2014年12月9日00時55分
水俣病の未認定患者が国と熊本県、原因企業チッソを相手取り、損害賠償を求めた「水俣病被害者互助会訴訟」の控訴審が8日、福岡高裁(一志〈いっし〉泰滋〈やすじ〉裁判長)で始まった。一審で敗訴した原告が意見陳述で、メチル水銀に汚染された魚介類を食べていた実態などを語った。
原告は、不知火海沿岸で水銀汚染が深刻な時期に生まれ育った熊本、鹿児島両県の男女8人。一審・熊本地裁はうち3人について、手足の感覚障害や全身の機能障害をメチル水銀によるものと認め、1億500万~220万円の賠償を命じた。国と県、チッソはこの3人について控訴。原告側は8人全員が控訴した。
意見陳述には一審で敗訴した5人が立った。手のしびれなどがある西純代さん(61)は「魚を主食みたいに食べてきた。どれだけ食べれば高濃度の影響を受けたといえるのか。地裁の判決には納得できない」と訴えた。
原告弁護団によると、チッソ側は3人への賠償を命じた一審判決について「法的にも医学的にも根拠はない」などと主張。国、県は「仮に水俣病だとしても損害賠償を請求できる期間は過ぎている」と訴えているという。
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朝日新聞社会部
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