アダルトショップのバイブやオナホールはアダルトグッズではない? -ろくでなし子再逮捕 3- (松沢呉一) -3,100文字-
2014年12月08日19時13分 カテゴリ:わいせつ表現 • 松沢流世界の読み方
ドン・キホーテがアダルトショップでない理由
「性風俗店であるアダルトショップに、性器の立体物があってもなんの問題があるのか」って思うじゃないですか。バイブありぃの、オナホールありぃのの店であり、法的にも認められている営業です。路上で展示したわけじゃなく、小学校に展示したわけでもなく、コンビニで展示したわけでもなく。
ところが、事はそう簡単ではないのです。私も「何が悪いのか」と思うのですが、現行法ではそれは通じない。
長くなるし、細かくもなりますが、「今何が起きているのか」「これから何が起きるのか」を正確に読み解くため、そもそもアダルトグッズやアダルトショップがどういう位置づけにあるのかを正しく理解しておいた方がいいでしょう。つうか、今回の逮捕によって、この問題を考える時にアダルトショップについての正確な理解が必須になったと言えます。もうしばらくおつきあいください。
風営法で定められた店舗型性風俗特殊営業の5号は「店舗を設けて、専ら、性的好奇心をそそる写真、ビデオテープその他の物品で政令で定めるものを販売し、又は貸し付ける営業 」です。
文中にある「政令」というのは風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律施行令のこと。
アダルトショップで売られている商品はアダルトグッズではない?
これについては先日のネイキッドロフトで遂にその姿を現した徐泰雄さんがFacebookでまとめています。
時代は変わり1948年の薬事法改正からは全ての衛生用具は厚生大臣の認可が必要になりました。
バイブもオナホも「人間の身体に使用するモノ」とゆ事になり、快楽目的(性玩具)としてバイブを製作し販売する事には対して国からの許可を貰わない限り不可能になり、国は許可を全く出しません。
なので、日本初の電動バイブ「熊ん子」は「民芸郷土人形」として販売されました。
ちなみに、南極1号はジョークグッズとして販売されました。また、徒に性欲を刺激あるいは興奮させ、普通人の正常な性的羞恥心を害し善良な性的道義観念に反するモノは猥褻物に認定されます。
その為にアダルトグッズがジョークグッズであれ民芸品であれ必要以上に精巧に作る事は禁止されており、その基準は曖昧で警察のサジ加減だったりします。
とは云え業界と警察が馴れ合うのが伝統です。
例えば陰毛を付けるな。ビラビラを不均等に作るな。剥けチンの皮と亀頭をリアルに作るな。金玉を付けるな。などとゆ所謂「天の声」があるのです。
脱法行為とゆのは、警察の「お目こぼし」で成り立っています。
私が見た範囲で、Facebookでこのことをちゃんと踏まえたことを書いていたのは徐さんだけです。さすがと言えましょう。ザイトクの内部事情だけじゃなく、性風俗にも通じている男。徐さんとか私とか、下品な男たちが的確なことを書いていて、お上品な人たちは根拠のない陰謀論に走っているのがオモロいところですわね。
「熊ん子」はテレビの上に飾るもの
法的には存在しないはずの性具を扱う業界の取材は気を使います。はっきり書けないことが多いのです。
バカ売れした日本初の電動バイブ(「電動バイブ」という言葉は妙ですが、マッサージ用のバイブレーターと区別するため、この名称を私も使います)とされる「熊ん子」を開発した問屋は取材したことがありますが、あれ以来、国産バイブにはしばしば顔がついてます。そうは見えないかもしれないですが、「熊ん子」は山形のコケシと同じ扱いの人形です。
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