TRONプロジェクトの坂村健氏曰く、TRONをつぶしたのはMSではなく孫正義 78
ストーリー by hylom
そのまま導入されていたらどうなっていたのだろう 部門より
そのまま導入されていたらどうなっていたのだろう 部門より
TRONプロジェクトの30周年を記念したイベントで、同プロジェクトの中心人物である坂村健氏が、BTRONに対し圧力をかけたのはMicrosoftではないとの見解を述べたという(マイナビニュース)。
1980年代後半に「教育用パソコン」としてTRONが導入されるという動きがあったが、アメリカ合衆国通商代表部がTRONを貿易障壁として挙げる事態があり、結局導入は阻止された(Wikipedia)。坂村氏はこれについてMicrosoftの関与を否定し、『大人げないため、ここでは語らないが、(発表会で配った雑誌「TRONWARE」を手に)ここで書いた』と発言した。この雑誌には『実は米国の企業ではなく日本人だということは後年分かったことだ。(中略)孫氏は(中略)TRONつぶしに動いたらしい』と書かれていたとのこと。
TRONつぶしの黒幕が孫正義氏であることは1999年に刊行された「孫正義 起業の若き獅子」という書籍に書かれていたとのことで、一部では話題になっていた。
スケベ根性 (スコア:3, 興味深い)
そもそも諸悪の根源は、教育用パソコンなるものを名目に自社製品を売り込もうとした松下電器のスケベ根性という認識だったのだが......
Re:スケベ根性 (スコア:5, 参考になる)
松下というかNECとエプソン以外の各社ですね。
http://www.jaist.ac.jp/coe/library/jssprm_p/2001/pdf/2001-1C05.pdf [jaist.ac.jp]
各社PanacomMやAX等のラインを別に持っていて、教育用パソコンの様子を見てからBTRONマシンを出すつもりだったから、スーパー301条の騒動で空中分解することになった。
でも、どうなんでしょうね。当時動作していたのは80286用の16bitのBTRONで、MacやWindowsに比べて確かに出来は良かったのですが、各社から市場に出ていたとしてその後のOS8やWin3.1そして32bit化に追随出来たのかどうか。
誕生間もなく消えて、不幸を振りまくことも少なかったんで現状で良かったんじゃないかと最近は考えてます。
Re: (スコア:0)
その資料のTRONの説明には、間違いというか抜けてるところがある
TRONのRはRealtimeであって、そもそもTRONはパソコン用OSを目指したものでは無い
パソコンOSは米国に先を越されたから、標準の存在しない工業用リアルタイムOSのデファクトを作ることで大学の研究が産業界に貢献出来ることを示すんだ~という説明を坂村健自身がしてた
その後に出てきたBTRON構想と状況の変化のために、坂村健自身による一種の歴史の書き換えのようなことが起こっている
TRONを正しく理解するためにはRはRealtimeであることを忘れちゃいけない
#組込屋にとってはTRON=ITRONであって、BTRONやMTRONなど無に等しい存在
Re: (スコア:0)
1984年からBTRONをつくると言ってたよ。
ビジネス用パソコンがBTRONで家庭用パソコンがHTRON。
「ユーザーが操作したらユーザーに分かる何らかの反応を速やかに返さなければならない」
という要求をパソコン用OSでのRealtimeと言っていた。
Re: (スコア:0)
本当につくりたいのはCPUだけど、CPUだけつくってもしかたがないからOSもつくるって感じだったな。
ITRONの上にBTRONを乗せて、その上にHTRONを乗せる。そして、ITRONの下のリアルタイムOSの核になる部分をCPUに内蔵することを考えていたとか。
で、The Real-time Operating system Nucleusという名前になった。
Re: (スコア:0)
CTRON「...」
Re: (スコア:0)
BTRON2はどうなったんだろ。
20年以上前のTRONWAREに、BTRON2仕様OSはすでに完成したって書かれてたけど。
BTRON2仕様OSを操作している状況の写真も載ってたし。
Re:スケベ根性 (スコア:5, おもしろおかしい)
そうだよねえ、普及の原動力はユーザーのスケベ根性であって、メーカーのスケベ根性じゃないよねえ。
Re: (スコア:0)
A級戦犯は松下なのかTRON協議会なのか判りませんが、個人的にはそもそもメインプロジェクトの
B-TRONがプロダクトとして実用になるものが存在しない段階で総花的な売り込みをしすぎて、
結果的にvaporwareの典型みたいな流れにしてしまったそのやり方自体が元凶じゃないかと。
悪い見方をするなら、教育用パソコン選定から外れた途端に萎んだというのは、
参加企業の根っこが公共事業に頼った古いタイプの土建的経営戦略で、
一般ユーザー向けとしてはどのみち成功しなかった気がします。
世界展開 (スコア:2, 参考になる)
もし当時TRONが導入されていたとしても、世界展開せず、日本だけで閉じていたとしたら、
現在に至るまでのいつかの時点で、世界の潮流に飲み込まれていたことだろうと思います。
PC-9801や、スマホ以前のケータイのように。
Re:世界展開 (スコア:1)
売り方も含めて勝たないとOSは生き残れないし、世界中に販売していかないと勝てないよね。
そのうえでとても厳しい生存競争があるわけで、
あのIBMが世界各国で販売したOS2だって勝てなかった。
もし、国内だけを見ていたのであれば勝てないのは当たり前と思える。
生き残れなかったOSのユーザーは大なり小なり不幸になるよね、だから殆ど採用されなくてよかったとおもうよ。
大昔、PC98からいわゆるDOS/V機に変わっていく頃は、ハードメーカーも、ソフトメーカーも、ユーザーも大変だったと思う。お金もかかったし面倒もあったし消えてしまった会社もあったしな。
家庭用ゲームハードのように複数製品が互いに競いあう環境ならいいのだけど、OSだとそうならないよね。
Re: (スコア:0)
PC-98→DOS/Vはさほど大変じゃなかったです
PC-98でWindowsが動く→Win資産が増えていく→あれ?PC-98じゃなくてもよくね?→DOS/V移行
うちはPC-9821Xa13でWin95動かしたのが最後で、それ以降はDOS/V機
Re: (スコア:0)
どこに付けようか迷いましたが、ここへ。
結局は国内のパソコン向けソフトウェア生産力の限界ですね。アメリカには二~三年先の自分と同じ力を持つ人が二~三倍の数いる、当時そう感じていました。
内のまとまりの無さや外から妨害がなくても普通のパソコン向けのOSだと汎用そのものの最激戦区みたいな所ですから、最初の出来が余程飛び抜けていないと世界展開なんて無理で、国内だって守りきれなかった。
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TRONの世界展開は圧倒的な兵力の差で無理だったのですが、PC-9801やスマホ以前のケータイは、元々世界展開を考慮していない/外来機の侵入を想定していない、という戦略ミスが大きかったのではないでしょうか。
Re: (スコア:0)
firefox がバージョンアップするたびに(更新でなくて)完パケのインストーラーを取りに行っているのだが、
各国語対応ってここまで進んでるんだと毎度感心します。
ブラウザアプリがこれだけ各国語対応できるということは、OSレベルでの対応が当然できており、
フォントがあり、アラビア語のIMEなんかもあるんだろうなぁ、とか思うにつけ、UnixでXでktermで
FEPがどうの・・・とにぎやかだったのはお遊びみたいなもんだったんだなぁ・・・と思うことしきり。
Re:世界展開 (スコア:4, 参考になる)
その各国語対応の端緒は”お遊びみたいな”といっている日本語対応の影響が大きかったというのは知っておいて欲しいですね。
一言語の表現において、漢字、カタカナ、ひらがなと複数の、アルファベットとは全く異なるキャラクターセットを使用するためのマルチバイトによる文字コードの導入、物理的に有限なキーから遥かに大きな文字集合の要素へと変換するFEPの開発を経て多言語対応のinput methodへの進化、localeの導入、i18nへの取り組み、一つ一つの積み重ねが今のOSの多言語対応になっている訳で、私としては感慨深い物があります。
当時文字コードが8bit決め打ちだったりしたのを、パッチ送ってマルチバイト対応してもらったり、キーコードを直接スキャンしてたのをFEPからの文字コードを受け入れるように変えてもらったり、私自身はコード書けなかったんですが作成されたパッチを開発者に投げて英文でお願いしたりとかしてました。
大学から離れてからはそういう事からも疎遠になってしまいましたが、今はOSにm17nのためのAPIがあり、普通にソフトの扱う文字コードがマルチバイトになっているので、もうそんな事もしなくてよいのが有り難いです。
MSではなく (スコア:2)
TRONをつぶしたのはMSではなくM.S.(Masayoshi Son)だったということですね
theInsiderman(-1:フレームの元)
TRONプロジェクト30年の歩み (スコア:2)
ここの「思わぬ反撃」「思わぬ結末」で詳細が語られると期待:
http://tron-30th.t-engine.org/tronproject.html [t-engine.org]
ただし (スコア:1)
孫正義が自分でそう言ってるだけだろ...
例の本の発売前にそんな話一回も聞いた覚えないし、
当時のソフトバンクにそこまでの力があったとは思えない。
Re:ただし (スコア:1)
# 弱小教育系ソフトハウスの中の人です。
孫正義氏がTRONをつぶしたのかどうかは寡聞にして知りませんが、ソフト業界に対するソフトバンクの影響力は相当なものでしたよ。
なにしろソフト卸売を牛耳っていましたから。
なので、「つぶした」というのが国内教育系ソフト業界への働きかけという意味だったら、可能性はあるのかもしれません。
ただ、実際にソフトバンクから圧力があったのかどうかは、下っ端だったので知りません。
(我が社にも松下のBTRONマシンが回ってきたけど、ほとんど触らなかった)
多分、圧力があろうがなかろうが、ウチはCECマシンが動き始めるまで様子見だったと思います。
何しろWindows 3.0発売前、MS-DOS時代ですから、正直言ってウチではとても開発する余裕などありませんでしたw
(Windowsの調査は始めてましたけどね)
Re: (スコア:0)
俺もこの三行目に同意だなあ。
当時のソフトバンクがどんだけ圧力かけたところで、相手にすらされないと思うんだが。もうちょっと具体的な話がないと。
そもそも、US通商代表部が圧力かけたってのは事実じゃないの? そこから否定?
陰謀論か嫌韓レベルの与太話のように思えるのだが。
Re: (スコア:0)
アメリカの都合の悪い事は他でスケープゴートにするからね。
特に韓国がーとか出たら逆に黒幕がわかってしまうという。
私も同意するけど (スコア:0)
記事については、喋ってるのは
> TRONプロジェクトの坂村健氏
であって、孫氏じゃないです。
Re:私も同意するけど (スコア:1)
いや、坂村氏自身も「らしい」と書いてるみたいだし、
(リンク先記事引用)>これは1999年に刊行した大下英治著「孫正義 起業の若き獅子」を元にしたものだ
ってことでしょう。
#つまり孫氏がのたまっていることを「~とか言っているらしい、そうだったのねぇ」と書いてるだけっぽい
孫自体はさほど偉くなくても、音頭取りがいると利害の一致をコントロールしやすいくなる。
情勢的にまだ微妙な段階で孫が動き回って流れを明確にすることはできたでしょう。
#決定打になったかどうかは別として、孫自身の「自分は精力的に動いた」という主張はまあ信じてもよいかなと。
このあたりは別に個の影響力云々の問題じゃない。時流を利用して利害調整のために積極的動いて、
相手を説き伏せられたかどうか。そういうエネルギーはあったじゃないかな。
Re: (スコア:0)
この人が禿を嫌いだから全部禿のせいにしていると言う事か
Debian の足下にも及ばん (スコア:1)
BTRON コアのディストリビューションも、Σコアのディストリビューションも、諦めずリソ-スをぶち込めば出来たはずだ。
Debian は未だ Debian GNU/Hurd を諦めてはいない。
受け入れられるか否かは別として。
Re:Debian の足下にも及ばん (スコア:1)
http://www.chokanji.com/ [chokanji.com]
なんかBTRONは存在すらしてないみたいな言い分ですが、一応商品として売られているのですよ。
Re: (スコア:0)
>BTRONは存在すらしてないみたいな言い分
「TRONとマイクロソフトが対立しているかのように言う人がいるが、
TRONは組み込み制御用OS、マイクロソフトのWindowsはパソコン用OSで、
適用範囲が違うのだから対立するはずがない」と坂村健さんが言ってたような。
Re: (スコア:0)
先の見えていたパソコンをMicrosoftに渡して代わりに将来性のある携帯電話事業に進出しましたね。
おかげで今では携帯電話のほとんどがTron性のチップで制御します。
Re: (スコア:0)
Tron性のチップ?
TRONCHIPはTRONプロジェクトで最も失敗したプロジェクトだけど?
Re: (スコア:0)
18,000 円 (税別) とか、14,000 円 (税別) とか、漢字環境代としてもねぇ。
ISO/IEC 10646=JIS X 0221≒Unicode のフリーフォント・市販フォント仕様で無料でないと、スタートラインにも立てないのでは?
あとはデバイスドライバーかな?
VMware 上で動かすなんて、OS の役割を放棄しているとしか思えない。
BTRON 上で VMware が動く、ホストOS にならなきゃ。
坂村先生も惚けたからなぁ (スコア:1)
TRONWAREの最新号を先週本屋で見つけたのでパラパラ見ていたら、
TRON CHIPに対して、「マイコンはintelとピン配置を合わせろ、
リトルエンディアンにしろと言ったのに、日立と富士通が汎用機に
合わせてビックエンディアンで作ってしまった」という意味のことが
書いてあった。
自分の本「TRONを創る」で、ビットマップなどを扱ったりするのに
ビックエンディアンがいいと散々褒めまくっていたことを完全に
忘れてしまったらしい。
絵に描いた餅 (スコア:1)
雲の上で規格やら仕様やらでイニシアチブをとりたいって感じで、具体的なところは人任せな感じなんだよね。
具体性がないから、誰もが一言挟める独特な間口の広さがあって、夢や希望や妄想が入り込みやすいんだよね。
あんなものが中途半端に普及したらと思うと潰してくれてよかった (スコア:0)
PC-9801より酷い癌になってたかも
Re: (スコア:0)
PC98は下手にWindowsが動いてしまうので癌になってPC-Atに飲み込まれました。
TronではWindowが動かないのでDos-vが来ても影響ないままwindowsのが支配されない平和な国なった可能性もあります
Re:あんなものが中途半端に普及したらと思うと潰してくれてよかった (スコア:1)
>TronではWindowが動かないのでDos-vが来ても影響ないままwindowsのが支配されない平和な国なった可能性もあります
その後盛んになったグローバルスタンダードとやらで、Windowsと国際競争した場合勝てる気がしない・・・
そして結局、真のガラパゴスIT国家たり得たかもしれぬというif歴史。
#タクシーに乗ってやり直そう。
Re: (スコア:0)
PC-ATでBTRONが動いてるのだから、TRON(?)でもWindowsが動いても不思議ではないだろ?
Re: (スコア:0)
Microsoftは、一太郎を殺すことにだって成功したのですよ。
Re: (スコア:0)
一太郎は自爆の要素が多分にあるよ。
7の大幅な遅れ、そこから半年で8のリリース。
あんなのやられちゃ、客は離れるよ...
Re: (スコア:0)
他で書かれてるけど、
一時的に平和なガラパゴスになっても、
結局後からグローバルスタンダードの波に飲まれるなら、
先にスタンダードをいれたほうがいいだろということ。
今でもiModeガラケー使ってる人以外は、
ガラパゴスで十分と言うことは出来ない。
Re:あんなものが中途半端に普及したらと思うと潰してくれてよかった (スコア:1)
tokei.exe とか?
有罪(ギルティ)… (スコア:0)
ユビキタスの迷路ではアメリカ社会の陰謀だったはずだが…
クライアントの裏切りは…
どこだろうと関係ない (スコア:0)
自国の産業を守れない政府の下で何やろうと無駄。それが分からず日本で仕事を進めた本人のミス。
それでも少なくとも自分の名前は売れた、それだけで十分じゃない?
Re: (スコア:0)
なんつーか、門外漢からするとTRONなんてシェアをとれなかったOSで
それについて関係者が何か喋っても負け犬の遠吠えにしか聞こえない。
そんなんでも名が売れれば無名よりはましなんですかね。
この人大学の教授でしたっけ? 因果な商売だな。
Re: (スコア:0)
BTRON以外のTRONはシェア取れてましたけどね(一時期)。
ん? (スコア:0)
交換機は別として、CTRONが実働したところって、そんなにあったっけか?(製品は沖電気とタンデムだかHPだかにあったみたいだけど)
Re: (スコア:0)
携帯電話では圧倒的シェアですね
winと違って出しゃばらないので気付かず使ってる人も多い
残り火は自動車産業 (スコア:0)
もう日本の産業が潰されていって残りは自動車しかないけど
これもターゲットにされているね。
皆さん40代後半以上? (スコア:0)
スラドも高齢化が進んでいるな。
Re: (スコア:0)
当時の状況を知っている人が本当に大多数なら、与太話がストーリに取り上げられることは無かったかも。
最初から成功の芽はなかった (スコア:0)
一個人が潰したの何だの私怨まがいの妄想が展開される時点で
産業としての強さとか厚みに欠けた世界だったことがよくわかる