麻生副総理「産まないのが問題」社会保障費増に
2014年12月8日12時21分 スポーツ報知
麻生太郎副総理兼財務相が7日の札幌市内での衆院選応援演説で、少子高齢化に伴う社会保障費増に関し「高齢者が悪いというようなイメージをつくっている人が多いが、子どもを産まないのが問題だ」と述べていたことが8日、分かった。6日には株高・円安なのに収益が上がらない企業は経営能力に問題があるとの趣旨の発言をしていた。野党は一連発言を「極めて問題だ」(民主党幹部)と批判した。
麻生氏は札幌市内での演説では「産まないのが問題」とした後に、「子どもが生まれないから、(働く現役世代は)昔より多い3人で1人の高齢者(を支えている)。もうすぐ2人で1人になり、間違いなく税金は高くなる」と指摘。今年4月の消費税増税を踏まえ「みんなに少しずつ負担してもらう以外に方法はない」とした。
6日には長野県松本市内での演説で「株価が戻り、円安に振れた。企業は大量の利益を出している。出していないのは、よほど運が悪いか、経営者に能力がないかだ」と語った。
これに対し、民主党の海江田万里代表は8日の神戸市内での街頭演説で、麻生氏の札幌市内での発言に関し「好きこのんで子どもを産まないのではない。経済的理由や働き方によって子どもを産めないのだ。この問題を何とかしないといけないのに、全くそういう自覚がない」と指摘。経営能力に言及した発言を含めて「許していいはずがない」と述べた。
世耕弘成官房副長官は8日の記者会見で、社会保障費増をめぐる麻生氏発言に関し「子どもを産まない人を責めているわけではなく、少子化への危機感の表明だ」と釈明。経営能力への言及については「経営者の立場を分かっている麻生氏なりの発言だ」とした。