7-9月期実質GDPは年率1.9%減に下方修正-予想下回る
12月8日(ブルームバーグ):7-9月期の国内総生産(GDP)は物価変動の影響を除いた実質で、前期比年率1.9%減と、速報値(1.6%減)から下方修正された。市場予想も下回った。設備投資と公共投資が下方修正されたことが全体を押し下げた。
内閣府が8日発表した同期のGDP改定値は、前期比0.5%減と速報値(0.4%減)から下方修正。ブルームバーグ・ニュースによる事前調査の予想中央値では前期比0.1%減、年率0.5%減が見込まれていた。
需要項目別では、1日に公表された法人企業統計の内容を加味した結果、設備投資が同0.4%減と、速報(0.2%減)から引き下げられた。在庫のGDP全体に対する寄与度はマイナス0.6ポイントと速報と同じだった。
GDPの約6割を占める個人消費は同0.4%増と速報と同じだった。公共投資は同1.4%増と速報値(2.2%増)から下方修正。輸出から輸入を差し引いた純輸出(外需)の寄与度はプラス0.1ポイントと速報値と同じだった。
ゴールドマン・サックス証券の馬場直彦チーフエコノミストは発表後のリポートで、「法人企業統計では設備投資は前期比プラスとなり、今回の改定値でも上方修正が予想された」ものの、GDP統計の改定値では「サプライズの下方修正となった」と述べた。
その上で、「実質所得の低下と高水準の在庫は、比較的長期にわたってボディー・ブローのように国内需要に負の影響を与え続ける可能性がある。10-12月期は、マイナス成長だった過去2四半期からのリバウンドもありプラス成長を見込むが、回復力は弱い」とみている。
日本銀行は10月31日の金融政策決定会合で、長期国債の買い入れを「保有残高が年間約80兆円に相当するペース」に拡大、指数連動型上場投資信託(ETF)と不動産投資信託(J-REIT)の買い入れも従来の3倍に増やすことを決定した。この決定に対して、木内登英、佐藤健裕、森本宜久、石田浩二の4審議委員が反対票を投じた。
安倍晋三首相は7-9月1次速報値が発表された翌11月18日夜、官邸で記者会見し、来年10月に予定していた消費税率10%への再増税を2017年4月まで1年半延期し、衆院を解散すると表明した。
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更新日時: 2014/12/08 09:51 JST