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[FT]「イスラム国」戦士、西側の菓子やめられない

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2014/12/8 7:00
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 ジハード(聖戦)を行う過激派は、戦線での休憩中に何を欲しがるのだろうか? 前線で人気がある食べ物の一つはポテトチップス「プリングルズ」だ。エネルギー飲料の「レッドブル」も人気がある。

ラッカの町を行進する「イスラム国」の戦闘員。同組織の運営するウェブサイトに掲載された=AP
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ラッカの町を行進する「イスラム国」の戦闘員。同組織の運営するウェブサイトに掲載された=AP

 シリアに殺到した何千人もの外国人戦闘員は、過去を思い出させる禁欲的なイスラム国家を建設したいと思っている。だが、軽蔑している西側諸国にある現代のお菓子や機器への嗜好は捨てていない。

 残忍な集団処刑や斬首を使って独自の規則を住民に課すこうした戦闘員を恐れて地元の住民たちは暮らしている。それだけではなく、3年間の内戦が招いた経済危機を生き延びる方法を見つけようともしている。最善の戦略は、戦闘員たちを嫌いながらも、彼らの嗜好に応じて商売することだと多くの人は話す。

 ポテトチップス、チョコレート、エネルギー飲料、そしてノンアルコールビールは、シリアとイラクの広大な地域に勢力を拡大した過激派武装組織「イラク・シリアのイスラム国(『イスラム国』)」のために戦う多くの外国人に好まれるおやつだ。同組織はイスラム教の預言者ムハンマドの時代をまねたカリフ制国家を築いていると主張する。

■制圧都市の経済、一変

 「イスラム国」の宗教的布告と外国人戦闘員の嗜好は、「イスラム国」の支配地域の地元経済を一変させている。アルコールを売る店が廃業する一方で、ジャンクフードの売店や洋品店――特にミリタリー風の衣料品を扱う店――、携帯電話の販売店は多少の利益を上げている。

 「『イスラム国』の支配地域の経済は今、外国人戦闘員によって動かされています。それ以外はすべてゼロですよ」。シリアの中核都市ラッカで衣料品店を営むサレさんはこう言う。

 シリア東部の農村地帯では、多くの店主は、「イスラム国」の外国人戦闘員がやって来るまで、レッドブルのようなエネルギー飲料など聞いたこともなかった。また、東部の都市デリゾールの業者は、「スニッカーズ」や「バウンティ」――欧州や湾岸諸国出身の過激派に人気のチョコレートバーのブランド――を売るなどと考えたこともなかった。

 「こうしたお菓子は知られていなかったか、私たちには買えないぜいたく品だった。でも、戦闘員たちに頼まれたときに質問なんかしませんでしたよ。仕入れ先に駆け込んで、発注しました」。身の安全のためにナシムという仮名を使うある店主はこう話す。「プリングルズとスニッカーズ? 連中は戦線で分け合うために箱ごと買っていきます」

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