「Misocaのチーム開発のいいところ」を発表してきました

Misocaのチーム開発について名古屋の技術者コミュニティの忘年会「NGK2014B」で発表してきました。その内容の紹介と補足をしたいと思います。

スペック

  • Ruby on RailsによるWebアプリケーションの開発
  • 開発に関わる人数は10人ぐらい
  • リモートワークを採用
  • アジャイル、スクラムをベースに日々改善

リモートワーク

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Misocaではリモートワークを採用しており、オフィスに来る必要はありません。これは私自身が場所に縛られないほうが力が発揮できるだろうと思っているからです。エンジニアはとにかく1行でもコードを書いてくれれば出社しようがしまいが関係ありません。

リモートにいる人とはGoogleハングアウトかSlackでコミュニケーションを取るようにしています。

上記は週次の振り返りの様子ですが、ファシリテーターは愛知県長久手市の自宅にいます。

ツール

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リモート勤務のためにも情報やコミュニケーションのオンライン化というのは積極的に進めています。特にTrelloは個人のToDo管理、KPTのポストイットのかわり、Backlog管理、プロジェクト管理と、とにかくなんでもTrelloで管理する体制になっています。

Slack・・・日常のツール、チャットボット利用、通知

Trello・・・ToDo管理、プロジェクトKANBAN、ふりかえりのKPT

メールワイズ・・・お客様のご意見管理

mixpanel・・・利用分析

Optimizely・・・WebサイトのA/Bテスト

チームとは

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チームが機能するとはどういうことか」ではチームとは「学習プロセスである。」と定義します。ラインでの組み立てとは違い、ソフトウェア開発のような不確実なものづくりでは完璧なマニュアルなど存在しないし、竹刀をもったマネージャーも長くは存在できません。複数の目標に対して次々と変化する状況を乗り越えながら成果を出していかなければならないのです。

そこで本書では上記の4つの行動が大切ということですので、今回のまとめではこの4点からMisocaの開発チームのいいところを話します。

はっきり意見をいうこと

はっきり意見をいうのがいいことは当たり前です。そこで大切なのは意見をいえる体制をつくることです。そこで次の3つに気をつけています

  • バグを憎んで人を憎まず
  • 心に棚を作る
  • 意見を出しやすく、漏らさない仕組み

バグを憎んで人を憎まず

バグのあるコードを書いたのは書いた人ですが、その人を攻めていては何も解決しません。これをチームの問題として考え、コードを書いた本人もできるだけ客観的に問題を検討していかに次に活かすかということに集中します。

心に棚を作る

僕は知りませんでしたが「炎の転校生」という漫画の有名なセリフだそうです。自分ができてないことでもやったほうがいいと思うことは提案するきっかけになります。

意見を出しやすく、漏らさない仕組み

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せっかく意見を出しやすくしても誰にも聞いてもらえなくては意味がありません。Misocaチームでは朝会やふりかえりといった仕組みを用意して、だれかが上げた意見が必ず議論され解決・継続審議・様子見などに分類されます。

上図の例だと、

  1. 困ったことを日報に書く
  2. 日報から朝会の議事録係によって「朝会ボード」というTrelloのボードに転記される
  3. 朝会中の「朝会ボードのふりかえり」というセクションでどうするか検討される
  4. 上図だと「それは技術的な話なので開発ミーティングへ」とその場では議論されず、開発ミーティングに移される
  5. 週一の開発ミーティングで議論がされる
  6. 翌日の朝会で「どうなった?」と話がされる
  7. 本人または全体が解決したと思ったら完了になる

という流れで処理されます。

協働すること

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チームではできるだけ協調的な行動ができるかどうかが重要になります。そのために情報共有、取り組みのふりかえりや意見交換が非情に重要です。

Misocaでは上図のように仕組みを用意して取り組んでいます。最近だと1,2週間で終わる内容でもペアで取り組むような仕組みを試しています。

試みる

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Misocaには何でも議論したところでうまくいくかどうかはわからないのだから「とりあえず一回やってみよう」という文化があります。

朝会のスタイルは教科書通りスタンドアップミーティングの形から時間を変えたりやることを変えたりと毎週のように変えていっています。

省察する

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省察とは自分たちの行動の結果を批判的に検討して、結果を評価したり新たなアイデアを見出したりする習慣のことです。

Misocaでは多すぎなんじゃないというぐらい「ふりかえり」の場をつくってKPTでふりかえります。

特に中心となる「週次ふりかえり」では、

  • 先週やると決めたことができたかどうかふりかえる
  • KPTでふりかえり「K:今週できたことで今後も続けていきたいこと」「P:問題だったこと」「T:次に試したいこと」をリストアップ
  • 翌週のアクションを決める

という順番で毎週チームが良くなっていくことを仕組み化しています

まとめ

いかがでしたでしょうか。面白いのはこの活動を主体的に進めているのは私ではないということです。「チームが機能するとはどういうことか」もチームのメンバーからおすすめされて読みました(教育されました)。
チーム開発が正解や終わりにたどり着くことはありません。だからこそよりよい状態に向かおうとする意志は大切だし、その意志や学習プロセスを獲得する事こそがチーム作りなんだと思います。

採用のお知らせ

こんなチーム開発の姿勢で一緒にMisocaを開発したいというエンジニアおよびWebマーケッターを募集しています。
興味あるという方は一度会って開発や好きなことについて色々お話しましょう!

office@standfirm.jpや採用フォーム、Facebookなどからどうぞ!

 

 

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豊吉隆一郎

スタンドファーム株式会社代表取締役

2002年より名古屋にてフリーランスとしてWeb制作を始める。
クラウド型請求書管理サービスMisocaを開発運営するため、2011年6月、スタンドファーム株式会社を設立。

趣味はマラソン。
CSNagoya勉強会共催者、名古屋Ruby会議スタッフ、OSCNagoya2011実行委員長など

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