【動画】日米共同訓練に参加した米軍オスプレイで試乗・見学会=籏智広太、田中志乃撮影
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 熊本県で実施された日米共同訓練に、米輸送機オスプレイが参加した。8日には陸上自衛隊が主催して自治体関係者や報道陣向けの試乗・見学会を開き、認知度を上げようとアピールした。安倍政権の2年間でオスプレイの全国展開が進むが、衆院選での論戦の盛り上がりはいまひとつだ。

 オスプレイは6日、熊本県益城町の陸上自衛隊高遊原分屯(たかゆうばるぶんとん)地に飛来し、7日には陸自大矢野原演習場(同県山都町)で共同訓練に参加。陸自隊員約140人を輸送した。

 体験搭乗は、熊本空港に隣接する同分屯地で開かれた。陸自が招待した熊本や佐賀の周辺自治体や議会関係者ら16人や、地元報道陣が搭乗。福岡県も含む関係者約300人が見学した。約1時間に3回の離着陸を繰り返し、分屯地に隣接する熊本空港の上空を旋回した。熊本県の蒲島郁夫知事も初めて乗り、「ヘリコプターと同じ感覚だった。ほかの航空機と比べて特段の危険は感じなかった」とのコメントを発表した。

 陸自側は1カ月ほど前から、熊本や佐賀、福岡各県の首長や議会関係者、漁協関係者に招待状を送付。米海兵隊パイロットとの質疑応答の場も米側に要請して実現した。熊本県議会で防衛議員連盟会長を務める小杉直・県議には11月末、陸自幹部2人が直接訪問し、「せっかくの機会だから」と搭乗を勧めたという。

 佐賀空港(佐賀市)へのオスプレイ配備を国から要請されている佐賀県からは、県議会副議長や佐賀市議長らが試乗した。佐賀市の秀島敏行市長は、住民目線で見たいと地上から目視。「騒音は想像ほど大きくなかった」と話した。

 陸自西部方面総監部は今回の催しの狙いについて、「安全性などについて地元首長らに理解してもらうため」と説明。ただ、佐賀空港配備計画との関係性については「あくまで招待は今回の訓練にともなったものだ」と語った。