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【スポーツ】

17歳・阿部が金 大会史上初 日本男子高校生V

2014年12月6日 紙面から

◇柔道 GS東京大会

男子66キロ級決勝でポラック(左)に優勢勝ちし、優勝を果たした阿部=東京体育館で(冨永豊撮影)

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 柔道のグランドスラム東京第1日は5日、東京体育館で男女5階級を行い、男子66キロ級で阿部一二三(17)=兵庫・神港学園高=が初優勝を飾った。阿部は準決勝で世界選手権3連覇中の海老沼匡(まさし、24)=パーク24=を破り、決勝も優勢勝ちした。女子48キロ級は近藤亜美(19)=三井住友海上=が、浅見八瑠奈(26)=コマツ=を決勝で破り連覇。女子57キロ級は松本薫(27)=フォーリーフジャパン=が制した。

 17歳の怪物の勢いは、世界王者までものみ込んだ。11月の講道館杯を男子史上最年少で制した阿部が、準決勝で海老沼を撃破。決勝でも優勢勝ちし、シニアの国際大会デビュー戦で頂点まで駆け上がった。

 「海老沼さんはすごく強かったけど、思い切って攻めたことが良かった。優勝は自分でもビックリで、あまり実感が湧きません」。報道陣に囲まれ、初々しく笑った。

 海老沼には開始29秒で有効を奪われた。「様子を見てしまった。このままじゃ勝てない」。持ち味の積極性を取り戻し、たて続けに技を繰り出した。冷静にいなされたが、残り46秒で放った大内刈りが決まった。技ありを奪取し逆転すると、そのまま王者の反撃を凌ぎきった。

 阿部は準々決勝でも今年の世界選手権銅メダルのザンタラヤ(ウクライナ)に優勢勝ち。日本男子の井上康生監督は「素晴らしい試合だった。これで阿部はリオ五輪の代表争いに足を踏み入れた」と上機嫌でたたえた。

 2009年に始まった同大会で、日本の男子高校生として初めて優勝した阿部の魅力は、スピードと肉体の強さ。消防士の父・浩二さんが考案した体幹強化メニューで、小学生のころから公園で体を鍛えた。3キロのボールを使い、週3回は2時間のトレーニング。飛び抜けた体幹の強さが攻守両面で阿部を支える。

 整った顔立ちのイケメンで、ロンドン五輪で金メダルを逃した男子日本にとっては待望のスター候補。阿部は「リオが近づいてきた。次は来年の世界選手権で優勝したい」。大器が堂々と言い放った。 (青山直樹)

 

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