないくらいで、Jリーグの試合のなかで年間で最も熱量の高い90分なんじゃないか、とすら思う。

結果は1-0でモンテディオ山形が勝利した。僕たちは山形側の席に座っていたので、サポーター一丸となって勝利を味わうことができた。ゴール裏のサポーターの人たちはみんなで歌を歌ったり、飛び跳ねたり、思い思いに勝利の瞬間を味わっているようだった。しかし、勝負には勝者がいれば敗者もいる。後半終了のホイッスルが鳴った瞬間、そこからの千葉のサポーター、その他の観戦している人の意気消沈ぶりには少し同情するくらいだった。

もちろん勝負だから当然あるんだけど、言いたいのはそんなことじゃなくて。

僕は、サッカーは幼稚園でやっていたくらいなんだけど、観るのは人並み以上に好きだと思う。もちろん毎週「やべっちFC」、「スーパーサッカー」、あと都並さんがやってる番組(タイトルはわからない)は見ているし、NHKでやってるJリーグの試合、地元のU-15とかの特番なんかは、積極的に見ている。ただ、この試合を観ながら「ハッ」と気づいたんだけど、サッカーに関しては特定のチームを応援したことがなかった。いや、これはサッカーだけではないかもしれない。小学生の頃にずっと野球は見ていたけど、「なんとなく巨人を応援する」くらいだったし、選手も「なんとなく高橋由伸が好き」くらいで、ひとつのスポーツのチーム・個人に思い入れを込めて応援したことがなかった。

この日の試合、僕ははじめ中立的な目線で試合を観戦しようと思っていた。ところが、「なんとなく山形側に座ったから」という理由で、これまた「なんとなく」山形を応援していた。前の試合でゴールキーパーの山岸選手がめちゃくちゃスーパーなゴールを決めたから、とかもちょっとあるけど、特に意味はなかった。けれど、いざ試合が始まると、山形が攻撃すると嬉しいし、シュートを打たれるとすこしハラハラして、終わる頃には「山形を応援してる人」になっていた。ガチのサポーターからみれば、まぁ「にわか」なんだろうけど、それでもあのレベルの興奮は決して日常生活では味わえないものだったように思う。特に、山崎選手がヘディングで先制点を奪った瞬間は、応援していた全員が即座に立ち上がって喜びを表現していて、冬の寒さを忘れるほど体温が上昇した実感をいまでも覚えている。

「ちょっと、待てよ。」と思った。

正直、「やべっちFC」以外ではどちらのチームの試合もちゃんと見たこともなかったし、応援していなかった。しかし、そんなにわかファンの僕ですらあんなに興奮することができたのは事実。そのとき、これまで年間通してチームを応援し続けたサポーターや地域のファンからしてみればどれほど嬉しく、一方で悔しいを思いをしたかを想像して、リアルに体がよろけそうになった。ちょうど、僕の隣にはユニフォームを着たお父さんとその息子らしき親子連れがいたんだけど、多分、僕の何十倍、何百倍も嬉しいんだろうなぁ、とすこし羨ましく思った。

これまでひとつのチームを応援するということはしてこなかったけど、チームが勝利する嬉しさや負けたときの悔しさは、そういう目線で見ている人にしか分からない。「応援する」ということを、日々のちいさな楽しみにしている人だって大勢いるはずだ。

自分の知らない世界を見るとやはり何かしら考え方が変わるもので、「ずっと応援しているチームがあるのって、いいな」と、初めて気付かされた。

鈴木さん、お誘いいただいてありがとうございました!いい体験でした!

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