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 8、9日にオーストリアのウィーンで開かれる第3回核兵器の人道的影響に関する国際会議を前に、核兵器禁止条約の締結をめざす非政府組織(NGO)のフォーラムが6日(日本時間7日)、現地であった。来年で原爆投下から70年となる広島、長崎の被爆者らも参加し、核廃絶を訴えた。

 昨年に続き2回目となるフォーラムは国際NGOの核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)が主催。長崎で被爆した田中熙巳(てるみ)さん(82)=日本原水爆被害者団体協議会事務局長=は、おばの遺体を野原で焼いた体験を証言。核兵器について「こんなに残虐で、反人間的な武器があるのか。存在することは許されない」と語った。

 涙ながらに聞いていたのは、ウィーンの「包括的核実験禁止条約機関(CTBTO)」のインターンのマリネ・ホブアンニシアさん(25)=アルメニア出身。原爆の日には黙禱(もくとう)しているが、被爆者の証言に耳を傾けたのは初めてといい、田中さんに「人々の未来が奪われることが一番悲しい。一日も早く核兵器をなくすように努力します」との思いを伝えた。