こんにちは。motionBEATのベンチャーキャピタリストの丸山です。
今日のマルキューレ「Yahoo!プレミアム会員費が値上げからマッハ6の超音速機実験までいまおさえておきたいトピックス(8月16日)」でとっても大事なお話だと思ってトップで取り上げたけど、意外とみんな気にしていない感が強かったので、Yahoo!プレミアム会員費が値上げというニュースがビジネスを作っていく上で売上をどう作るかということの基本となる話なので掘り下げつつ、ビジネスの持つ潜在的な広がり(これをポテンシャルと言っておきましょう)の捉え方について書いてみつつヤバいくらい儲かるビジネスを考える上で必要なことにうまくまとまったらいいなと思っています。
■Yahoo!プレミアム会員費の値上げに思う
Yahoo!プレミアム会員費が値上げ、月額399円に
今回の記事のきっかけとなったニュースはこちらですが、現在は346円/月の会員費を10月から399円/月に53円値上げするというもの。
なんだよ月額53円なんてたいしたことないなと思った方は置いておいて、みなさんおわかりのとおり
今回の値上げは実に15%もの値上げ
になるのです。
もちろん値上げに見合うようにサービスの拡充を考えているようでヤフーのプレスリリース「「Yahoo!プレミアム」会員特典のさらなる充実と会員費の改定について」によると
ということみたいですが、これをお得と思うかどうかはそれぞれユーザーの主観によるところが大きいかなと思いますが、たぶん今回の値上げで離脱する人は少ないでしょう。
だって月に53円しか値上がりしないんですから。
ユーザーにとっては53円って何が買えるんだろうってくらいな値上げなので
むしろドラマとか映画が無料配信されて、
有名店の割引とか増えたらお得じゃんって思うかもしれません。
一方、事業者から考えると1ユーザーあたりの負担は僅かでも15%も収益が増える
しかも特典で有名店の割引を実施って送客支援になるしな。みたいな話もあったりと
プレミアム会員数は2012年6月末時点で786万ID。ちなみに去年の6月末時点が772万ID(出展:IR資料)なので、1年間に14万IDも増えているというすごいサービスでもあるわけです。
ここで収益面で考えると、現在の786万IDで約27億円(税込)/月の売上なので、なんと年間約326億円(税込)の売上が上がっているわけですから驚異的。
いやー、原価ってなにがあるんだっけ?みたいなお話ですから。驚愕としかいいようがない。
しかも1年間に14万IDが増えているってことは年間約5.8億円(税込)くらいの売上純増なわけですから、デフレの時代にいやはやすごいなと。
今回の価格改定(=値上げ)後に会員数が純増減しないと仮定すると年間で約50億円(税込)くらいの売上増となるわけで、サービス拡充したといっても送客支援みたいなものもあるので実際の原価はどこまで増えているの?みたいなところはあるので、広い顧客基盤を持っているということの強みだなと思うわけです。
■顧客は誰で、いくら払ってくれるの?
ビジネスを作る上で重要なことは顧客が誰かということと、いくら払ってくれるの?
っていうこの2つに尽きると思います。簡単な式にすると
売上 = 顧客数 × 一人あたり売上高
そんなの知ってるよ。当たり前だろって思っている方々も多いと思いますが
これを理解して経営出来ている人って意外と少ないなという印象もあったりします。
1つのサービスの売上高が100億円いくためのアプローチはいくつかありますが
これを思いつけますか。というお話です。
極論すれば、いまの地球上で可能なアプローチとしては
50億人から年間2円/人をもらうサービスから1人から100億円/人・年をもらうサービスまで
の間のどのあたりでアプローチするかということになるわけです。
言い換えるならば、
薄く広くから売上をあげていくか
厚く狭くから売上をあげていくか
という選択をすることに他なりません。
■薄く広くのビジネスとは
ヤフーのように薄く広くから売上をあげるサービスは
1顧客あたりの単価をコントロールできると
非常に収益性を高めることが可能です。
50億人から2円/人が3円/人になっただけで50億円の増収です。
しかしこれをやるには、とてつもなく多くの人からお金をもらうための仕組みを用意しなければならないという至極ごもっともな超高いハードルがあるわけですが、だれしもが一度はあこがれるビジネスではあります。
ちなみに近年で一番この成長した薄く広く系ビジネスは携帯電話サービスであることは、賢明な読者のみなさんならもうお分かりかと思っています。
逆にいうとインフラに近いサービスにならなければ薄く広くモデルのビジネスにはなりえないということがわかるかと思います。
ま、ネットサービスでいえばヤフーはヤフーオークションがありますし、楽天には楽天市場があるということかなと。
ちなみに楽天市場は直近四半期のユニーク購入者数は1,200万人もいて注文件数は5,000万件にも上るサービスになっていて出店数も約4万店に上っています。(月商100万円の店舗でだいたい7~9万円くらいが楽天の売上になるらしいのでこれもまたバカでかい規模のサービスだなと思うわけです)
つまり楽天はBから薄く広くも取れているということでB向けでも厚く狭くでなくてもいいということかなと。
蛇足ですが、貯金がしやすい人は毎月の出費は少ないけどというものをずばずば削っている人が多いです。月額300円のサービスに3つ入ったら年間1万円超の出費になるということを意外と人は忘れがち。少額だからこそ年額換算して本当に享受すべきサービスかどうかを考えるといいと思います。
■厚く狭くのビジネスとは
一方で厚く狭くという例の典型はなんだろうなーといろいろと考えたのですが、純粋なネットサービスでいい例が浮かびませんので、ちょっと離れて上場していて数値が見えやすいということで結婚相談サービスを提供する「ツヴァイ」を例にとってみましょう。
同社の2012年2月期決算説明会資料(PDF)によると
売上40億円(4.9%増)で期末会員数3.6万人(2.2%増)という感じなので、単純計算で年間一人あたり売上高11万円近くになるサービスであると。
結婚相談サービスは妙齢の未婚男女のうちの結婚したいという気持ちが強い人のみが主たるターゲットととなるサービスです。
そう考えると潜在的なユーザー数にはおのずと限界があることはすぐにわかるはずです。ここで薄く広くのサービスをはじめたところで対して儲からないということはわかるはずです。
そうなったときに経営陣としては一人当たり売上高を高い水準にする必要と、少ない潜在ユーザーを可能な限り多くとるためにどうしたらよいかということを考えなくてはならないわけです。
ビジネスプランの立て方として、こういった市場において薄く広くやることで価格面での競争優位性をもって勝ちぬきますという作戦がありますが、
例えば年間一人当たり売上高5,000円と設定した場合に10万人の有料会員を獲得できても年間5億円のビジネスにしかならない。
ということを考えなければなりません。
こういった戦略が通用するのは、潜在的なユーザーのニーズは莫大だけど、価格が高すぎて利用できているのは一部の人たちだけという市場において、低価格で提供しても莫大な潜在ユーザーを顕在化させたときには結果として市場規模が莫大に広がるよっていうときなのです。
■厚くて広いビジネスもある
ちなみに極稀にですが厚くて広いビジネスがあります。私の知る限りでは3つくらいではあるのでちょっと上げておくと自動車、住宅、生命保険の3つです。
自動車は全世界で6,300万台/年(2008年、ググりましたのでソースはあれです)くらい売れていてさらにそれが伸びているというすごい市場です。平均すると100万円/台くらいなのかもしれませんが、6,300万台×100万円というのがいくらになるのか計算したところ私の電卓の桁では足りないビジネスということがわかりました(約63兆円?)
しかも買い替えサイクルがあるので一生涯で一人が何台も買うというのがこのビジネスのすごいところ。
住宅は一生の買い物といいますが、2011年度の日本の新設住宅着工件数は約84万戸(国土交通省調べ)。1戸あたり土地込みで3,000万円と乱暴に平均をとってしまって全部が売れると仮定すると、これもまた電卓の桁がたりないビジネスになりました。(年間で約25兆円くらい)
建て替えたりということもあるので、これもまた数十年サイクルで買い替えなどもあったりでこれまた安泰な市場かなと。
そして最後が生命保険。もしものときのために入っておこう生命保険。ということで残された家族のためにとかいろいろな加入理由はあると思いますが公益社団法人生命保険文化センターというところの調査で、個人年金なども含めてだいたい1世帯あたりで年間45万円くらい支払っているという調査がありました。調査としては90%くらいの世帯で生命保険に入っているという統計もあるので、この市場規模はすごいなと思うのと、生命保険は1年だけ払うものではなく何十年も払い続けるわけだからとんでもない金額になるなということで、そりゃ節約番組の家計見直しで真っ先に見直しの対象になっちゃうよなと。
こうした厚くて広いビジネスというのはおいそれと出てくるわけではなく、一人の起業家がなんとかできるものでもないわけですが、これからこういったビジネスになる可能性があるのは家庭用(ネコ型に限らず)ロボットとロケット(宇宙)くらいじゃないかなと思っていたりしますが、ウェブサービスでこれに匹敵するビジネスを作れるならば、基本的にコストがかからないですからそれこそヤバいくらい儲かるビジネスになるハズです。
そういう意味で一番近いところにいるのはAppleとGoogleですかね。
Googleの2011年の決算を調べたところのRevenuesが37,905百万米ドル(約3兆円)で、Net incomeが9,737百万米ドル(約7,800億円)という感じでヤバいくらい儲かっているなということでございます。
ちなみに間違って最初に見てしまった2010年のAnnual Report(PDF)の表紙がシャレてましたので、一目見るといいかもしれません。
あ、それでもGoogleは厚く広くではなく薄くとっても広くということなのかな。
■ビジネスを作っていく上で考えたいこと
私がビジネスプランやサービスを検討するときには、B向けでもC向けでも何人のお客さんが年間いくら使ってくれるのか。そしてその最大値ってどのくらいなのかというビジネスのポテンシャルを考えています。
そしてビジネスプランやサービスのポテンシャルが、実現はできるだろうけどどんなにがんばっても年間売上数億円が限界だなと思うサービスよりかは、実現するためにはとってもいい戦略をいいチームがすっごいがんばると年間売上100億円を超えるくらいのポテンシャルがあるかもって感じるサービスの方がワクワクします。(もちろん100億円にとどまらず1000億円とか1兆円とかいけるようなサービスですとマーベラスというかヤバいって感じでドキドキしちゃうものです)
なぜかというと投資家としてはリターンを考えてリスクを取ります。そしてポテンシャルが大きければ大きいほどうまくいったときのリターンは高くなるからこそ、リスクを取ろうと思いやすくなるのです。
なお、ビジネスを作っていく上で経営者として自社ビジネスのポテンシャルを理解した上で、顧客獲得と一人当たり売上高の最大化のどちらを優先するかを適宜考えていく必要があることを最後に補足しておきたいと思います。
というわけで、ドキドキするようなビジネスプランを持っているかたやワクワクするようなサービスをやっている方は絶賛お話したい毎日でございますので、CoffeeMeetingでミーティングを設定したときなどはお気軽にぜひ。
※ちなみにCoffeeMeetingでは”いつかお茶したい”ボタンを押しておくとミーティングが設定された際に通知がいく仕組みなので、私のページにあるボタンを押しておくと便利です。
ということで今回はここまで。では、また次回。
※このブログの更新情報を素早く知りたい方はTwitterアカウントの@maru0のフォローを。
今日のマルキューレ「Yahoo!プレミアム会員費が値上げからマッハ6の超音速機実験までいまおさえておきたいトピックス(8月16日)」でとっても大事なお話だと思ってトップで取り上げたけど、意外とみんな気にしていない感が強かったので、Yahoo!プレミアム会員費が値上げというニュースがビジネスを作っていく上で売上をどう作るかということの基本となる話なので掘り下げつつ、ビジネスの持つ潜在的な広がり(これをポテンシャルと言っておきましょう)の捉え方について書いてみつつヤバいくらい儲かるビジネスを考える上で必要なことにうまくまとまったらいいなと思っています。
■Yahoo!プレミアム会員費の値上げに思う
Yahoo!プレミアム会員費が値上げ、月額399円に
今回の記事のきっかけとなったニュースはこちらですが、現在は346円/月の会員費を10月から399円/月に53円値上げするというもの。
なんだよ月額53円なんてたいしたことないなと思った方は置いておいて、みなさんおわかりのとおり
今回の値上げは実に15%もの値上げ
になるのです。
もちろん値上げに見合うようにサービスの拡充を考えているようでヤフーのプレスリリース「「Yahoo!プレミアム」会員特典のさらなる充実と会員費の改定について」によると
■会員費の改定に伴い提供する主な特典(予定)
‐Yahoo! JAPAN JCBカードへの入会で、会員費が最大9カ月無料(近日開始)
‐毎月、人気の映画、話題の海外ドラマを無料配信
‐全国有名店での飲食・宿泊の割引を実施
‐ゲーム・占い・学習など50種類以上のサービスを無料提供
ということみたいですが、これをお得と思うかどうかはそれぞれユーザーの主観によるところが大きいかなと思いますが、たぶん今回の値上げで離脱する人は少ないでしょう。
だって月に53円しか値上がりしないんですから。
ユーザーにとっては53円って何が買えるんだろうってくらいな値上げなので
むしろドラマとか映画が無料配信されて、
有名店の割引とか増えたらお得じゃんって思うかもしれません。
一方、事業者から考えると1ユーザーあたりの負担は僅かでも15%も収益が増える
しかも特典で有名店の割引を実施って送客支援になるしな。みたいな話もあったりと
プレミアム会員数は2012年6月末時点で786万ID。ちなみに去年の6月末時点が772万ID(出展:IR資料)なので、1年間に14万IDも増えているというすごいサービスでもあるわけです。
ここで収益面で考えると、現在の786万IDで約27億円(税込)/月の売上なので、なんと年間約326億円(税込)の売上が上がっているわけですから驚異的。
いやー、原価ってなにがあるんだっけ?みたいなお話ですから。驚愕としかいいようがない。
しかも1年間に14万IDが増えているってことは年間約5.8億円(税込)くらいの売上純増なわけですから、デフレの時代にいやはやすごいなと。
今回の価格改定(=値上げ)後に会員数が純増減しないと仮定すると年間で約50億円(税込)くらいの売上増となるわけで、サービス拡充したといっても送客支援みたいなものもあるので実際の原価はどこまで増えているの?みたいなところはあるので、広い顧客基盤を持っているということの強みだなと思うわけです。
■顧客は誰で、いくら払ってくれるの?
ビジネスを作る上で重要なことは顧客が誰かということと、いくら払ってくれるの?
っていうこの2つに尽きると思います。簡単な式にすると
売上 = 顧客数 × 一人あたり売上高
そんなの知ってるよ。当たり前だろって思っている方々も多いと思いますが
これを理解して経営出来ている人って意外と少ないなという印象もあったりします。
1つのサービスの売上高が100億円いくためのアプローチはいくつかありますが
これを思いつけますか。というお話です。
極論すれば、いまの地球上で可能なアプローチとしては
50億人から年間2円/人をもらうサービスから1人から100億円/人・年をもらうサービスまで
の間のどのあたりでアプローチするかということになるわけです。
言い換えるならば、
薄く広くから売上をあげていくか
厚く狭くから売上をあげていくか
という選択をすることに他なりません。
■薄く広くのビジネスとは
ヤフーのように薄く広くから売上をあげるサービスは
1顧客あたりの単価をコントロールできると
非常に収益性を高めることが可能です。
50億人から2円/人が3円/人になっただけで50億円の増収です。
しかしこれをやるには、とてつもなく多くの人からお金をもらうための仕組みを用意しなければならないという至極ごもっともな超高いハードルがあるわけですが、だれしもが一度はあこがれるビジネスではあります。
ちなみに近年で一番この成長した薄く広く系ビジネスは携帯電話サービスであることは、賢明な読者のみなさんならもうお分かりかと思っています。
逆にいうとインフラに近いサービスにならなければ薄く広くモデルのビジネスにはなりえないということがわかるかと思います。
ま、ネットサービスでいえばヤフーはヤフーオークションがありますし、楽天には楽天市場があるということかなと。
ちなみに楽天市場は直近四半期のユニーク購入者数は1,200万人もいて注文件数は5,000万件にも上るサービスになっていて出店数も約4万店に上っています。(月商100万円の店舗でだいたい7~9万円くらいが楽天の売上になるらしいのでこれもまたバカでかい規模のサービスだなと思うわけです)
つまり楽天はBから薄く広くも取れているということでB向けでも厚く狭くでなくてもいいということかなと。
蛇足ですが、貯金がしやすい人は毎月の出費は少ないけどというものをずばずば削っている人が多いです。月額300円のサービスに3つ入ったら年間1万円超の出費になるということを意外と人は忘れがち。少額だからこそ年額換算して本当に享受すべきサービスかどうかを考えるといいと思います。
■厚く狭くのビジネスとは
一方で厚く狭くという例の典型はなんだろうなーといろいろと考えたのですが、純粋なネットサービスでいい例が浮かびませんので、ちょっと離れて上場していて数値が見えやすいということで結婚相談サービスを提供する「ツヴァイ」を例にとってみましょう。
同社の2012年2月期決算説明会資料(PDF)によると
売上40億円(4.9%増)で期末会員数3.6万人(2.2%増)という感じなので、単純計算で年間一人あたり売上高11万円近くになるサービスであると。
結婚相談サービスは妙齢の未婚男女のうちの結婚したいという気持ちが強い人のみが主たるターゲットととなるサービスです。
そう考えると潜在的なユーザー数にはおのずと限界があることはすぐにわかるはずです。ここで薄く広くのサービスをはじめたところで対して儲からないということはわかるはずです。
そうなったときに経営陣としては一人当たり売上高を高い水準にする必要と、少ない潜在ユーザーを可能な限り多くとるためにどうしたらよいかということを考えなくてはならないわけです。
ビジネスプランの立て方として、こういった市場において薄く広くやることで価格面での競争優位性をもって勝ちぬきますという作戦がありますが、
例えば年間一人当たり売上高5,000円と設定した場合に10万人の有料会員を獲得できても年間5億円のビジネスにしかならない。
ということを考えなければなりません。
こういった戦略が通用するのは、潜在的なユーザーのニーズは莫大だけど、価格が高すぎて利用できているのは一部の人たちだけという市場において、低価格で提供しても莫大な潜在ユーザーを顕在化させたときには結果として市場規模が莫大に広がるよっていうときなのです。
■厚くて広いビジネスもある
ちなみに極稀にですが厚くて広いビジネスがあります。私の知る限りでは3つくらいではあるのでちょっと上げておくと自動車、住宅、生命保険の3つです。
自動車は全世界で6,300万台/年(2008年、ググりましたのでソースはあれです)くらい売れていてさらにそれが伸びているというすごい市場です。平均すると100万円/台くらいなのかもしれませんが、6,300万台×100万円というのがいくらになるのか計算したところ私の電卓の桁では足りないビジネスということがわかりました(約63兆円?)
しかも買い替えサイクルがあるので一生涯で一人が何台も買うというのがこのビジネスのすごいところ。
住宅は一生の買い物といいますが、2011年度の日本の新設住宅着工件数は約84万戸(国土交通省調べ)。1戸あたり土地込みで3,000万円と乱暴に平均をとってしまって全部が売れると仮定すると、これもまた電卓の桁がたりないビジネスになりました。(年間で約25兆円くらい)
建て替えたりということもあるので、これもまた数十年サイクルで買い替えなどもあったりでこれまた安泰な市場かなと。
そして最後が生命保険。もしものときのために入っておこう生命保険。ということで残された家族のためにとかいろいろな加入理由はあると思いますが公益社団法人生命保険文化センターというところの調査で、個人年金なども含めてだいたい1世帯あたりで年間45万円くらい支払っているという調査がありました。調査としては90%くらいの世帯で生命保険に入っているという統計もあるので、この市場規模はすごいなと思うのと、生命保険は1年だけ払うものではなく何十年も払い続けるわけだからとんでもない金額になるなということで、そりゃ節約番組の家計見直しで真っ先に見直しの対象になっちゃうよなと。
こうした厚くて広いビジネスというのはおいそれと出てくるわけではなく、一人の起業家がなんとかできるものでもないわけですが、これからこういったビジネスになる可能性があるのは家庭用(ネコ型に限らず)ロボットとロケット(宇宙)くらいじゃないかなと思っていたりしますが、ウェブサービスでこれに匹敵するビジネスを作れるならば、基本的にコストがかからないですからそれこそヤバいくらい儲かるビジネスになるハズです。
そういう意味で一番近いところにいるのはAppleとGoogleですかね。
Googleの2011年の決算を調べたところのRevenuesが37,905百万米ドル(約3兆円)で、Net incomeが9,737百万米ドル(約7,800億円)という感じでヤバいくらい儲かっているなということでございます。
ちなみに間違って最初に見てしまった2010年のAnnual Report(PDF)の表紙がシャレてましたので、一目見るといいかもしれません。
あ、それでもGoogleは厚く広くではなく薄くとっても広くということなのかな。
■ビジネスを作っていく上で考えたいこと
私がビジネスプランやサービスを検討するときには、B向けでもC向けでも何人のお客さんが年間いくら使ってくれるのか。そしてその最大値ってどのくらいなのかというビジネスのポテンシャルを考えています。
そしてビジネスプランやサービスのポテンシャルが、実現はできるだろうけどどんなにがんばっても年間売上数億円が限界だなと思うサービスよりかは、実現するためにはとってもいい戦略をいいチームがすっごいがんばると年間売上100億円を超えるくらいのポテンシャルがあるかもって感じるサービスの方がワクワクします。(もちろん100億円にとどまらず1000億円とか1兆円とかいけるようなサービスですとマーベラスというかヤバいって感じでドキドキしちゃうものです)
なぜかというと投資家としてはリターンを考えてリスクを取ります。そしてポテンシャルが大きければ大きいほどうまくいったときのリターンは高くなるからこそ、リスクを取ろうと思いやすくなるのです。
なお、ビジネスを作っていく上で経営者として自社ビジネスのポテンシャルを理解した上で、顧客獲得と一人当たり売上高の最大化のどちらを優先するかを適宜考えていく必要があることを最後に補足しておきたいと思います。
というわけで、ドキドキするようなビジネスプランを持っているかたやワクワクするようなサービスをやっている方は絶賛お話したい毎日でございますので、CoffeeMeetingでミーティングを設定したときなどはお気軽にぜひ。
※ちなみにCoffeeMeetingでは”いつかお茶したい”ボタンを押しておくとミーティングが設定された際に通知がいく仕組みなので、私のページにあるボタンを押しておくと便利です。
ということで今回はここまで。では、また次回。
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