「金の亡者」と思われかねないオリックス金子、いったいどこへ…

ＦＡの金子は来季、どのチームのユニホームを着ているのか（撮影・永田直也）【拡大】

　プロ野球選手たるもの稼げるときに稼ぐことは至極真っ当なこと。それだけでは悪く言われる筋合いはないが、球界関係者の中には、いまだ本音を語らぬ金子にまとわりつく疑念や不信感が拭いきれなくなりつつある。

　これがメジャーリーグでの話なら、大した話題にならなかっただろう。よくあるビジネスの話で表に出るのは代理人だからだ。だが、日本プロ球界はいまだ銭勘定に選手が矢面に立つケースが多く、しかも、義理と人情が今もって大切にされている世界。「今のように良い状態が永遠に続くわけではない。年を重ねれば体も変わってくる。結果が出なくなったとき、いったい彼はどうするのか。このままでは彼を助けてくれる人はいなくなる可能性だってある」と危惧する声まで球界内にはある。

　残留にしろ、移籍にしろ、応援してくれていた人たちにここまで言わせてしまった金子はどの道へ進むのか。獲得の意思を示していた球団の中には、４年２０億円とも２８億円ともいわれる「破格の条件を出したソフトバンクだ」とみている球団もある。

　「プロに入って１０年。技術はその分成長したが、人間としての成長はまったくなかったということ。それが残念でならない」と目を少し潤ませて話したのは冒頭の関係者。今は心を鬼にして敢えて距離を置く覚悟だという。（Ｃ）