算数障がいの子どもたちへの支援
現在、YCC(安原こどもクリニック)こども教育研究所で、教育支援ソフトの研究開発以外に保護者対象の学習支援相談と子ども対象の個別の学習支援を担当しています。
個別の支援は、教科学習の土台となる認知トレーニングと算数の学習支援を中心とする内容になっており、個別の支援を受けるために遠くは姫路や兵庫から2時間近くの時間をかけて研究所に通っている子ども達もいます。また、学習支援相談には、他府県、遠くは関東から来てくださる保護者の方もおられます。遠距離から来られる場合、頻繁に来所していただくことが困難なため、教育支援ソフトCDとその解説書をお渡しするようにしています。
左の写真は、教育支援ソフト「入門期の数」の解説書です。算数の学習につまずきをみせている子どものために開発した支援ソフトの解説書で、学習支援相談に来られた多くの保護者の方が持ち帰られています。
算数の学習につまずきをみせている こどもの中には、視覚認知の弱さのために数を「まとまり」として捉えることが困難であったり、ワーキングメモリの容量が少ないために数のまとまりを記憶に留めておくことが困難であったりするこどもが少なからず存在します。また、計算はできるのですが、計算をパターンで覚えてしまっていて具体物で示された問題や文章題が解けないという子どもの中にも、数をまとまりとしてイメージできていない子どもがいます。
数をまとまりとして捉える力の弱さが、足し算や引き算の考えや繰り上がりや繰り下がりで必要な十進位取り記数法の考え、かけ算や割り算の考えなどの理解を困難にしているのです。
「入門期の数」では、無理なく数をまとまりとして捉えることができるように《数をかぞえよう》 《よく聞いて数字を選ぼう》《よく見て数字を選ぼう》《個数を覚えよう》など30のソフト用いスモールステップでの課題設定をしています。最初は、指を使いポインティングしならがら数を口で唱えないと課題ができなかった子どもが、スモールステップで課題をおこなうことで、5まで、子どもによっては7まで瞬間的に数をまとまりで捉えられるようになってきます。
今回公開する《個数を覚えよう》は、ワーキングメモリを使う課題にもなっており「入門期の数」の中でも最重要課題になっています。
ダウンロード→個数を覚えよう5までケーキ 個数を覚えよう7までケーキ
支援の留意点:最初は、ポインテイングや外言があってもできたことを褒めてあげて、安定してできるようになったら、「指を使わないで目で数えてみよう」と声かけをして、しっかりと視覚を使うことを意識させます。このとき外言があってもかまいませんが、最終的には、数を口に出さないで課題ができるように声かけをします。
※最終画面左下隅に表示される灰色の数字は、課題を全ておこなうのに要した時間を
表しています。
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