政治資金:世耕氏団体に毎年500万円

毎日新聞 2014年11月29日 07時00分

 政治資金規正法は資金管理団体などへの企業・団体献金を禁じており、個人名義での献金が実際には企業・団体献金に当たるのではないかと過去にたびたび問題視されてきた。世耕氏自身、12年3月の参院予算委員会で、細野豪志環境相(当時)の資金管理団体がパチンコ業界団体幹部ら6人から年間総額71万円の献金を受けたと指摘し「振込日(献金日)まで同じで、実質は業界団体からの献金ではないか。説明責任を果たすべきだ」と批判していた。

 人材派遣会社の会長は「献金のきっかけは父(名誉会長)が学生時代、世耕氏の祖父の弘一氏(元衆院議員)にお世話になったと知ったこと。いつ始めたかは記憶にない。個人が行っており、弊社が調整する理由はない」と文書で回答。社長も「個人として応援しており、社業とは関係なく、部下にも献金は指示していない」と文書で回答した。

 世耕氏の事務所は「個人の支援者からの寄付を忠実に報告書に記載した。企業献金とは認識していない」と文書でコメントした。

 ◇偽装献金の恐れ

 政治資金制度に詳しい岩井奉信・日大教授(政治学)の話 金額も期日も同じなら、自由意思で献金しているのか疑われる。政治資金規正法で禁じられている寄付の強制、または会社側が補填(ほてん)していれば偽装献金の可能性もある。クロに近いグレーの献金だ。ただし立証は難しく、規正法の大きな抜け道として多用されている。まずは政治家が襟を正し、こうした献金を自粛すべきだろう。

最新写真特集