ポタアンことポータブルヘッドホンアンプを主に扱いつつ、最近は X3 や X5 など、ハイレゾ対応ポータブルプレーヤーにも注力する中国 FiiO が、X シリーズのエントリーモデル FiiO X1 を国内発売します。最大192kHz/24bit までのハイレゾ音源に対応しつつ、機能の絞り込みによって実売価格を約2万円におさえています。
画面やボタンの配置は FiiO X5 を継承しながらも各パーツをフラットなデザインとしたことで、外観は iPod classic にも似た雰囲気になりました。
再生機能は通常の再生に加えてシャッフルやアルバムループ、1曲ループを用意。ギャップレス再生、CUE シートを使った分割再生に対応します。さらに便利機能として、指定時間が経過すると電源が切れるスリープ機能や、起動時の音量を設定可能なデフォルトボリューム機能などを搭載します。
対応するファイル形式は WAV /FLAC /ALAC /APE /WMA (WMAは最大48kHz/24bitまで) にくわえ、非ハイレゾ音源の AAC /MP3 /OGG など。X3 や X5 が持つ DSD 再生機能や USB-DAC 機能は非搭載です。
本体横にはマイクロ SD カードスロットを備え、最大128GB までのマイクロSD /SDHC /SDXC カードに対応します。なお、日本版には標準で8GB(Class10)の SD カードが付属します。
アルミニウム製の本体には 2インチ、320 x 240px の TFT液晶を搭載。DAC チップには TI 製 PCM5142、オペアンプは Ti OPA2322、オペアンプバッファーには Intersil ISL28291 を採用しました。
推奨するヘッドホンのインピーダンスは16~100Ω。S/N 比は110dB 超。ライン出力はヘッドホン端子と兼用で、設定によって切り替えて使用します。ライン出力から FiiO E11K や E12 といったポータブルヘッドホンアンプに接続することで、よりインピーダンスの高いヘッドホンにも対応します。
本体サイズは横57 x 縦96.6 x 厚さ14mmで、FiiO X5 や iPod classic に比べるとやや小さめ。重さは106g。本体カラーはシルバーとシャンパンゴールドの2種類をラインナップします。内蔵バッテリーによる連続再生時間は最大で約12時間。充電は約4時間。
発売日は12月19日。税抜きの予想実売価格は2万円前後。
ちなみに FiiO X1 と同価格帯のライバルとしては、ソニーが発売している「禁断のWALKMAN」こと A16 があげられます。ハイレゾ対応や microSD スロット搭載など、機能的にもほぼ FiiO X1 と同じですが、32GB の内蔵メモリーを搭載する点がややポイントの高いところ。しかし FiiO は X3 でファームウェア更新とともに USB-DAC 機能を追加した例もあり、もしかすると X1 でも隠し球的な機能追加があるかもしれません。