参考人聴取:大阪地裁「限度超えた」和歌山県警の違法認定

毎日新聞 2014年12月08日 19時08分

 和歌山県警による参考人聴取で性生活をしつこく聞かれ、心的外傷後ストレス障害(PTSD)になったとして、大阪府内の30代女性が県に1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が8日、大阪地裁であった。佐藤哲治裁判長は聴取の一部が違法だったと認め、慰謝料など11万円の支払いを県に命じた。

 判決によると、女性は2012年1月、強制わいせつ容疑で逮捕された内縁の夫の関係者として、男性警察官に聴取された。その際、夫との性生活について約30分質問された。

 佐藤裁判長は性生活の聴取は必要な捜査だと認めたが、「抽象的に聴けば足りたのに、限度を超えた質問をし、プライバシーを侵害した」と指摘した。聴取でPTSDを発症したとは認めなかった。

 女性は代理人弁護士を通じ「この判決が私のような被害に遭われた方の助けになればと思う」とコメントした。県警の江南拓哉首席監察官は「判決を精査し、今後の対応を決める」としている。【服部陽】

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