【日本S】優作V2へ1差2位!6人目レジェンド見えた
◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー最終戦・メジャー最終戦 日本シリーズJTカップ第3日(6日、東京・東京よみうりCC、7023ヤード=パー70)
「新・日本シリーズ男」襲名だ! 昨年覇者の宮里優作(34)=フリー=が、大会史上6人目(7度目)の2連覇に大きく前進した。首位から出て5バーディー、2ボギー、1ダブルボギーで3日連続のアンダーパーとなる69をマーク。通算6アンダーで首位に1打差の2位につけた。涙のツアー初Vを飾った昨年の再現へ、最終日の7日は2年連続の最終組でスタートする。68で回った韓国の李尚熹(イ・サンヒ、22)=フリー=が7アンダーで首位。
万事休すの一発が、優作に思わぬ好転をもたらせた。最終18番(パー3)の第1打。昨年、涙のチップインパーで優勝を飾った名物ホールで、打った瞬間に心の中で「やっちまった!」と悲鳴を上げた。
打球は左に思い切り曲がり、アリ地獄のように口をぱっくりと開けるバンカーへ―。と思った矢先、コースロープ最前列のギャラリーの座っていた腰掛けに直撃して前のラフに転がった。「バンカーだったらダボは覚悟しなきゃと思った」。前の組の小田孔明(36)=フリー=が“目玉”にしてダブルボギーを打ったバンカーを回避。気持ちも楽になった優作はロブショットでピン手前3メートルに寄せ、きっちり沈めた。貴重なパーを拾い、首位の李尚熹に1打差でホールアウト。優作は「まだ運があるかな?」と、太いまゆ毛を八の字にして喜んだ。
前半の4バーディーは、すべてピン2メートル以内から。2打リードの8アンダー単独首位で折り返したが、みぞれで気温が急激に下がった後半に好調なショットが崩れた。「天候の急変とともにスコアも急変して…。寒くて距離感を取るフィーリングが狂ってしまった」。14番では3オン3パットのダブルボギー。ピンチを救ったのが「苦手」から「精度がかなり上がった」と自信を口にするようになったパッティングだった。
40位だった10月のブリヂストンオープン。パターの握りを変えて間もない時期に、コーチの父・優さん(68)から「硬くないけど、こねてない。これまで(グリップは)日替わり弁当だったけど変えるな」と助言を受け、目が覚めた。15番では7メートルのフックラインを沈めてバーディー、ガッツポーズが飛び出した。
尾崎将司、青木功らレジェンドが達成した大会2連覇は手の届く位置にある。昨年の“勝利の女神”妹の藍(29)は都内イベントに出席予定で、東京よみうりCCに向けて必勝パワーを送る。昨年は首位で迎えた最終日も、1年後は追いかける立場となった。「楽しみですねぇ。最終日に最終組に入れただけでオールOKですから」。もはや怖いもの知らずだ。(小河原 俊哉)