拠点・施設旭化成ケミカルズは8日、滋賀県高島市のあいばの地区内で爆発圧着クラッド「BAクラッド」の第2生産拠点を新設する、と発表した。
爆発圧着クラッドは、爆薬が爆発する際に放出する巨大なエネルギーを利用し、互いに異なる金属同士を瞬時に圧着した金属板で、鉄、ステンレス、銅、ニッケル、アルミニウム、マグネシウムなど実用金属の多くを接合できる。
ほかの製法では接合が難しいチタン、タンタル、ジルコニウムなども接合可能で、化学工業、石油精製、石油化学、エネルギープラント、船舶などの構造材料として広く使用されている。
BAクラッドは、特に接合強度が高く、高い信頼性が要求されるLNG液化装置やLNGタンカーに欠かせない極低温領域向け高性能継手として、国内外で高い評価とマーケットシェアを得ている。
新興国や途上国の経済発展に伴い、エネルギー開発やプラント建設が増加し、爆発圧着クラッドの需要が拡大。米国のシェールガス革命など天然ガス田の開発が世界的に計画され、高性能継手の需要は年率2ケタ以上の大幅増となっていることから、第2生産拠点を新設して需要に対応する。
BAクラッドは現在、筑紫野工場(福岡県筑紫野市)での生産しているが、第2生産拠点の新設により、生産能力は50%増える見通し。
■爆発圧着クラッド「BAクラッド」第2生産拠点の概要
立地:旭化成ケミカルズあいばの地区(滋賀県高島市)内
生産品目:爆発圧着クラッド「BAクラッド」
生産能力:2000トン/年(新設後当社生産能力合わせて6000トン/年)
工期:2015年2月着工、2016年4月稼働