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【スポーツ】

山口茜17歳女王 リオ五輪の本命 東京五輪の星だ

2014年12月8日 紙面から

女子シングルスで優勝し、トロフィーを手に笑顔の山口茜=代々木第二体育館で

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◇バドミントン全日本選手権最終日

 バドミントン全日本総合選手権最終日が7日、東京・代々木第二体育館で行われ、女子シングルスで山口茜(17)=福井・勝山高2年=が初優勝し、史上4人目の女子高生チャンピオンに輝いた。17歳6カ月での達成は2011年の奥原希望の16歳8カ月に次ぐ史上2番目の年少記録。男子シングルスは佐々木翔(32)=トナミ運輸=が7年ぶり2度目の優勝。男子ダブルスは早川賢一(28)、遠藤大由(27)組=日本ユニシス=が3連覇、女子ダブルスは福万尚子(22)、与猶くるみ(22)組=ルネサス=が初制覇した。混合ダブルスは早川賢一、松友美佐紀(22)組=日本ユニシス=が連覇した。

 前年覇者、今年の世界選手権で銅メダルを獲得した三谷をストレートで下した直後、山口は2人のコーチに視線を送り、静かに喜んだ。女王の称号を得た17歳、高2の女子高生は16年リオ五輪の本命、さらには2020年東京五輪の星に躍り出た。しかし「(女王は自分に)あまり似合わない。普通の高校生ですから」と照れくさそうに笑顔を浮かべ、控えめに頭をかいた。

 ラケットケースに付けた「アンパンマン」のぬいぐるみが後押しした。2ゲーム目は大接戦に。ベンチに戻ると3日前にファンからもらったぬいぐるみが出迎えた。「大丈夫って思えた」と“アンパンチ(アンパンマンの必殺技)”級の破壊力を誇るスマッシュを次々と打ち込み、初優勝を手にした。

 昨年9月のヨネックスオープンジャパンで日本人初優勝を飾った時は粘りが武器だったが、力強さも加わった。海外遠征を繰り返し、勝山高の小林監督は「帰ってくるたびに肩周りがたくましくなった」と話す。協会関係者も「おなかがへこんで腰周りが大きくなった」と変化を感じていた。

 ただ、コートを離れれば別の顔も。父・浩志さん(51)は「家ではピアノを弾いたりしますよ。校歌とかね。お笑いのテレビを見ながら勉強もします」と語る。英語は進学校の勝山高でもトップクラス。器用なのはラケット技術だけではない。そして、初優勝の翌日には期末テストが待っている。山口は「ご褒美は…テストを免除してほしい」と笑いを誘った。

 史上4人目の女子高校生チャンピオンは、トロフィーを抱えるとよろけた。156センチの小兵は「いろんな意味で重かった」と苦笑い。昨年9月に145位だった世界ランクは17位に。脅威のスピード出世を続けるスーパー女子高生の勢いは、リオまで止まりそうにない。 (占部哲也)

 

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