ソニー傘下のソニー・ピクチャーズエンタテインメントの経営陣は、同社のコンピューターネットワークが2週間前にハッキング被害に遭ったとき、当初は(映画の)宣伝に使える、またとない機会だと考えたかもしれない。
サイバー攻撃の背後には北朝鮮の存在がうわさされた。北朝鮮の金正恩第1書記の暗殺計画をテーマにしたコメディー映画「ザ・インタビュー」(セス・ローゲン監督)をソニー・ピクチャーズが製作したことへの報復という見方だ。25日に米で公開される予定で、マスコミはこぞって映画製作がサイバー攻撃を引き起こすきっかけになったと報じたのだから、お金では買えない宣伝効果が十分にあった。
■データ、大規模に破壊
タダで「ザ・インタビュー」の宣伝ができたというソニー・ピクチャーズの経営陣が持ったであろう楽観的な気分も、最近になってハッキングの全容が明かされるにつれ、薄れてしまうだろう。新作の映画やその他の情報が流出しただけでなく、データそのものが系統的に大規模に破壊されていた。
ハッキング被害があった直後には、ソニー・ピクチャーズの映画がファイルの共有サイトにアップロードされていた。この中には、同じくクリスマス公開のリメーク作品「アニー」もあった。
ついで、マスコミに対してソニー・ピクチャーズの極秘情報がネット上に流出していると匿名の警告があった。これらの極秘情報には、従業員の健康管理関連のファイルやパスワード、社会保障番号、さらにはローゲン氏や(俳優の)ジェームズ・フランコ氏の出演料まで含まれていた。ソニー・ピクチャーズにとってさらに決まりが悪かったのは、同社経営陣の給料の詳細までがばらされたことだ。
主要な映画会社のなかでハッキングの被害にあったのはソニー・ピクチャーズだけだが、経営コンサルティンググループ、FTIコンサルティングのロイ・ソルター専務は、カリフォルニア州カルバーシティーにあるソニー・ピクチャーズ本社だけにとどまらず広範囲に影響があると警告を発する。
「今回はだれも勝者にならない」とソルター氏は言う。「エンターテインメント業界、メディア業界はネガティブな影響を受けた。(エンターテインメントやメディア業界に対し)高水準の番組製作をしてほしいと考える観衆も影響を受けた」
しかし、今回のハッキング事件の本質は、世界中の大企業が増大する難題に直面していることも示したことにある。つまり、自社のコンピューターのバックアップ体制を万全にし、データ破壊から身を守る必要があるということだ。
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