インターネット広告の歴史

Webマーケティングの前に

Web広告の目標設定

日本のインターネット広告の変遷

1996年頃~

  • バナー広告(純広告)
  • 1996年4月、商用検索サイト「Yahoo! JAPAN」がサービスを開始
  • 1996年6月、「電通」と「ソフトバンク」の合弁によるインターネット広告を専門に扱う広告代理店「サイバー・コミュニケーションズ」設立
  • 1996年7月、「Yahoo! JAPAN」がバナー広告の取り扱いを開始
  • その後、「インフォシーク」、「goo」などの検索サイトを始め、朝日新聞、日本経済新聞などのWebサイトがサービスを開始
  • 「メール広告」が登場したのもこの時期

2002年頃~

  • リスティング広告(検索連動型広告)
  • Google Adwords
  • 2002年2月からアメリカでサービスを開始
  • 2002年9月に日本でサービスを開始
  • Overture(現Yahoo!リスティング)
  • 2002年11月から日本でサービスを開始
  • 2003年7月Yahoo!がOvertureを株式交換により買収することを発表
  • Yahoo!はリスティング広告を手掛ける100%子会社のOvertureを2009年10月1日付けで吸収合併
  • これらは従来の広告と全く異なる次世代広告として革命を起こし、「最も優れた広告」と言われている
  • 「能動的で購買に直結、しかも少額予算から可能」という特徴が、多くの広告主にとって大きなメリットとなった
  • 「アフェリエイト広告」が登場したのもこの時期
  • リスティング広告の事例やノウハウはこちらで紹介しています。

2003年頃~

  • コンテンツマッチ広告(コンテンツ連動型広告)
  • Google Adwords(コンテンツターゲット)
  • Google AdSenseの枠やGoogleが持っている広告枠に広告を配信できるシステム
  • テキスト、言語、リンク構造、ページ構造などの要因に基づいて、サイトのコンテンツとテーマを分析してセグメントし、特定されたWebページの主要なテーマと広告主の選択したキーワードや広告文をマッチングさせることで、関連性の高い広告を配信する仕組み
  • あらゆる規模のサイト運営者が Google の膨大な広告主ネットワークにアクセス可能に(2003年4月23日に買収した Applied Semantics 社の技術を導入し、Google AdSense が誕生)
  • Overture(コンテンツマッチ)
  • 閲覧しているWebページの内容に応じた広告を表示する仕組み
  • 2009年にサービス終了(「インタレストマッチ」が後継サービス)

2005年頃~

  • 行動ターゲティング(あくまでターゲティングの手法であり、広告配信の手法ではない)
  • 行動ターゲティングとは、インターネットユーザー(厳密にはCookie)のあらゆる行動を解析・分析して、ターゲティングする対象ユーザーを選別するターゲティング手法
  • 登場したのは2000年のアメリカだったが、当時は行動ターゲティングに対する準備が整っていなかった
  • 2004年頃から再びアメリカの一部で行動ターゲティングの熱が高まり始め、2005年後半から徐々に日本でも広まってきた
  • 行動ターゲティングを利用した広告には、興味関心連動型広告やリターゲティング広告などがあげられるが、これらが注目されるようになったのは2008年頃から

2008年頃~

  • 興味関心連動型広告
  • Overture(インタレストマッチ)
  • 2008年9月中旬、Yahoo!より興味関心連動型広告「インタレストマッチ」のサービスが開始
  • 「入札キーワード」と「今閲覧しているページ内コンテンツ」「過去に閲覧したページ内コンテンツ」「直近の検索キーワード」との適合性および「入札価格」「広告の品質」などを総合的に判断し、掲載する広告を決定する仕組み
  • コンテンツ連動型広告のコンテンツマッチに「過去に閲覧したページ」「直近の検索キーワード」などの行動ターゲティングの要素(ユーザーをセグメントできる)がプラスされたサービスで、デモグラフィック情報や時間軸でもターゲティングできる
  • この時点では精度がかなり低くあまり浸透しなかったが、2013年現在はリリース当初よりも精度が上がっている
  • アドネットワーク広告(広い意味での第三者配信)
  • 広告媒体のWebサイトを多数集めて「広告配信ネットワーク」を形成し、多数のWebサイト上で広告を配信する広告配信手法
  • 多くのWebサイトを媒体とすることで、全体では多くのトラフィック量を確保することが可能
  • 多種多様なジャンルの広告や広告媒体が混在しているため、広告配信効果を最適化する技術として、Cookieのデータをもとにユーザーの傾向を分析する行動ターゲティング広告(BTA)が導入されている場合が多い(e.g.リターゲティング広告)
  • 特定の広告について掲載しないようにしたり、ジャンルをあらかじめ限定したりするといった設定が可能(媒体側)
  • 広告主はサイトのジャンルを指定することもできる
  • “アドテク”時代の到来
  • アドネットワーク広告の概要 アドネットワークを使った広告配信

2010年頃~

  • アドエクスチェンジ
  • 各媒体・各アドネットワークが抱える広告枠(AD)を交換(EXCHAGE)できる仕組み(第三者配信アドサーバー)
  • アドエクスチェンジを介して配信プラットフォーム(仕様)が統一された⇒広告の取引市場化
  • 「どこに広告を出す」から「どの単価で出稿するか」へ
  • アドエクスチェンジのうち、広告枠のインプレッションが発生するたびに競争入札を開始し、最も高い金額をつけた購入者の広告を表示するといった方式が「リアルタイム入札(RTB)」と呼ばれる
  • アドエクスチェンジの概要 アアドエクスチェンジを使った広告配信

    アドエクスチェンジの仕組みと特徴についてはこちらで解説しています。

2011年頃~

  • オーディエンスターゲティング(あくまでターゲティングの手法であり、広告配信の手法ではない)
  • インターネット上の行動データ(Cookie)をもとにした、個人を特定しない「人(オーディエンス)」ターゲティング手法
  • アメリカでは古くから存在していた「行動ターゲティング」をベースに、2007年頃からはデータソースを複雑に絡めたターゲティング手法により、オーディエンスターゲティングが注目され始め、市場の規模を徐々に拡大していった
  • 複数のポータルサイトが連携することで、質の高いターゲティングを行いながら、従来の行動ターゲティングよりターゲティングの対象を拡大することが可能となった
  • 従来の行動ターゲティングと比較して、「誰に配信するか」により重点を置いていることが特徴
  • アドエクスチェンジにおけるオーディエンスデータの利用
  • アドエクスチェンジにより各媒体・アドネットワークの仕様が統一され、オーディエンスターゲティングにより統一化されたプラットフォーム上のユーザー行動履歴を取得できるようになった
  • アドエクスチェンジを介してネット全体を横断したオーディエンスターゲティングが可能となった
  • 「どの単価で出稿するか」から「どの単価で出稿するか」 +「どんな人に広告を出すか」へ
  • オーディエンスターゲティングの概要 アドエクスチェンジとオーディエンスターゲティング

    オーディエンスターゲティングの仕組みと特徴についてはこちらで解説しています。

  • DSP(Demand-Side Platform)
  • 複数のアドエクスチェンジやネットワークを一元管理する広告配信の統合プラットフォーム(Demand-Side Platform)
  • 広告主や広告代理店が使用する、広告在庫の買い付け、広告配信、掲載面、オーディエンスターゲティング等を一括して行う(あらゆる最適化がシステム化)ことができる
  • 複数のSSP(Supply-Side Platform)とRTB接続することで、広告主の求める在庫を必要な時に必要な分だけ確保することが可能
  • SSPとは
  • 媒体側の純広告以外の在庫の収益を最大化させる仕組み
  • アドネットワーク毎の想定eCPMを算出 、アドエクスチェンジ/DSPからRTBでリアルタイムに入札された単価を受け取る
  • 一番高額と判定されたアドネットワーク/アドエクスチェンジ/DSPの広告が配信される
  • DSPの概要 DSPを使った広告配信

    DSP、SSPの仕組みと特徴についてはこちらで解説しています。

  • 3PAS(第三者配信)
  • 複数のメディアの広告を一括管理して配信・効果測定を行うアドサーバー(第三者配信アドサーバー)、つまりサーバー自体のことを指し、前述の第三者配信(アドネットワーク)よりも狭義の第三者配信
  • DSPやアドエクスチェンジと違って、3PASには広告枠の買い付けや配信のオプティマイズ機能などはないが、「配信」と「効果測定」に強い
  • 効果測定のメインは「SEO(自然検索)」「リスティング広告」「ディスプレイ広告」だが、「純広告」も3PAS経由で配信できるものもあり、他の広告と同様に効果測定が行える
  • 3PASを使った広告配信

    3PAS(第三者配信)の仕組みと特徴についてはこちらで解説しています。

  • アトリビューション分析/アトリビューションマネジメント
  • アトリビューション分析とは
  • コンバージョンに至ったアクションそれぞれの貢献度を分析すること
  • アトリビューションマネジメント
  • 貢献度に応じてポートフォリオの組み換えを行うこと

  • ラストクリック評価
  • 媒体別にインプレッション数とクリック数と、コンバージョン数と媒体費とCPAを並べて、掲載期間内の媒体評価を行う
  • コンバージョンに至った最後のコンバージョンだけを評価し、間接的な貢献度は媒体評価に加味しない
  • クリックスルー評価
  • 直接コンバージョンの前に、実際にクリックした広告は、貢献度分析に含めるという考え方
  • コンバージョンに結びついた間接クリック効果を算出して、予算を再配分するという考え方
  • ビュースルー評価
  • 広告を実際に見た人も貢献度分析に含めるという考え方
  • コンバージョンに結びついたビューの効果を算出して、予算を再配分するという考え方

  • アトリビューション評価の視点
  • どのコンバージョンタイプまで評価に含めるか
  • ラストクリック、クリックスルー、ビュースルー
  • 間接効果を評価する期間
  • 「ラストクリックから半年以上前の間接効果は評価しない」など
  • 正しい重み付けを行う(間接効果の適切な評価モデル)
  • 均等配分モデル/流入回数の重み付けモデル/誘導力モデルなど
  • どのモデルを採用するかは実際に複数のモデルで分析してから判断しても良い

  • ゴールを忘れない
  • ゴールはコンバージョン(売上)を最大化する広告施策全体のポートフォリオを組むこと
  • どんなアトリビューション分析を行うにしても、その分析によってコンバージョンが最大化されればそれが正解 ⇒共通の正解はないので、仮説・検証を繰り返し、自社に合ったアトリビューション分析/アトリビューションマネジメントを発見する
  • アトリビューション分析の5つのモデル

    アトリビューション分析の仕組みと特徴についてはこちらで解説しています。

2012年頃~

  • アドベリフィケーション
  • アドネットワーク広告などにおいて、ブランドイメージを守るために利用される広告主が許可した掲載場所だけに広告が配信されたかを確認するサービス。広告が不適当な掲載場所やサイトに掲載されないようにすることで、企業のブランドイメージを守るほか、ユーザーの視認可能な場所に掲載されているかなども検証することができる。
  • 例えば、「ファーストビューのみに広告表示(ユーザーが"見た"広告を"ファーストビューに表示された広告"として定義する)」なども可能で、実際にこの条件で配信を行ったところ、僕が運用する広告は目に見えて効果が改善されました。
    【事例紹介】ファーストビューのみ広告表示で効果が改善されました。
  • アドベリフィケーションの仕組みと役割についてはこちらで解説しています。

  • 動画広告
  • 動画・音声を利用し、インパクトのある訴求が可能な広告。
  • 現在U.S.を中心に利用が拡大しており、2012年予測で約31億ドルの市場規模(対前年比150%)Display広告全体の約25%を占める。
  • 静止画だけではサービスの価値を伝えることが難しい商材において、特に有効な広告媒体だと思える。
  • 国内におけるフェーズ
  • DSPの普及により幅広いリーチが可能になり、誰(オーディエンス)に広告を配信するかのシステム化が進み、現在「誰に何を見せるか」というフェーズ
  • 2011年頃から登場し、2012年時点ではまだまだ出稿が少なかったが、2013年から普及しそうな予感。
  • 著者が実施した動画広告の事例はこちらで紹介しています。

2013年頃~

  • DMP(Data Management Platform)
  • インターネット上の様々なサーバーに蓄積されるビッグデータや自社サイトのログデータなどを一元管理、分析し、最終的に広告配信などのアクションプランの最適化を実現するためのプラットフォーム
  • オープンDMP:サイト訪問ユーザーのデモグラ情報や、興味関心・嗜好性等などを外部のオーディエンスデータとシンク(データエクスチェンジ)させることができる
  • プライベートDMP:オープンDMPの領域に加え、企業独自ののマーケティングデータ(購買情報、ユーザープロファイル、各種プロモーションの結果等)を集約し、外部のオーディエンス情報とシンクさせ構築するプラットフォーム
  • DMPを使った広告配信

    DMP(Data Management Platform)の仕組みと特徴についてはこちらで解説しています。

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