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【G大阪】9年ぶりJ1制覇!史上初の降格圏16位から大逆転!

2014年12月7日6時0分  スポーツ報知
  • 9年ぶり2度目の優勝を決め、Jリーグ優勝シャーレを掲げる遠藤を中心に喜ぶ宇佐美(右前)らG大阪イレブンとサポーター

    9年ぶり2度目の優勝を決め、Jリーグ優勝シャーレを掲げる遠藤を中心に喜ぶ宇佐美(右前)らG大阪イレブンとサポーター

 ◆J1最終節 徳島0―0G大阪(6日・鳴門大塚ポカリスエットスタジアム)

 G大阪が降格圏からの大逆転Vを達成した。徳島と0―0で引き分けて勝ち点63に伸ばし、2位の浦和と3位の鹿島がともに敗れたため、2005年以来9年ぶり2度目の優勝を決めた。J1昇格初年度の優勝は11年の柏以来2チーム目。J1は来季から2ステージ制に移行。G大阪は00年鹿島以来の3冠を懸け、13日の天皇杯決勝(日産ス)でJ2山形と対戦する。

 ピッチ上で浮かべていた不安そうな表情が、やっと笑顔に変わった。G大阪のイレブンは0―0で試合を終えると、浦和戦が終了するまでの2分間を、ピッチ上で待った。そしてベンチから控えの選手たちが飛び出してきたことで、優勝を確信。宇佐美は一直線にスタンドに駆けだした。「真っ白になりました。ほんまに優勝かって」。史上最大の逆転Vに涙がこみ上げる。エースは何度も拳を突き上げながら、徳島まで駆けつけたサポーターと喜びを分かち合った。

 この日はシュート4本も無得点。しかし負傷で出遅れた今季、5月の復帰以降に10得点を挙げてチームをけん引したのは紛れもなく宇佐美だ。2013年に就任した長谷川監督は、ポゼッション・サッカーを伝統とするチームに、縦に速く攻めるカウンターの意識を植え付けた。その戦術にスピードあふれるドリブル突破が武器の宇佐美と、今夏に加入した大型&快足FWパトリックがはまった。05年の優勝に貢献した大黒&アラウージョのコンビにも負けない“最強2トップ”が、新生G大阪の看板となった。

 19歳でバイエルンに移籍し、今後の日本を背負う選手と期待をされてきた宇佐美。ドイツでも才能は高く評価されたが、技に心が追いついていなかった。12年、在籍したホッフェンハイムが2部との入れ替え戦を戦っている最中、宇佐美はドイツの他クラブと移籍交渉に臨んだ。そのクラブ関係者から「降格争いは気にならないのか?」と聞かれた時「今のクラブに愛着はない」と答えた。移籍話は立ち消えた。

 失意のなか、「ここでダメなら、もう次はない」と覚悟を持ってG大阪に復帰。長谷川監督から以前のサイドMFではなくFWとしてのセンスを見いだされ、その才能は再び花開いた。しかし今季、優勝争いに絡み始めた9月後半にリーグ戦7試合無得点とスランプに陥った。その時、指揮官から「みんながチームのために走っている。その時、お前は何もしなくていいのか」と叱責された。チームのために戦う意識が、足りなかったことに気づかされた。

 「個人的には理想の50%くらい。帰ってきた時、もう一度ガンバで時代を築きたいと言ったけど、まさかJ1復帰1年目で優勝できるとは。でもまだまだ。もっともっと、タイトルに貢献したい」。リーグ優勝のシャーレをサポーターの前で掲げ、優勝に貢献した喜びを実感した宇佐美。発展途上のエースの言葉は、G大阪に新たな黄金期の到来を予感させた。(金川 誉)

 ◆ガンバ大阪 1980年、松下電器産業サッカー部として創設。93年Jリーグ開幕で加入。2013年にJ2降格も、14年にJ1復帰。主なタイトルはリーグ戦2回(05、14年)、ナビスコ杯2回(07、14年)、天皇杯3回(90、08、09年)、ACL1回(08年)。ホームタウンは吹田、茨木、高槻、豊中市。ホームスタジアムは万博記念競技場(2万1000人収容)。長谷川健太監督が13年から指揮。

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