岡崎明子、錦光山雅子
2014年12月7日12時14分
わずかな血液を調べるだけで「遅延型の食物アレルギー」の原因食品がわかるとうたう「IgG抗体検査」について、日本小児アレルギー学会は「推奨しない」とする見解をまとめ、学会サイトで注意喚起した。原因ではない食品まで食べないよう指導され、低栄養などの健康被害につながる恐れがあるという。
この検査は、指先から少量の血液を採り、免疫機能の指標の「IgG抗体」というたんぱく質を測る。米や昆布、牛肉など96品目についてアレルギー反応の度合いがわかるとする米国製の検査キットを、日本の代理店が約2万9千円で販売。代理店によると、数百カ所程度の医療機関が導入している。
通常の食物アレルギーでは血液で別の抗体を調べる。遅延型アレルギーは、通常と違って症状がすぐにあらわれないとされる。IgG抗体検査を使っているクリニックなどのなかには、疲労や不安、体重増加など様々な体の不調が遅延型アレルギーと関係しているなどとして、特定の食品を食べないよう指導するところもある。高額なサプリメントの購入を勧められた受診者もいる。
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朝日新聞社会部
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