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世界の一巡 成功と失敗 【ジョジョの奇妙な冒険第6部】
ライター:okityunnmannさん(最終更新日時:2014/3/18)投稿日:2012/3/10 アドバイス受付中!
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このノートではジョジョの奇妙な冒険第6部-ストーンオーシャンの終盤でプッチ神父が完成させたスタンド『メイド・イン・ヘブン』について、一巡後の世界にまつわるあれこれやラストのガソリンスタンドの場面といった話の流れも踏まえながら解説したいと思います。
「6部の最後の方がわからない」という方の参考になれば幸いです。
『メイド・イン・ヘブン』
プッチ神父が緑色の赤ん坊と融合し、場所など特定の条件を満たすことで完成させたスタンドです。
~スタンドステータス~
破壊力 - B / スピード - 無限大 / 射程距離 - C
持続力 - A / 精密動作性 - C / 成長性 - A
~能力~
『メイド・イン・ヘブン』は重力などの様々な要因によって時間を加速させることができます。
この速まった時間の流れの中で自由なのはプッチ神父(と神という概念)だけだと作中で説明されていました。
プッチ神父は時の加速中に『運命』の影響を受けず、彼だけが『運命』を変えることが可能なのです。
※無生物も加速についていけますが、時間の影響を受け変わって行くので神父の様に自由ではありません。
加速について行けるプッチ神父は、他から見ればとんでもないスピードで動ける事になります(逆にプッチ神父から見ると周囲の生物は異常に遅く見えます)。
仮に加速が30倍の状態でプッチ神父が時速20kmで走ると、他の人には 30×20=600km/時 くらいの速度に見えます。
さらに、時は時間を追う程にドンドン加速して行きます。
加速が相当に進んでしまうと神父の動きを追うことすらできず、いつ攻撃されるかさえもわからなくなります(承太郎も時を止めるタイミングがわからなくなっていました)。
神父への攻撃はまず当たりませんし、奇襲をかけても神父からするとあまりに遅いため全く不意を撃てません。
この様に、戦闘において絶大な威力を発揮する能力です(長所は短所の弱点もありますが利点の方が圧倒的、さすがDIOが目指した能力です)。
加速の進行に合わせて周囲の生物は動きが遅くなっていくので、次第に時止めと似た効果を得ていきます。
ある意味で持続的な時止めですから、DIOが3部で言っていた「長く時間を止めて行きたい」という欲望を神父が実現させた形になっています。
【世界の一巡】
しかし、時の加速は単純な戦闘目的の能力ではありません。
極限まで時を加速させ、ある点(特異点)まで到達することで、時計の針が一周すると同じ位置に戻って来る様に世界全体を一巡させる能力です(一度世界を終わらせて、よく似た2周目を創造します)。
一巡後の世界(天国)創造に伴う生物のあり方には、元の世界とは異なった幾つかの法則があります。
[Ⅰ]一巡後の世界への移動は全生物が対象ですが、特異点の前に死んだ者は含まれません。
[Ⅱ]二巡目の世界へ行くことができなかった死人は、よく似ている別人が歴史に影響が無い様に現れ、その人のキャラを代替することになります。
※二巡目の刑務所で出て来た、徐倫や承太郎によく似た彼等がそうです。
[Ⅲ]これが(プッチ神父にとって)最も重要な法則ですが、全ての人類は一巡する前の世界の出来事を(精神が)記憶しています。
一巡した世界でもその出来事は起きる『運命』である為、二巡目の世界では未来の出来事があらかじめ起こる前に判るのです。
あらかじめ未来を知ることによって、人類は『運命』に対して『覚悟』する事ができる、と神父は考えました。
そして『覚悟』こそが幸福で、そうなることが『運命』の克服に繋がるとも。
※幼い頃から『運命』に翻弄され、妹を失った事でその克服に奔走したプッチ神父らしい考えです。
よって「先のことが分かる世界=一巡後の世界=天国」という風に神父の望む世界になるわけです。
さらに、信仰を持つ神父は人類全体に彼の言う幸福を共有させようとしました。
※一見すると、良い事づくめで神父は正しい様にも見えます。
しかし、この考えはあくまで神父の個人的な思想です。
それを人類全体に押し付けた上に、目的達成のために人を平気で利用し踏みにじり、殺人を犯しても小さな犠牲と言い切りました。
ほぼ誰もが危険な思想と感じるでしょう。
けれど、プッチ神父はどこまでも自分の行いを正しいものと認識していました。
彼の実弟ウェザーは「自分で悪と気付いていない最もドス黒い邪悪」と評価しています(マックイイーンに似たようなことを言ってた神父には皮肉な言葉です)。
【一巡の成功と失敗】
ところがどっこい、神父の悲願であった世界の一巡による『天国』創造は完成を目前にして失敗します(正確には失敗させられた)。
どういう事かというと↓
世界の一巡が完全に終了するのは神父が時を加速させ始めたケープ・カナベラルの時点です。
神父は一巡後の世界に因縁は持ち越さないようエンポリオを始末しようとしましたが、その際に時の加速を止めた刑務所の頃は特異点を過ぎた 「二巡目」ではありますけど、ケープ・カナベラルより前であるため「一巡後」ではありません。
因縁を断ち切ろうという神父の目論見は上手く行かず、逆に純酸素でエンポリオに倒されました。
※加速状態の神父はエンポリオより呼吸回数が多くなるためよりダメージがあったはずです。
ここで、エンポリオを始末するのに有利に働くハズだったルールが裏返って天国の創造にマイナスに働きます。
本来なら「刑務所で神父が死ぬ」などという『運命』はありません。
しかし「神父は時の加速中に『運命』の影響を受けず、『運命』を変える力を持つ」ルールで死ぬ事になりました。
加速中『運命』の外にいる神父には、死んだとしても代替キャラが現れて代わりをやってくれるなんて事もありません(ルールが裏目、長所は短所)。
すると、ケープ・カナベラル以前で神父が消えたことで〝プッチ神父がケープ・カナベラルで世界の一巡を始める"という一巡が完了する運命までたどり着けません(矛盾が生じてしまいました)。
その為「世界の一巡」は完了しない事になります。
プッチ神父の悲願は完成目前にしてコケてしまいました。
一巡が行われたことに違いはありませんが、神父が望んだ天国創造において重要な『運命』の輪が完結することはなかったのです。
そして一巡後の世界(天国)とは別物のパラレルワールドを生み出すことになったのです。
※神父が完全に一巡する前に加速を止めた理由は神父(自分)は時の加速中に『運命』の縛りを受けないがエンポリオは『運命』の縛りを受けることを利用しようとしたからです。
刑務所の時点ならば神父が自由に動けて、なおかつ、エンポリオの行動に制限があった為、時の加速も相まって神父に圧倒的有利な状況でした。
これが一巡後だと神父の『運命』も決定してしまい、エンポリオとの関係がどうなるかは『運命』次第という事になります(もしかしたらエンポリオに殺される『運命』かもしれませんが、仮に一巡後に殺されたとしても『運命』は決定しているので世界が完全に一巡した事実に変わりはありません)。
要は世界を一巡させつつ、エンポリオを始末することで因縁を断ち切って、一巡後の憂いを除こうと欲張ったのです(結果的に自分は死んで『天国』創造も失敗の良い所なし)。
※※二巡目の刑務所でエンポリオは自らや仲間の事を「正義」と言い表しました。
それは神父を「悪」とおいた対義的な表現であり、「正義の道」を歩む事こそ『運命』であるというエンポリオの主張は(『運命』を克服しようと努力してきた)神父のこれまでの行いを全否定するものです。
神父が死に際に激高したのも無理からぬ事だと思います。
ポイント
世界の改変という点で
世界の一巡は成功しましたが
天国を目指すという点では失敗に終わりました
※私の長くて説明下手な文章で頭が痛くなった方はここで素数でも数えながら一息入れてください。
【ガソリンスタンド】
6部ラストでエンポリオが飛ばされたガソリンスタンドが、先述したパラレルワールドになります(この世界の過去が7部と考えても面白いかもしれません)。
なぜガソリンスタンドの世界が一巡後の天国ではないのかというと↓
・徐倫とも2巡目の代替キャラとも別のアイリンたちがいる
・アイリンやアナキスが生きていて、犯罪者でもない様子
※仮にガソリンスタンドの時点が一巡後の天国だとすると、”ケープ・カナベラル"より前なら徐倫たちは刑務所か他で戦闘中ですし、"ケープ・カナベラル"以後なら死んでいるため存在しません(代替キャラも同様)。
・エンポリオと初対面
などの描写を見る限りでは歴史が変わっています。
一巡目(元の世界)をそっくりなぞる一巡後の天国でこれはありえません。
よってガソリンスタンドは一巡後(もしくは二巡目)の天国ではありません。
※荒木先生がSBRを一巡後の世界と表現することが時たまありますが、おそらくそれは(天国という意味ではなく)単に世界の一巡を行った結果生まれた世界と仰りたかったのだと思います。
仮に7部が天国であったなら1部とそっくりになる必要があるハズです。
ポイント2
- 6部ラストの一巡後の世界には
- 神父の目指した運命のわかる天国と
- パラレルワールドの2種類がある
ポイント3
世界の種類と主人公格
元の世界→徐倫
2巡目の天国→蜂印の代替キャラ
パラレルワールド→アイリン
話の流れをまとめます。
①プッチ神父が”ケープ・カナベラル”で時を加速させ始める。
エンポリオを除く主人公パーティを殺害。
②極限まで時が加速し一度宇宙が終焉を迎えた後、新たな宇宙が生まれ二巡目を迎える。
二巡目の世界は元の世界と密接に関係。
そして生物たちも二巡目の世界へ(死人の承太郎や徐倫は代替キャラが登場)。
元の世界と同じ歴史をなぞり、人類は未来がわかる。
この二巡目には、一巡開始(もしくは加速中)の時点で死んでいない限り、仗助やジョルノ、ジョセフといった歴代ジョジョも存在していた(時の加速中も原稿を上げていた露伴先生は2巡目の世界へ行けたことでしょう)。
③プッチ神父がエンポリオを始末しようと刑務所で時の加速を止める。
④プッチ神父の死亡で世界の一巡(天国完成)が失敗。
⑤パラレルワールド誕生。
神父が始めた一巡の結果生まれた別の世界。
元の世界とそれほど関係がない。
歴史は変わっており、人類は未来がわからない。
仗助たちが存在するかは疑問(おそらくいない、露伴先生も4部の岸部露伴そのままの人ではない)。
⑥エンポリオがパラレルワールドへ飛ばされる。
→そしてガソリンスタンドへ
歴史が変わっている所をみると、エンポリオ以外に元の世界の人はパラレルワールドにいない可能性が高いです。
主人公パーティがエンポリオを残して全滅し、世界そのものも変わった6部のこの終わりはハッピーエンドではないのかもしれませんが、アイリン達は幸せそうでした(元の世界では恋人が元で身持ちを崩したアイリンとアナキスが一緒になるという印象的な場面)。
DIOとの因縁が無いジョースター家のあるべきだった姿を代わりに表している様に思います。
これまでのあらゆる因縁・歴史はまっさらな新世界の露となり、全ては別の始まりと終わりを持っているのです。
そうして、例え世界が変わって自らのことを知らない彼女たちだとしても、少年はかつての仲間たちと再会できました。
そう、彼の名前はエンポリオ。
読者だけが知っています。
彼が何者であるかを。
徐倫からジョースターの黄金の精神を受け継いだ小さな英雄。
新世界での一幕では、彼は失なわれたものに再び出会った様で、けれどもやはり戻らないという事実を突きつけられた諸々の感情が目から溢れ出た気がします。
願わくば、エンポリオと『彼女ら』に新たな絆が生まれますように。
【最後に】
パラレルワールドという題材は7部へ色濃く受け継がれていきます。
無数にある並行世界には私たちが慣れ親しんだ6部までの「ジョジョ」と変わらない世界があるかもしれません。
以上が私の解釈になります。
最後まで読ん下さった方にグラッツェ!
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