Updated: Tokyo  2014/12/08 13:47  |  New York  2014/12/07 23:47  |  London  2014/12/08 04:47
 

衆院選勝利ならアベノミクスに信任、成長戦略を推進-世耕氏 (1)

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  12月8日(ブルームバーグ):衆院選投開票日の14日まで1週間を切った。世耕弘成官房副長官は今回の選挙で自民、公明の連立与党が勝利すれば経済政策のアベノミクスなど安倍晋三政権の進めてきた政策が国民から信任されることを意味し、成長戦略などで改革を前進させることができるとの見解を示した。

5日に首相官邸で行ったブルームバーグ・ニュースとのインタビューで語った。世耕氏は「安倍政権に対して信任をいただくというのが今回の選挙の重要なポイント。もし信任をいただいたという結果が出れば、安倍総理は第3の矢を力強く推し進めていく、改革をぐっと前へ進めていくパワーを得ることになる」と語った。

その上で世耕氏は、市場関係者から見ても「ここらへんの改革はどうなんだろうという分野が力強く、そして早く進むということになる」と語ったが、具体的な分野に言及しなかった。

毎日新聞は8日付朝刊に掲載した中盤情勢によると、自民党は小選挙区、比例代表で計300議席を上回る勢いで、公明党と合わせた連立与党だけではなく、自民党単独での衆院(定数475)の3分の2超えも視野に入っている、と報じた。民主党は公示前の62議席を上回るが、小選挙区、比例ともに小幅の伸びにとどまりそうだ、と分析した。共同通信が4日配信した序盤情勢も、自民党が300議席を超す勢いと報道した。

政策コンサルティング会社「政策工房」社長の原英史氏は今後の成長戦略は農業、労働、医療などの「岩盤規制」を「いかにこれから具体化できるかということ」が課題となるとの見方を示している。  

経済対策

世耕氏は衆院選後の政権の課題について「経済対策を取りまとめることが1番最初の仕事になる」と指摘。策定時期については「なるべく早く作るということになる。年内というのは1つのターゲットだと思う」と語った。補正予算の規模に関しては選挙後に最終判断する方針を示した。

自民党は衆院選の政権公約で、「総選挙後、速やかに経済対策を断行」する方針を示している。

民主党は政権公約(マニフェスト)でアベノミクスの一環として日本銀行が行っている異次元緩和は「急激な円安、物価高、実質賃金低下を招いた」と指摘。これに対し、安倍首相は7日昼、東京都内での街頭演説で、円安で影響を受ける中小企業などへの対策に取り組む考えを示した上で、「民主党政権時代の円高に戻っていいはずはない」と反論した。

内閣府が8日発表した7-9月期の国内総生産(GDP)改定値は、物価変動の影響を除いた実質で、前期比年率1.9%減と、速報値(1.6%減)から下方修正された。

民主党の福山哲郎政調会長は同日、GDP下方修正について「今やアベノミクスの破たんは誰の目にも明らかである」とのコメントを発表した。

憲法改正

衆院選では安全保障政策も争点になっている。自民党は政権公約で、集団的自衛権行使を一部容認する7月1日の閣議決定に基づき、「平時から切れ目のない対応を可能とする安全保障法制を速やかに整備」する方針を記述。民主党はマニフェストで、この決定は「立憲主義に反する」として撤回を求めている。

世耕氏は12月5日のインタビューで、安全保障など経済以外の政策については「今やるべき政策はこの2年間で全部、提示している。いろんな政策を提示しているので選挙で信任を得ることになればそれらはきちんと進めていくことに尽きる」と語った。

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 高橋舞子 mtakahashi61@bloomberg.net;東京 Isabel Reynolds ireynolds1@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先: Andrew Davis abdavis@bloomberg.net;大久保義人 yokubo1@bloomberg.net 淡路毅

更新日時: 2014/12/08 10:40 JST

 
 
 
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