痴漢:無罪判決…女性が触った人物誤認した可能性指摘
毎日新聞 2014年12月09日 06時00分
電車内で女性の右膝などを触ったとして、京都府迷惑行為防止条例違反(痴漢)の罪に問われた40代の銀行員の男性に対し、京都地裁は8日、無罪(求刑・罰金30万円)を言い渡した。渡辺美紀子裁判官は、女性が触った人物を誤認した可能性があると指摘し「男性が犯罪を行ったことに合理的な疑いが残る」と結論付けた。
男性は今年1月9日未明、京都府長岡京市付近を走行中の阪急京都線の車内で、隣席の女性の右膝や太ももを触ったとして起訴された。女性によると、その場から逃げた男を乗務員と一緒に探し、別の車両で特徴が似た被告男性を見つけたとしていた。
公判で男性側は「酔って眠っており何があったか思い出せない」と主張。犯行は別人の可能性があり、仮に触ったとしても故意でないと否認していた。
渡辺裁判官は閉廷前に「1審の裁判官として、(被告の男性に)今までお疲れさまでしたと言いたい」と異例の付言をした。
京都地検の永村俊朗次席検事は「上級庁とも協議の上、適切に対応したい」とのコメントを出した。【土本匡孝】