衆院選中盤情勢:風なき圧勝ムード…本社調査

毎日新聞 2014年12月08日 07時01分

野党共闘194選挙区の情勢
野党共闘194選挙区の情勢

 自民圧勝の情勢を受け、複雑なのが公明党だ。解散前の31議席からの積み増しを見込むが、党幹部は「比例は楽観できない」と語る。小選挙区で自民党候補者の勝利が確実な場合、公明票への依存度が下がる。「選挙区は自民、比例は公明」というバーターが機能しないとの懸念が出ているのだ。関東の比例候補陣営幹部は「自民党が『当選は堅いから公明党はどうでもいい』となるのが怖い」と漏らす。

 「与党統一候補」として候補を擁立した9小選挙区すべてで堅調な戦いを展開する同党は、9日に幹部会議を開き、終盤戦は比例票の上積みに全力を挙げる方針を確認する予定だ。【影山哲也、高本耕太】

 ◇民主へ拒否反応強く

 野党は、民主党が伸び悩み、維新の党など「第三極」は議席を減らすと見られる。一方で、共産党は安倍政権批判で存在感を高めており、明暗が分かれた。民主党や維新の党などが今回衆院選の勝利の「秘訣(ひけつ)」と考えていた候補者調整は多くの選挙区で奏功していない。

 前回2012年の衆院選では、非自民候補が競合し共倒れになった反省から、原則全選挙区に候補を擁立する共産党を除き、民主、維新、次世代、生活、社民の5党は候補者調整を進めた。一本化できた選挙区は前回の64から194まで大幅に増加したが、野党候補が自民をリードするのは約40選挙区にとどまる。多くは前回も同じベテラン候補が勝利した「安定区」で、自民からひっくり返し、本来の意味で調整が奏功したと見られる選挙区は約10選挙区のみだった。

 民主、維新の両党には当初、調整が進めば非自民票の受け皿になれるとの期待感があった。だが、情勢調査が示すのは、競合区の解消以前に、民主党へのアレルギーの強さだ。同党関係者は「執行部には、揺り戻しで議席が回復できるとの甘い見通しがあったのではないか」と指摘する。民主党政権3年への有権者の評価は依然として厳しく、党内からは「共闘作戦は誤算だった」との声も漏れる。

 民主党の枝野幸男幹事長は7日、東京都内の街頭演説で、「選挙が終わって300対50で頑張れと言われても、国会の中は多数決なので限界がある」と危機感をあらわにした。民主党は戦略を見直し、地盤の北海道や愛知県に加え、都市部などに重点選挙区を絞り幹部を送り込む方針だ。維新の党は、他の野党への批判を強め、独自性をアピールしようとしている。

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