■変革には価格規制も足かせ
人口的な要因以外にもロッテ、オリオン、クラウンヘテのいわゆる「3大メーカー」が独寡占市場に安住し、積極的な投資と競争を回避しているとの分析もある。新製品の開発と生産ラインの構築に100億ウォン(約10億円)以上を投資するよりは、これまでの商品に多少の変化を加えて安定的な収入を得る戦略を選んでいるというのだ。韓国未来消費者フォーラムのパク・ミョンヒ代表は「菓子メーカーは、いつの間にかパッケージを変え、窒素で膨らませて値段を引き上げる以外には、新たな試みをしていないようだ」と分析する。
企業は「政府が『庶民の食品』という理由で菓子類の値段を統制しているためかろうじて収益を出している程度で、新製品の開発のための資本の蓄積ができない」と訴える。実際に菓子類は2008年にいわゆる「MB物価指数」(李明博〈イ・ミョンバク〉政権が作った、国民の負担を減らすため価格規制をかける製品の指数)にも含まれている。菓子業界の関係者は「半導体や自動車も国内市場での成功を足掛かりにして海外進出を果たした。食品分野は政府の物価規制があまりにもひどく、バイオなど未来の新産業に対する投資は後回しにし、利益も辛うじて出している水準」と話す。
こうした状況で海外製の輸入菓子の勢いは激しさを増している。ホームプラスでは2012年に34.9%だった輸入菓子類の占める割合が今年は37.5%にまで上昇した。今年に入って10月までに輸入菓子の売り上げは昨年より25.5%も増えた一方で、韓国製の菓子類の売り上げは8.9%も減った。
現代デパートでも輸入菓子類の売り上げは今年に入って15%近く上昇した。現代デパートで輸入食品のバイヤーを務めるギム・ユスン氏は「韓国製の菓子類の一部は価格競争力でも輸入品に立ち遅れている」と言い切る。梨花女子大学のチョン・ミョンス教授(食品工学)は「海外製の菓子類が数多く輸入され、競争が激化している状況で、韓国の菓子メーカーが今の状態に安住していては大きな危機に直面する恐れがある」と警鐘を鳴らした。